K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

溝口健二&増村保造映画祭 変貌する女たち

2017年01月05日 | 映画
こんばんは。本日仕事始めでした、ただけーまです。昨年末最終日に休暇をいただいたせいか、初日からがっつり残業でございました。

昨日、角川シネマ新宿で開催中の「溝口健二&増村保造映画祭 変貌する女たち」に行ってきましたよ。



お目当ては、第13回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した溝口健二監督の代表作『雨月物語』、間違いなく日本を代表する映画の内の一本です。
映画好きを豪語していながら観ていなかったのがおかしいレベルの名作です。というか、溝口健二監督の作品自体が実は初めてでした。
吹奏楽で例えると中学から吹奏楽部なのにリード作品をやったことがないような感じ(わかりづらい)


『雨月物語』公開当時の宣伝ビラ「美しさに通ずる妖しさを描いて」

大学時代の講義で、長回しのカットの代表例として紹介されたのが、ぼくの大好きなタルコフスキー監督の『サクリファイス』での燃え盛る家のシーンと溝口監督の『雨月物語』における宮木の亡霊との再会シーンでした。
それ以来、両作品ともずっと観たかったのです!前者は昨年坂本龍一の爆音映画祭で鑑賞か叶いましたが、この度ようやく『雨月物語』も鑑賞することができました。ラスト、宮木の待つ故郷へ帰ってきた源十郎が、家内の暖炉で宮木と再会するシーン!初鑑賞を劇場で迎えられるなんて…2017年は幸先がいいぞ!


『雨月物語』の生台本(読み方わかりませんけど!笑)

詳細の感想は後日まとめますが、従来の監督の評価通り、長尺のカットが特徴的であり、また非常に優れています。冒頭の農村風景からの、源十郎・宮木の荷造りの画に至るカットから引き込まれます。なんて緻密な構成……
ゴダールやトリュフォー、ベルトリッチらヌーヴェルヴァーグ世代の映画監督たちに影響を与えたという評価は伊達じゃないですね。
1月26日まで開催中なので、あともう何本か観てみようかな。『近松物語』や『西鶴一代女』、いずれも浄瑠璃や枕草紙などの著作が原作となっている辺り、本作と比較して観たい。


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