Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

デコと走馬燈

2017年05月24日 | 日々、徒然に

この人生、基本的に低空飛行なので、

ちょっとぐらいの不幸では、動じないのだけど、

中央線に乗っていて、忘れ物をしてしまったのには参った。

けっこうお気に入りのトートバッグを

電車の網棚に乗せたまま降りてしまったのだ。

 

バッグの中身は、これまたお気に入りの弁当箱と

あと、本が一冊。

その本は、いっちょう勉強しようと思って買った

3千円超えの心理学の本で、読み始めたばかりだったのに。

 

JRの忘れ物センターに何度か電話して、

検索してもらっているけど、全然出てこない。

どうなっとるんじゃ、あん?

と悪態をつくけれど、出てこないものは仕方ない。

人間、あきらめが肝心だと言うし、

やるせないなあと。まるで成瀬巳喜男の映画に出てくる

高峰秀子みたいな気分になってきた。

デコちゃんになったと思ったら、これまでの人生で

いろんなことをあきらめてきたなあと走馬燈が。

 

 

成瀬監督の傑作「乱れる」のデコちゃんです。

義弟の加山雄三との禁断の恋に揺れる未亡人が、

最後の最後に見せるやるせなさと絶望、

そして、そんな自分をどこか笑ってしまうような乾いたところ。

忘れ物をした自分は、まさにこんな感じで呆けてしまったのです。

 

コメント
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