家づくり日誌

gooで再スタート。2008~10年にセルフビルドで家と工房をつくった記録。今は榛名山麓から暮らしの便りをお届けします。

ダブルスタンダード(二重基準)

2017-03-20 11:34:31 | 暮らし 原発事故・社会

    

 写真は3月11日に放映されたNHKの番組『避難指示”一斉解除”』の場面です。場所は福島県飯舘村。2011年の福島第一原発事故で全村避難となった飯舘村は今月末(3月31日)で避難指示が解除されます。除染などで年間の放射線量が20ミリシーベルト以下に下がったというのがその理由です。(まわりの山は除染されていません)

 写真左は、避難指示が解除される地域の空間線量。計測器は2.12マイクロシーベルト/毎時を示していて、画面に表示される避難指示解除の基準「3.8マイクロシーベルト/毎時(年間20ミリシーベルト)」を下回っていることがわかります。またこの次の映像では東京の空間線量が0.04マイクロシーベルトと表示されていました。3.8マイクロシーベルトを下回ったといっても2.12マイクロシーベルトは東京の50倍を超える線量です。

 写真右は、飯舘村の田んぼに積み上げられたフレコン(放射能で汚染された土などをいれた黒い袋)の山。除染作業の一場面です。このような場所が村内に数多くあります。フレコンには除染ででた高線量の汚染土などが入っています。

 先週金曜日(3月17日)、前橋地裁で一つの判決がでました。福島第一原発事故で福島県から群馬県などに避難した住民が国(政府)と東京電力に損害賠償を求めた裁判の判決で、前橋地裁は「巨大津波の予見は可能で事故は防げた」として、国と東電の責任を認め、損害賠償の支払いを命じました。

 裁判所は、2002年に発表された国(政府)の津波地震予測から巨大津波が予見できたこと、東電が必要な対策をとっていれば原発事故は防げたこと、また、国(政府)が2007年8月に東電の津波対策がすすまない状況を認識していながら規制権限を行使せず東電に対策をとらせなかったことは「違法」であると指摘しました。(以上、新聞記事から)

 では、福島第一原発事故に責任があると指摘された2007年8月の政府、首相はだれだったのでしょうか。調べてみると、当時は、小泉政権のあとをうけて誕生した第一次安倍政権でした。首相はもちろん、いまと同じ安倍晋三首相です。
 裁判所が、福島第一原発事故に責任があると指摘した国(政府)とは、第一次安倍政権のことでした。

 判決では避難指示区域から避難してきた人(強制避難をしいられた人たち)のほか、避難指示区域外から自主的に避難してきた人たちにも損害賠償を認めています。
 なぜ自主的に避難してきた人にも裁判所は補償の必要性を認めたのでしょうか。避難指示区域外ならどこに住んでいても他県に避難すれば自主避難者と認定されて補償がもらえるのでしょうか。たとえば群馬県でも。・・・そんなことはありません。

 理由は、福島県と福島県以外の都道府県では放射線の被爆許容量がちがうからです。
 福島第一原発事故以前の安全基準は年間1ミリシーベルトでした。ところが2011年3月11日にフクイチで深刻な原発事故が発生すると広範囲の地域が放射能で汚染されました。
 国(当時は民主党の菅政権)は緊急対策として年間被曝量が20ミリシーベルトを超える地域を避難指示区域とし、区域内の住民全員を避難させました。その区域の外側、年間被曝量が20ミリシーベルト以下の地域から避難してきた福島県の人たちが自主的避難者です。

 2011年当時の年間被曝許容量20ミリシーベルトという数値は、事故発生直後の緊急避難的な値で、その後は情勢の変化とともに数値を下げ、1ミリシーベルトに近づけていくことが求められていました。
 ところが国(政府)はそのような措置をとらず、6年が経過したいまでも福島県の年間被爆許容量を20ミリシーベルトに固定したまま避難指示を解除しています。福島県と福島以外の都道府県では被爆許容量が20倍もちがうダブルスタンダード(二重基準)です。

 避難指示が解除されても帰還する人はわずかで、その多くは高齢者といわれています。高齢者よりも放射能の影響をうけやすい若い人や子どもたちが帰らないのは20ミリシーベルト以下という放射線量に不安があるからです。他の都道府県は1ミリシーベルト以下なのに・・・。
 20ミリシーベルトまでなら安全とはだれも思っていないのに、国(第二次安倍政権)は20ミリシーベルトに固定したまま避難指示を解除する。だれも信用していないおかしなことが今この国ではまかりとおっています。
 
 ちなみにチェルノブイリ原発事故では、事故発生から5年後の1991年に避難基準を法律で定めました(ベラルーシ/旧ソ連)。
 チェルノブイリの避難基準は、年間被曝量1ミリシーベルトを超える可能性のある地域を移住権利ゾーン、5ミリシーベルトを超える可能性のある地域を移住ゾーン(第2次移住)、10ミリシーベルトを超える可能性のある地域を移住義務ゾーン(第1次移住)、1986年に住民が避難したチェルノブイリ原発に隣接する地域を無人ゾーンと定めています。(「ベラルーシにおける法的取り組みと影響研究の概要」ウラジーミル・P・マツコ,今中哲二、から)。
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