「自尊感情を育てる」
「良き仲間づくりを目指す」
いずれも耳触りの好い
素晴らしい教育目標である。
しかし、それを唱えるだけで
人権意識の高揚に
差別解消の人間形成に
資するであろうか?
神戸市同教では
以前より人権教育に
一貫して次の手法がとられた。
生活を見つめ、自らを語る中で
他人を思いやる心を育て
自己自身を確立する
というのである。
そのため<人権作文を書かせよう>
①自分の権利が無視されたことを訴え
②悲しかったとき、うれしかったとき
腹の立った時のことを書いたもの
③父母や家族が嬉しがっているとき
悲しんでいるとき、怒っているときの
様子を書いたもの
④学級活動や級友間で話し合ったり
取り組んだりしている問題から
一人の悲しみ・悩みをみんなの問題として
取り組んでいる様子を書いたもの
⑤学級の中でぜひ解決して欲しいもの
要求したいもの、良くして欲しいもの
などのについて書いたもの
⑥自分はなぜ勉強できないか、なぜ
勉強しなければならないかについて
書いたもの
⑦自分の住む地域の中にある事柄で
困っていることや、それを取り除くために
人々が取り組んでいる様子を書いたもの
⑧社会の中にある不合理や、矛盾について
書いたもの
⑨その他、身の回りにある封建的な習慣や
迷信について書いたもの
⑩父や母、兄姉の仕事について書いたもの
⑪その他文章の良し悪しではなく、子どもの
日々の生活の中から滲み出ているもの
人の心に訴えかける内容を持ったものなど。
ここを出発点として
人格の完成に寄与したい。