いわき市泉町の安心工務店  有限会社正工務店です。(ただしこうむてん)

いわき市泉町の正工務店のお仕事紹介です。新築物件やリフォーム物件、長期優良住宅など、皆様に役立つ情報を更新していきます。

長期優良住宅リフォーム 7

2011-02-16 15:49:53 | 長期優良住宅

リフォーム 耐震 省エネ 断熱 新築 いわき市で住宅の事なら何でも・・・ご相談ください


隙間相当面積、気密化住宅にはよく耳にする言葉です。

C値/と言う単位で表されます。建物の延床面積に対する隙間の面積。

例えば、C値が2.0の場合は延床面積が100平方メートルに対し200平方センチメートルの面積という指標なります。これは集約すると14センチメートル四方程度の大きさという事になります。

この数値が小さければ機密性が高くなります。

新築住宅の場合は気密工事が容易に対応できますが、リフォームの場合は難しくなります。

今回は全体的なリフォームという事もあり、気密化工事、断熱化工事共に施工することになりました。しかし、新築の高気密住宅のような数値は求めません。

既存の在来工法の一般住宅でのC値はおおよそ7.0~10.0程度です。

基本的にはリフォーム工事ですので、現状の建物で高性能にする事が目的です。

気密シート付の断熱材や気密シート、断熱材を各部位で使い分けし、気密性能を上げると共に高断熱目指します。

通常の新築住宅に比べ、多少施工性は落ちます。しかし、既存の状態を調査し、気密の取れている箇所はそのまま活用します。

現場で気密化工事、断熱化工事を進めていくと性能が上がっていくのが体感できます。

外部での作業途中で中に入ると、暖かいのです。これは不思議でもなんでもなく、当たり前なのですが・・・

建築後30年を経て、和室が多い建物ですが、今回、気密測定をした結果はC値3.2がでました。

※画像をクリックすると拡大



浴室の坪庭

2011-02-10 10:05:39 | 長期優良住宅


長期優良住宅のリフォームの現場から・・・

今回は性能的な話ではなく、くつろいだ空間を演出する浴室です。

リフォームをする前にはタイル貼りの浴室で冷たい感じの空間でした。

今回の工事でシステムバスに変更しました。

ドアを開けて正面には透明ガラスの大きな窓、そこには自然石の灯篭が見えます。

その奥には無垢の木材で目隠しを廻しました。

まだ、緑(植物、低木)はありませんが、出来上がりを想像してみてください。

一日の疲れ、ストレスをこの空間でその日のうちにリセットできれば・・・



長期優良住宅リフォーム 6

2011-02-02 13:06:47 | 長期優良住宅

~ 耐震・断熱改修の計画 ~

改修構想の検討

住宅の改修(リフォーム)は建物の現況、ユーザーの希望、予算に基づき検討することがとても大事です。ユーザーは一般的なリフォームの知識で、住宅をリフレッシュしようとする場合が多く、これに対し、断熱・耐震改修が可能で大きな効果があり、説明・理解を得て耐震・断熱改修を含めた構想を、ユーザーと共に立て直さなければなりません。このとき、重要になるのが施工者の改修工事に対する経験・技術です。どのような耐震・断熱改修工法が適用できるか、その費用はどのくらいか、そして、ユーザーの希望はどの程度実現できるか。ユーザーの考えていた構想より、もっと良い提案はできないか、間仕切り変更があるときは、もっと良いプランはできないか、等々建築に対する今までの経験、耐震・断熱改修技術の深い理解をフルに生かした真剣な検討とユーザーへの対応が望まれます。ユーザーの予算は相対的なものであることも多く、改修の方法とその効果、工程などを複数提示することで予算も変わってくることもあります。

