先番の勝率については本ブログを書き始めた直後(2013/9/10)に述べました。その時はトッププロ同士の対局1166局において、先番の勝率は50.6%でした。その後データを積み上げましたので、以下にその結果を紹介したいと思います。
トッププロ同士の対局(下記の注1参照)2818局において、先番の勝率は50.75%で2013/9/10時のデータと大差ありませんでした。白番の勝率より少し上回っていますが偶然の変動範囲と思われます。しかし、上記勝率を少し分解して見ると興味深いことがありました。
タイトルの挑戦手合い405局に限って集計すると、先番の勝率は53.58%と跳ね上がります。さらに挑戦手合いの1局目と最終局は”にぎり”で先後を決めますが、これを除くと(つまり、先後があらかじめ決まっていた対局293局)の先番の勝率 は54.61%とさらによい結果になっています。これでもおそらく偶然の変動範囲にあるものと思われますが、先後があらかじめ分かっている場合は先番の方が有利なのではないかとひそかに思った次第です。
さて、話は変わりますが54期十段戦第1局はさすがと言うか、やはりと言うか、挑戦者の井山六冠が先勝しました。2局目以降の伊田十段の奮闘に期待しましょう。
(注1)2004年から2015年に日本棋院から発行された囲碁年鑑へ掲載された七大タイトル戦及び挑戦者決定リーグ戦、トーナメント戦の対局2818局のデータ