新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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北朝鮮有事で渡航医学界隈が懸念しなければならないこと

2017-04-24 00:27:31 | 北朝鮮有事

ここのところメディアを騒がせている「北朝鮮有事」のあれやこれや。

我々、渡航医学界隈で真剣に懸念しなければならないことは何か。それはそれは一杯ありますが、今回は「結核感染者の大量流入とその医療体制」


管理人は前職、外務省医務官時代に脱北者のみなさんのお世話業務にかかわったこともあり、先日コメントの機会がありました(35分からのあたり)。スーダンやセネガルやコンゴの話みたいにあけっぴろげには話しにくいことも多く、少々奥歯にものも挟まっておりますがよろしければ。
https://www.youtube.com/watch?v=CYBw4x9aAF8

北朝鮮有事にてあの国が崩壊すると、日本に流入する難民が10万人~100万人発生するという試算があると聞きました(グーグル検索でもこれらの数字は出てくる)。100万人というのは、南北で戦争状態になりどちらも破壊というシナリオらしく、現実的には「から」の方、10万人の数字でしょうとも。

WHOの公式データを引っ張ってみると、
http://gamapserver.who.int/gho/interactive_charts/tb/cases/atlas.html

結核有病率 (人口10万対、2015年、WHO)
北朝鮮 561
日本  17
米国  3.2
とあります(日本の最新数字は14.4ですが、上記2015年で比較)

この数字と前述の流入予測10万人と組み合わせると、つまり、結核感染者が561例入ってくるだろうということになります。(10万÷561=178人にひとり結核感染者という計算にもなりますが、当時の実感は、これよりかなり多いのでは?と言う感じ。だから561人で済むか疑問もありますが、とりあえずここではWHOデータ採用で)このうち活動性はといえば、治療薬入手難(⇐病院でも医薬品がなく闇市場で・・とは、番組内で北朝鮮問題専門家が言っているところ)から相当なる割合にはなるでしょう。
さて、ある日一挙に561例の結核感染者が日本国領土に現れたとして、日本国領土内で適応される感染症法なる法律では、この疾患は2類感染症に分類され、また、入院勧告がなされ同意がえられなければ入院措置ということになっています。つまり、561例×(相当なる割合)=X床を強制入院させる感染症病床を「即座に」用意して、それを動かせる専門医・看護師を「即座に」確保しなければならないのが北朝鮮有事という事象に付随する現実なのですそしてそれ以上に強調するのが、これが何年も続くということ(野戦病院的テントでは続かない)という現実なのです。

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