住宅の改修規模と耐震改修手法
住宅のリフォームの分類断熱・耐震改修手法
大規模な改修①基礎・軸組のみ再利用する大規模改修この場合は、殆ど新築の場合の高断熱・高気密工法と、耐震のための補強金物が適用できる。
建物を殆ど解体するが、基礎・軸組などを再利用する。意外にこうした改修は多い。面積が変わらなければ確認申請が不要になることもある。
②外装全面撤去による改修耐震改修は、殆ど新築と同様に可能。断熱改修は気流止めとしてグラスウールを利用する方法と、木材で気流止めを設置する方法がある。通気層を設置できることから、防湿は耳付きグラスウールを外から充填で良い。
外壁や屋根の両方、または、どちらかを完全に撤去する改修。内装も相当手を入れることが多いが、改修しない部屋も多い。
③内装全面撤去による改修耐震改修は、殆ど新築と同様に可能。ただし補強金物は内側から施工することになる。外部に通気層を設置することはできないが、室内側に防湿・気密シートを施工できるため問題はない。
外壁や屋根は、改修して間もないことから、手をかけず内装を大規模に全面改修する場合。
部分改修④外装・内装とも、最小限、部分的な改修多くのリフォームが、この条件に適合する。内外装を部分的に撤去し、必要な気流止め施工を行うことで、断熱・耐震改修を行うことができる。
予算を限った部分改修で、内外装は施工するとしても、表面仕上げの改修に留める場合。この場合、屋根外壁の改修は近年施工済みの場合が多い。
⑤外装を残したままその上に新設改修④と同じ手法で改修を行うが、既存の外壁を耐力面材として利用しながら、外壁の付加断熱をすることによって、新築と同等の性能に改修が可能である。
④に準じるが、外壁や屋根の劣化が激しく張り替えをしたい場合、既存外装を残したままその上に外装を新設する場合。



事前調査

改修の構想を検討するためにも事前調査は極めて重要です。構想立案、適用する工法の検討、予算の組み立てなど事前の正確な現地調査なしでは、不可能です。また、改修では往々にして、改修工事が始まってから木材の腐朽部分が発見されて、工事費が変わったりすることも多く、これが後のトラブルの原因となることもあります。しっかりした調査とユーザーに対する説明、そして理解を得ることもまた重要です。

1、住宅の概要
現況写真の撮影、建設年次、確認申請書類の有無、図面の有無、これまでの改修履歴
2、ユーザーの生活状況把握と改修要望事項の確認
住宅各室の使用状況、生活上の不満点、改善要望
3、現状での建物について不具合箇所の有無
雨漏り、外装(屋根、壁)の劣化の程度、開口部の劣化の程度、基礎のひび割れの有無、内装の劣化、設備の劣化
4、床下現地調査
床下に潜って工事できるかの確認。床下からの土台、大引き、根太等の腐朽、断熱材の状況。地盤の湿り気、防湿の有無。設備配管の不具合。根太と壁下部との取り合い(気流止めを詰められるか)、床断熱改修の可否。構造金物を使用しているかどうか
5、小屋裏現地調査
小屋裏での作業ができるかの確認。天井下地の強度、天井断熱材の状況。垂木・野地板の腐朽程度、気流止めを小屋裏から施工できる範囲の確認。下屋部分の範囲・広さ、点検口などの確認と作業の可否
6、軒天井廻りの調査
軸組上部の金物による緊結をするときの軒天解体程度の確認
7、基礎廻りの調査
基礎断熱とする場合、玄関ポーチやベランダ等の土間コンクリート部の範囲と構造、基礎廻り掘削の可否、土台廻りの納まり確認
8、開口部の調査
サッシメーカー、型番の確認、ガラスの種別、型ガラス使用箇所の確認、サッシ寸法の確認
9、室内の調査
室内から気流止め充填することが想定される部分の内装、家具・作り付け家具などの確認、詳細な写真撮影(各室展開写真を4面撮影)、内装劣化箇所の確認


木材が腐っていることが明らかな場合、ユーザーの了解を得て事前調査の段階で一部解体による確認をする事がより確実です。事前現地調査のチェックリストを作成し、ユーザーに説明・報告する必要があります。

現場の画像です(※クリックすると拡大)

