森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

リュウノウギク

2012年11月30日 | 自然観察日記
越後ではリュウノウギクは糸魚川地域以南にしか見られないものです。内陸部にはないと思いますから海岸に沿って北上し県南部に自生していると考えるのが自然ですね。「野菊」というといろいろな種があげられます。県内ではヨメナやユウガギク、ノコンギクにシロヨメナ。あるいはハルジョオン・ヒメジョオンなども「野菊」扱いされるのかもしれませんが、このリュウノウギクほど「菊」ではありません。へんな表現ですが、リュウノウギクは葉を見ると、まさに「菊」で他の「野菊」とされるものと明らかに異なります。栽培される「菊」はこのリュウノウギクと同じ系統であることは間違いないことでしょう。
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リュウノウギク 花

2012年11月30日 | 自然観察日記
かつて静岡県内各地でごく当たり前にリュウノウギクを目にした時期がありました。この地では「野菊」といえばリュウノウギクというほどの近さでしたが、越後では糸魚川まで来てやっとみられる花のわけですから久しぶりに見る花は懐かしさでいっぱいでした。感慨ひとしおといったところ。やはり、私にとっての「野菊」はリュウノウギクなのだなぁとしみじみ感じたひと時でもあります。
ところで、花にはアリが沢山いるのに注目してください。実はアリは重要なポリネーターではないかと思います。とくにこの季節はあまり翅のある昆虫が飛来して受粉を手助けしているようなことは考えにくいですね。そればかりか、もっと暖かい季節でもアリが蜜を求めてさまざまな花に来ています。蜜のなさそうなカンアオイなどの花にもアリが来るのを見たことがあります。アリの行動によって花粉が媒介されるケースが多々あるという感じがします。
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タツノヒゲ

2012年11月29日 | 自然観察日記
この種もなかなか押さえられなかったものですが、この時に初めてタツノヒゲと識別できました。もう実は落ちていて決め手には欠けましたが、かつて教わったイメージのままの姿で生えていました。実はこの草は葉が表裏が反転して裏面が表側に出ているのです。これと同じ性質を持つのがウラハグサという種で園芸的には「風知草」と呼ばれています。脳の片隅にあったイメージと照らし合わせ、葉の表裏反転を確認して納得した次第です。
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シソ科の花

2012年11月29日 | 自然観察日記
いくつかの個体があったのですが最終的にしっかりとした写真が取れなくて決め手に欠けるのですが、ヤマハッカ?かな。ハッカといってもハッカ臭はありません。この季節越後では近縁のタイリンヤマハッカが普通にみられるのですが、葉が亀葉状になっていませんでしたから、これにいちばん近い種はヤマハッカということになってしまいます。このグループも変異が多く写真を撮ってすり合わせるような手法では駄目で、標本を作り顕微鏡観察をきちんとしないと本当のことがわからないのだと思います。
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イヌヨモギ

2012年11月28日 | 自然観察日記
最近はかなりマイナーな話題が多いのですが、このイヌヨモギもその範疇でしょうか。もっともこの季節に目立つものがなくなってきましたからそれもやむをえません。
イヌヨモギ、花を見ればヨモギの仲間とすぐにわかります。全県的に分布していて山裾の崖など他の植物に被圧されにくい場所に住んでいるようです。今回は糸魚川のフォッサマグナパークの遊歩道沿いの崖で見られました。
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イヌヨモギ 葉

2012年11月28日 | 自然観察日記
ヨモギの仲間と花では識別が簡単ではあっても、葉ではかなり異質な感じがします。もし花がなければかなり迷ってしまいますね。花と葉の組み合わせで「イヌヨモギ」という種を押さえるといいということでしょうか。全県にあるとはいえそう簡単に出会える種でもありません。
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ナンバンハコベ 花

2012年11月27日 | 自然観察日記
図鑑や文献などで理解している種は実にたくさんあります。むしろそれがほとんどかもしれませんね。そんな種が突然目の前に現れるとえもいわれぬような感激に襲われます。新しいものに「出会えた!」という感動は当然ありますが、むしろ未知のことが「判った!」あるいは「理解した」という喜びの方が大きいものです。
ナンバンハコベに出会いました。これも図鑑などで再々目にしている花ですが、実物を見るのは初めて。目にした直後は「ン?」、一呼吸おいてこの花があの図鑑の○○の所に載っていたものというのがピピッと繋がると心の中で大きな歓声をあげてしまいます。北海道から九州にかけて生育するといわれる種ですが県内で見たのがこれが初めて。場所は糸魚川。それも晩秋。決して密度の高い種ではないと思います。
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ナンバンハコベ 実

