「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

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【NHKスペシャルでの仮設住宅を巡る問題提起&災害救助法理解は正しいか(その2)】

2017-03-13 19:42:25 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
昨日に引き続き、
東日本大震災7回忌当日の午後8時という絶好のタイミングで放送されたにもかかわらず、
頭を抱えるほど疑問の数々が湧いてしまったNHKスペシャルへの疑問群の提起。
若干表題を変えましたがご容赦を。

4.政治による積極的介入の無さを突っ込むべきであった、と思う。
あるいは、政治力が最も必要とされる場面でサボった、という批判(非難)でもよいかもしれない。
さらに言えば、政治家にとって防災は「(表向きはさておき)実態はどうでもよい話扱い」ということの証左として、
論じることも出来たと思う。

昨日も述べたように、災害救助法は、運用の解釈を相当柔軟にすることで、
制度設計時点では予想し得ない将来の事態への対処も可能発生し得るようなものにしよう、
という精神(「思い」と呼ぶべきかな?)で作られた制度。

実務の世界でそれを担うのは、一方は自治体(基礎自治体と都道府県の双方)、
もう一方は国(昔々は厚生省。東日本大震災当時は厚労省で今は内閣府防災)。
もちろんそこには財務省(旧大蔵省)も絡む訳だが、
現実政治の中で最も影響力を行使し得るのは、当然のことながら与野党議員になる。
というか、そうならなければおかしい。
(つい先日、忖度の議論があったはずだが、こういう時には都合良くわすれてくれているようで……。)

番組の尺的には、担当参事官(課長)へのインタビューではなく、
バッチ付きへのインタビュー、それも与野党双方へのインタビューこそが、メインにならなければおかしかった、とすら思う。
「アンタたちがしっかり制度を活かさなかったから、こんなアホな話になってしまったんだよ!」という、
極めて分かりやすいストーリーが展開できたはずなのに……。
担当者氏は何を意図して参事官を取材していたのか、まったくわからん。

5.モラルハザードの議論はどこに?
被災者が無謬の正義とは限らない。
メディア的にはなかなか扱いづらい論点であることは百も承知。
しかし、「仮設住宅にいる限り住居費はタダ!」という制度が、モラルハザードに繋がりかねない点から目を逸らしてはなるまい。

個々人にとって被災体験は一生に一度あるかないかの一大事態ゆえ、茫然自失するのは当然のこと。
それでも、多少時間はかかろうとも再び自立(自律)してもらわなければならない。

再び歩み出すにあたっての大きな方針決定は、日本人の精神性に大きな影響を与えてきた仏教行事のタイミングで言えば、
四十九日から百ヶ日を経て一周忌までの間に、粗々は決まってくるのではないか、と思う。
あるいは三回忌まで引き摺ってしまうこともあるかもしれない。

災救法の立法者はさすがと言うべきで、
「三回忌まで引き摺っても気にしないで下さいね」というのが法制度運営上の原則になっている。
しかし、2年間を3回繰り返したという時間は、問題の先送りにしても長すぎると思う。

(復興公営住宅が建たなかったから?
そこに人と金が回らないような「巨大バカ騒ぎ」を仕掛け、今もやらせ続けているのは、
マリオになった人とその取り巻きではなかったっけ???)

3年目以降は、
「こんな所に長くいるもんじゃない」
「他人様の善意にすがる側から、善意をほどこす側に移っても良い時期じゃないの」等々、
「追い出し」とは言わず「日常生活を取り戻す」と言いたいが、
家賃を取り始めることも含め、制度設計の主旨に反した「甘え得」をさせない方向への導き
(ここには叱咤も含まれると思う)、そしてそれを担ってきた担当者の苦労、
等々について、しっかりと番組にまとめてほしかった、と思っている。

メモにはあと3つ論点が記されている。それらは明日以降に。
ジャンル:
東日本大震災
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