立川湯屋敷 梅の湯 若旦那のフロント日記

コミック10,000冊!スーパーマニアック銭湯の裏事情!

青春の味 いつまでも 「江川亭」さん

2016-11-06 23:09:31 | ラーメン

17歳の夏、深夜の街・・・

仲間内で最初に免許をとった小野が兄貴から借りたアコードの助手席・・・

カーステレオからは長渕剛、小野のお気に入りのアルバムだった

「ここらの男はさ、免許をとったら最初に行く場所は決まってんだよ」

小野はそう言いながら、不必要にガチャガチャとギアチェンジを繰り返す

俺はエアコンが入ってるのに窓を全開にして、夜風の中に手を伸ばした

次々に流れていく外灯の光をその時は掴めそうな気がしてたんだ

 

その道は「さんじゅうめーたー」って呼ばれてた 

道幅30mのほとんど店のないただまっすぐな片側2車線の道

あの頃はまだゼロヨンなんて遊びがあってね

少しやんちゃな奴らが集まっては 大きな音でまわりに迷惑かけてた

赤灯が光ると散るテールランプは名物だったけど 

400mの直線に段差舗装があらわれて かわりに名物は消えた

 

そんな深夜のさんじゅーめーたーにボーッと黄色い灯りが浮かぶ

突然、現れる路上駐車の列

灯りから暗闇に向かって続く人の行列

店をかなり通り越してから小野は車を停めた

 

たいして会話もせずに俺たちは列に並んだ

待ってる時間は気にならなかった

その雰囲気さえも俺たちにとっては 踊りだしたくなるくらい刺激的だったから

 

カウンターだけの細長い汚い店

のれんの文字が揺れている・・・「江川亭」

席に着くと小野は得意げに「もやしそば」って一言

俺も慌てて「同じやつ」って 少し声が震えてたかも

 

とっぽい兄ちゃんと ガラの悪いばあさんが漫才みたいな掛け合いをしながら

次々と中華そばをカウンターに並べる

茹で上がった麺から湯を切る ざるの音

並んだ丼に背脂を振りかける 兄ちゃんの手元

馬鹿みたいに大盛に盛られたもやし

丼が目の前の置かれると小野がまた口を開いた

「ふりかけごはん 並で」

もちろん 俺も続く

 

スープを一口飲んで俺は小野の方に目を向ける

得意げな小野の顔が俺に無言で言ってた「どうだ!これだよ!すげえだろ!」ってね

麺をすすってふりかけごはんを口に運ぶ・・・旨くて身体が震えた

 

それ以来 この中華そばとふりかけごはんは俺にとって特別なものになった

もちろん免許をとって最初にむかったのもこの店だった

30年経った今でも 俺の中で この中華そばを超えるものはない

おそらくこれからも・・・

刻まれたものはあまりに大きくて きっとその感動を人に伝えることは難しい

もしも青春に味があるのなら 俺の中のそれはこの中華そばなんだと思う

 

今では「江川亭」はチェーン店となり あちこちに店ができた

背脂チャッチャッ系の中華そばは旬を過ぎ

もう「江川亭」に行列ができることはなくなった

それでも俺はたまに無性にこの中華そばが食べたくなる

 

「江川亭 昭島店」

洒落た外観 整った駐車場 あの頃なかった「油麺」や「つけ麺」ののぼり

でも、俺が頼むのはいつだって中華そば

もやしに高菜、そしてのりのトッピング 当時よく食べた組み合わせ

もちろんこいつのことも忘れちゃいない

ふりかけごはん(並)

このふりかけは当時からまったく変わってない、そうそうこいつも

ものすごく辛い唐辛子、ほんの少しスープに入れるだけで、真っ赤な唐辛子がパーっと広がってスープの色を変えていく、もちろん、ピリッとなって、辛いもの好きにはたまらないトッピング

皆さんにも青春の味がありますか?

こればかりは思い出の味だから、なんの保証もしないけど、この味にそんな思いを持ってる人間がいるんだななんて思いながら、一度食べてみてはいかが?^^

 

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