2012年11月27日 | 自然観察日記
実もありました。実は黒く熟すはずですが、まだ青い状態。周辺の草花はもう冬の装いのものが多い中で、ナンバンハコベは花盛り。道端の枯れかかった草に巻き付いていたのです。つる植物だということをこの時初めて認識しました。県内の分布を調べてみると県北と県南でよく見つかるようで長岡など県央は稀です。さらに、県北は低海抜で見つかるのに県南は高海抜で見つかることが多いようですよ。変わった種です。
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戦場ヶ原は単調な植生

2012年11月26日 | 自然観察日記
解説によるとこの一帯のカラマツは植栽されたものだそうです。開発の手が入っていたようですから、ミズナラももともとこの地にあったのが更新して生育しているのでしょう。巨木に類するものはありません。樹齢からして50~60年以内(かな?)。この2種以外に高木は極めて少なく、イタヤカエデやハルニレなどがときおり出てくる感じです。林床はほぼミヤコザサ。単調でしょう。多少は晩秋のため隠れてしまった種もあるかもしれませんが、痕跡すらないのですから越後では考えられない植生でした。それでもゴジュカラが良く顔を出してくれて慰めてくれます。
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ミズナラの葉

2012年11月26日 | 自然観察日記
ミズナラとコナラの区別するのに良く葉柄のあるなしをいいます。あるのがコナラでないのがミズナラとするのですが、なぜかここのミズナラはどれも葉柄がしっかりあるのです。これでは葉柄で区別するなどということができなくなります。越後で見るミズナラに比べ確かに葉柄が長くはっきりしているようです。葉は葉柄を除けばやっぱりミズナラですから、どんな形質でも単純に区分けすることができないなぁとしみじみと思ったものです。
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枝が癒着する?

2012年11月26日 | 自然観察日記
ミズナラの枝が交叉して成長に伴い両枝が癒着しそうな気配です。風などの作用で枝が動かず固定されていると案外簡単に癒着するでしょうね。こういう樹木をいくつか見た記憶があります。そういえば里山ではカキノキに癒着したものがあったような・・・。
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小田代が原全景

2012年11月25日 | 風景
小田代が原を一望したポイントからの絵ですが、広そうにも思いますがこれが全部ぐるりと電磁柵で囲まれています。グリーンシーズンは結構面白いものが出てくるのでしょうか。カヤとホザキシモツけが目立つ枯野でした。
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小田代が原に続く散策路

2012年11月25日 | 風景
当日は気持ちの良い晴天で山歩きには最適な条件でした。散策路に入って落胆したのがササ原の光景。見渡す限りミヤコザサが繁茂していて、ミズナラやカラマツ・トウヒが点在している光景です。これはこれで絵になるもののその構成種の少なさに残念な思いです。おそらく以前はもっと多様性があったのだろうと思いながら歩いてみました。このササ原では新たに運ばれてきた種子は発芽できませんから、ササが死滅するまでこの状態が続くのでしょう。
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シカと人を分ける柵

2012年11月25日 | 自然観察日記
これが小田代が原をシカの被害から保護している電磁柵に設けられている「門」です。人が檻の中に入らなければならないのです。悲しい話ですね。越後の山野を歩く限りではこういう経験はありませんでしたからかなりのショックです。小田代が原や戦場ヶ原がシカによって生態系が破壊されているのだと思い知らされましたね。ミヤコザサの大草原もおそらくシカの影響が大きいのだと思います。
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ホザキシモツケ

2012年11月24日 | 自然観察日記
11月も下旬になるとあまり野外に出なくなり、ブログの更新にネタ探しがたいへんな時期になってきました。仕方なしにタイミングがズレてはしまうものの今まで載せてこなかったものを取り上げざるをえません。あのときのことを思い出しながらの更新に励むことにします。
先月日光小田代が原に出向いた時のことです。もう紅葉は盛りを過ぎて枯葉が目立つ季節でしたが、平日にも関わらず結構人の出は多く少々驚きです。もう少し面白味のある場所かなと思いましたがかなり期待外れで、人の多さに比べ越後の自然の方が面白いなぁというのが率直な気持ちです。冬枯れというのが問題でなく、そこにある種の少なさに少々落胆でした。
ホザキシモツケ。草本のような木本のような・・ですが低木扱いです。小田代が原には大きな群落があるようで立ち枯れの姿が印象的でした。絶滅危惧種に指定されているようです。そもそも、この小田代が原は周りが電磁柵にぐるりを囲まれていて扉を開けて入ってくるとい場所になっていました。ニホンジカの食害を守るためなのです。ここに来て何か面白くないと思うのはニホンジカの影響が大きいのが原因のようでした。貴重なものがとにかく食い荒らされてしまって、残っているのはミヤコザサしかないという世界なのです。
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