ダイニングキッチン
流し台の裏、老朽化した配管からの
漏水による腐朽状況



和室、畳を剥したところ
荒床(畳の下床下地材)に蟻害の痕跡




では、また次回・・・

長期優良住宅リフォーム 5

2011-01-27 16:30:40 | 長期優良住宅

断熱改修の基本事項

在来木造住宅は、なぜ断熱材が効かないのか。在来木造住宅は、殆どの住宅でグラスウール断熱材が施工されているが、その断熱材が殆ど効いていない。原因は、壁(外壁、聞仕切り壁)と、床、天井との取り合い部にある。壁の上部は天井裏に、下部は床下に解放されている。暖房時、室内の暖かい空気で、壁内の空洞部の空気も暖められ、上昇気流が発生し小屋裏に抜ける。その結果、室内の暖かい空気や、1階床下の冷たい空気が壁内に吸い込まれる。2階の床下は、1階小屋裏部分とつながっており、小屋裏換気の冷たい空気が流入し同様なことが起こる。
その結果、壁内では冷気流が生じ、室内の熱を大量に小屋裏に流出し、また室内の暖かい湿った空気が、壁内に浸入するために、壁内結露や小屋裏結露が生じる。この現象は寒冷地ほど激しく起こるが、日本中で程度の差こそあれ、発生していると考えられる。
断熱改修として、例えば、壁の内装をすべて剥がし、グラスウール断熱材を厚いものに詰め直したとしても同様なことが起こる。やはり断熱材は効かないのである。もちろんこれまでの断熱材より密度が高く厚い断熱材を入れたとしても、外壁のグラスウールの内部にも僅かな気流が生じ断熱性能を低下させ、何よりも間仕切り壁の上下端部が解放されているため、ここから大量の熱・水蒸気が流出する。この在来木造の構造的欠陥を是正する必要がある。それは何らかの形でこの気流を止める、気流止め部材の施工が必要なのである。



気流止め設置で既存の断熱材が復活する

気流止めの工法は色々考えられるが、下図は全ての壁の上下端部などに何か詰め物をしたと、想定した図である。1階床下での作業は困難な場合も多いので、基礎の外周で基礎断熱として、床の断熱材には手を付けない方法をとっている。この場合は、床下は暖かい空間となるので、1階間仕切り壁下部には気流止めを施工する必要はない。
と床や天井の取り合い部は、壁材を打ち付ける下地として貫材が入っており、壁材を止めている釘が貫通して壁内に先端がはみ出していることが多い。そのために、この部分になにかを詰め込むことは、施工上とても困難である。木材などでふさぐことも考えられるが、間柱が通っており細かな作業を狭いところで行うのもなかなか難しい。1階外壁下部は、根太、間柱、柱、土台が錯綜しており、やはり同様に難しい。こうした詰め物は何か工夫が必要である。そして、この施工が実現したとすると、既存の50mm~100mmの断熱材は本来の性能を取り戻し、これまでの住宅の性能とは一変する。現在の高断熱住宅の外壁に比べると半分程度の性能であるが、基礎断熱と天井断熱で補えば、
駆体の断熱として70%ぐらいの性能を実現できる。また、この住宅の気密性能も格段に向上する。従来、壁内の空間が天井裏や床下に連通し、住宅の室内面を構成する部材の継ぎ目の隙間は全て外部に通じていたが、この気流止めによって壁内は外部と遮断される。天井面や床面には殆ど隙間は存在せず、あるとすれば壁との取り合い部である。
この部分の隙間を塞げば、殆ど新築の高断熱住宅に近い性能が得られる。壁の断熱厚は、増やすごとはできないが、気流止めに断熱材を使えば外壁の20%ぐらいは100mmとなり、残りの空気層も密閉空気層として、断熱層として効いてくる。



