トンネルから中々出られない"青春鈍行列車"

出口の見えない青春から脱出すべく世界を回って見ました。その旅のつれづれをゆっくりと書いて行きます。

サンフランシスコのバーで、(その2)

2014-09-30 21:36:17 | 日記
友人とグラント通リを歩いていた。この辺は高級百貨店、ブランド品のお店が多く日本で言えば銀座のあたりだろう。「後一時間もあるけどどうする?」「一杯飲もうか」
「そうしょう、確かこの辺りにアイアンホースというシングルズバーがあったはずだ」
シングルズバーというのは仕事帰りのサラリーマン、OLが知り合う形式のバーで1980年代サンフランシスコのあちこちにあった。
木の重い扉を開けると沢山の人、カウンターしか席がない。座ってアンカースチーム、シスコの地ビールをオーダーする。しばらくすると突然、隣にすごい金髪美人がすわった。女優のフェア ダナウェイに似ているなあとチラチラ見ているとその美人が「私のような女は嫌いか?」といきなり聞いてきた。「ととんでもない」「それでは良かったらこの後付き合わないか?」隣の友人に、と言っているが「どうする?」と聞けば「今日は7時にアポイントがある、後30分しかないが」そのことを美人に話せば「そうか、それでは止めよう」とあっさり引き下がった。
当時はケータイとかアイホーンがなく自宅の電話番号を教えるわけにも行かず、結局一期一会となってしまったが、あとで友人いわく「あの美人はコールガールだよ、かなり高給な、、」

サンフランシスコのバーで、(その1)

2014-09-22 18:30:44 | 日記
今はもう全く外で飲まなくなってしまった。昔は私のオフィスの4軒程先にバーがあり仕事が終ってからよく立ち寄った。ある日カウンターで一人飲んでいると目の前にビールが一本置かれた。バーテンダーに「頼んでないよ」と言うと「隣からだ」見れば白人のお兄さんがうなづく、「サンキュー」さてどうして?と考えていると「お前はペンキ屋か?」と聞いてきた。なるほど私の手に白のペンキがところどころ付いている。昨日部屋の壁を塗りそのペイントの残りが付いていた。「私はペンキ屋ではない、昨日部屋の壁をペンキしたんだ」「そうか、俺はペンキ屋なんだ、今大きなヴィク卜リアンを塗っているんだ、その帰りさ」同業と思いおごってくれたんだ、、、

別の日、一人飲んでいるとビールが一本目の前に、「頼んでないよ」「彼からだ」とバーテンダーがカウンターの右端を指す、中年のおじさんが飲めよと合図する。よく見れば5人程いるカウンターの客全員におごっている。理由は分からないが飲ませて貰った。帰りにおじさんの所へ行き「ありがとう」と言うと「My pleasure.」と言われた。
ビール一本とは言え知らない人からご馳走になると何となく幸せな気分になる、しかしよく考えてみるとおごる方も飲んでもらって幸せなんだ、、

夜の101

2014-09-15 16:07:33 | 日記
夜9時半、今からサンフランシスコへ戻る、サンノゼで客を降ろしてからの帰りだ。約1時間か、、「タッド(私の英語名) 208で行く?それとも101?」ドライバーのクリスが聞いてきた。「101にしょう、それのが早いだろう」「OK」
ぼーっと前方を見つめているとクリスが鼻歌?を歌いだした。「I love to my self because no body love love to me. . . . .」「いい歌じゃないか、でも奥さんが愛しているんじゃないか?」「いや2年前に別れたんだ」「そうか、、でもお母さんがいるだろう」「去年ガンで死んだ」まずい事聞いてしまったか、、「妹がレイクタホにいるんだ。子供三人と一緒に、でも父親がみんな違うんだぜ」「、、、、」
「俺もね、ワイフと喧嘩して家を出た時なんかその歌の心境さ、そして時々猛烈なジャパンシックが来る時があるんだ、その時もその心境かな、」こんな事を話しているうちにもう右側にサンフランシスコ湾が見えてきた、対岸のオークランドの明かりが光っている、、

今日も晴れ、でも丘の向こうには霧が、、

2014-09-10 22:13:21 | 日記
夏は霧の多いサンフランシスコだがこの下町ミッションには霧が流れて来ない、ダムの水が堤防で遮られているようにあの丘を超えてここまで降りて来られないのだ。
2階の住人、アーロンに会った。ランチだろう、中華のボックスを持っている。何回会ってもすぐに彼と解らない。白人は皆同じ顔に見える、彼らも東洋人は皆同じ顔に見えると言っているが、、

バス停

2014-09-07 21:16:14 | 日記
16ストリートの歩道を歩いていると交差点の角にバスが止まっている。急ぎ足で行けば信号は赤、青になって渡ればバスは出てしまった。バス停の電光掲示板を見れば後「12分」と出ている。ヤレヤレ、、すでに白人のおじいさんが椅子に座っている。私も座っているとしばらくしておじいさんが話しかけてきた。「お前は中国人か?」「日本人だ」と答えると「オー日本はすごいじゃないか、あんな小さな国でアメリカと戦争して、負けたけど直ぐまた復興して世界中にトヨタ、ホンダが走っている。日本人は真面目で正直でよく働くからだ」私がほめられているわけではないが悪い気持ちはしない、「ありがとう」と言うと「こんなに日本のいいことを言ったんだから少しお金をくれないか、、」「えー」