Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ボディ・アンド・ソウルな家族

2017年07月20日 | 映画など

荻上直子監督「彼らが本気で編むときは、」を見る。

11歳の小学生トモが、

母親の失踪をきっかけに、叔父と住むことになるのだけど、

その叔父のパートナーがトランスジェンダー、

つまり体は男で、心は女という人だったという物語。

 

 

映画はあくまで淡々と進む。

トモがトランスジェンダーの人と住んでいることで、

学校でいじめに遭ったり、

同級生の男の子が同性愛だったりして、

いくつかのLGBT的なドラマはあるのだけど、

基本的には普通のホームドラマで、

カメラは登場人物にさほど寄ることなく、

かといって遠くから見つめる感じでもない、

絶妙の距離感で、この疑似家族を見つめていく。

 

辛いことも悲しいことも、

そして楽しいことも、すべて等価に扱おうという

作り手の意志が感じられるというか。

 

タイトルの「編む」は、

文字通り、疑似家族の3人が編み物をするのだけど、

新しい家族が編み上げられていく様子とシンクロして、

見たあとの清々しさは、なかなか感じられるものではない。

 

荻上監督の映画は「かもめ食堂」ぐらいしか見てないのだけど、

優しい映画を撮る人だなあと、旧作も機会を作って見たいところ。

 
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