気流止めの設置で内部結露も殆ど防ぐことができる。

内外装にはできるだけ手をつけないで行う改修では、外側に通気層を設置することもできないし、室内に防湿層の設置も殆ど不可能である。これでは、壁内部結露が生じてしまうと誰しもが考える。しかし、実際問題としてこの気流止めを施工すると、これまで生じていた内部結露も止まってしまうことが多い。これには訳がある。在来木造の壁内に水蒸気が流入する原因は、殆どが壁内気流の発生による湿った空気の吸い込みである。気流止めによってこれが無くなれば、水蒸気の浸入は激減する。
・外装が、若干でも透湿性があり、タイル貼りなどの非透湿外装ではない。
・内装は、ビ二一ルクロス貼りで、比較的透湿抵抗が高い。
等の条件を満たせば殆ど心配はいらない。
新築住宅の通気層工法には、結露防止工法としては、かなりの安全率がかかっており、また、外壁の防水工法としての働きもある。通気層のない外装材の雨漏りには留意して改修が必要であるが、殆どの場合、内外装に手を入れる必要がないと考えられる。基礎断熱や桁上天井断熱層の新設、又は屋根断熱などを行うと、壁内の空間が暖かい空間となり、気流止めが不要と思われる場合でも、水蒸気の壁内に侵入することを防ぐ意味から、気流止めを設置する必要が生じる場合もある。



気密層の連続に留意し隙間を防ぐ

断熱改修では、気流止めの必要箇所を判断するために、住宅全体を覆う気密層を明確に意識するとわかりやすい。新築住宅では、防水気密シート、床、外壁の合板を気密層と設定するが、改修工事では新たに気密層を施工できない場合が多い。既存の部位の一部を気密層として設定し、それが住宅全体を覆うように考えていくことで断熱材が効き、隙間のない住宅ができあがる。下図は、外壁と室内天井面を気密層として設定したとき、その断点になる部分が、気流止めを設置する部分である。図では、赤丸で示す気流止めが隙間無く埋められることによって気密層の断点が埋められ、住宅の気密性が確保される。こうした改修では、気密性能は、3c㎡/㎡ぐらいは確保できる。新築住宅の性能から比べると余り良いとはいえないが、断熱性能はきちんと確保できるので、暖房時の住宅の熱性能は、これまでとは格段の違いになることが、これまでの施工実例で確認されている。
※木住協 在来木造の断熱・耐震改修より


現場の画像です(※クリックすると拡大)

和室と洋室の間仕切壁に
グラスウールで通気止め



洋室床の断熱材
厚さ100mmグラスウール



縁側は天井板を
張上げて気密シート、断熱材を順次施工
厚さ200mmのグラスウール


和室も天井材を
張上げて気密シート、断熱材を・・・
ピンク色に見えるのが気密シート





では、また次回・・・

長期優良住宅リフォーム 4

2011-01-26 09:54:50 | 長期優良住宅

断熱耐震同時改修プロジェクトの内容は次のようなものがあります。『その2』


先導的提案の概要
長期に利用される躯体において対応しておくべき性能省エネルギー対策断熱材の補充、不可断熱、開口部強化、熱交換換気の採用などを行い、全地域で等級4を満たす。熱計算書(熱損失係数・書く日射取得係数)・気密測定結果表
開口部-冬は日射取得に配慮し、自然エネルギーを利用、夏は通風、西日対策等を施し、冷暖房抑制対策を採る
全戸、改修後の省エネルギーの計算を行います。
バリアフリー性室内の温度差が減少されるのでオープンな間取りが可能になり、バリアフリーの改修がしやすくなる工事計画書(バリアフリー改修計画)
防耐火性能外装材-改修時、防火基準を満たした外装材を施工する工事計画書・仕様関係図書
断熱材 通気層内に面する断熱材は火災時燃えやすいので不燃材(グラスウール・ロックウール)を採用する


現場の画像です(※クリックすると拡大)

北側和室の外壁を
撤去して補強工事完了
断熱材充填前



北側の外壁に
断熱材を充填したところ
厚さ105mmのグラスウール
気密シート付




では、また次回・・・