たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

すべての母体

2017-08-04 10:40:05 | 熊野の神社

<橋杭岩>

 

日本人の信仰の核を成すアミニズムの精神と、

海を渡る過程で色づけされたユダヤの風習という

二つの重要な流れが、奇跡的に維持された熊野の地は、

仏教や修験道などの多種多様な信仰を、

無限の懐に内包したすべての宗教の母体でもあります。

 

東征の折、神武天皇一行が熊野灘に漂着したのも、

国造りの前に、熊野の神に最大限の配慮をしたのも、

熊野という場所が「宗教を超えた聖地」であることを、

本能でわかっていたからかもしれません。

 

「神社」という目印を通じて、過去・現在・未来が、

「今」という時間ひとつに集約されるのです。

熊野地方の神社には、時空を超えたすべての物事を、

大らかに包み込んでしまう力があるのでしょう。