Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

2004年クリスマス、神がくれた贈り物

2004年12月25日 | 日記

★プロローグ★
ナナちゃんが我が家に来たのは去年の夏を過ぎた頃のことでした。ええ、ナナちゃんは可愛いシーズ犬で、当時メスの3歳でした。ワンちゃんや猫ちゃんはどうしてこんなに可愛いのでしょうか?きっと、人間と違って言葉を喋らないからでしょうね?!喜怒哀楽の表現も得意ではありません。嬉しさは、しっぽを振って体全体で表現します。年始には、初めての下田の海で遊ぶナナちゃんの写真を撮ったものでした。

★去年の12月★
ナナちゃんが家に来たその年の暮れ、12月の会社の定期健康診断のときです。「今回も眼圧が異常です。昨年も警告しましたが、専門医にかかりましたか?」僕はいつもの病院でこんな風に再度の警告を受けました。目は良く見えるし、痛くもかゆくもない。放っておいたのですが・・・遅ればせながら、眼科に行ったところ「眼圧を抑えないと緑内障の恐れがあります」と診断されました。緑内障とは、放っておくと失明の恐れもある深刻な病気なのだそうです。そんな時、落ち込みそうになる僕を励ましてくれたのがナナちゃんでした。

★今年の12月★
アテネのオリンピックが終わりました。歴史的な猛暑を記録した夏が終わりました。中越地震ではたくさんの人が不自由な生活を余儀無くされました。そしてまた、町中がイルミネーションに飾られる季節が巡ってきました。そう、12月は定期健康診断の季節なのです。お陰様で僕の眼圧は大分正常値に近づいているようです。

そんな中、ナナちゃんの様子が急変しました。目が変なのです。慌てた妻が急ぎ病院へ連れて行きました。何ということでしょう! 彼女は緑内障と診断されたのです。「見えない!」とも「痛い!!」とも言えない彼女は、じっとうずくまって、片方でも変わらぬ愛くるしい目で僕を見つめます。なんともせつない目です。いじらしくて涙が溢れます。だから、もう犬は飼いたくないと言ったのに・・・!

今日は本来なら楽しいはずのクリスマス。地元の病院では手に負えないから・・・と、中野の専門病院に行ってきました。「この子の右目は既に見えていません」「せめて、手術して、痛みを取ってあげることが我々の出来ることです」 医師の説明を受けるナナちゃんは震えていました。ナナちゃんはこの若さで独眼流ナナになります。

★エピローグ★
妻はもう泣き止みました。「ナナちゃんがパパの緑内障を引き受けてくれたんだ!!」 ものが言える、ものが見える、ものが聞こえる・・・こんなあたりまえのことが、どんなにありがたいことなのか、今日は、それを神様が改めて教えてくれたのです。2004年のクリスマスは僕たち夫婦には忘れられないクリスマスとなってしまいました。



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
2004年12月25日 (はもりん)
2007-09-19 05:45:54
生き物は、いつかその人生をまっとうします。人も動物も植物もみんな。「人の死」に直面した仕事をしている私は、生き物は、必ず「死ぬ」という現実を見て生きています。特に家族を 大切にしてし過ぎることは無いということをお葬式は、私に教えてくれます。
「今、この時」が、どれほど大切なのかということを私はいつも、心に刻みます。

ナナちゃんは、生きている。抱き締めれば確かに暖かい。呼べば、こちらに飛んでくる。ナナちゃんは、この現実を少しずつ受け入れているのではないでしょうか。生き物は、人は、結構力強く、心たくましいです。

2004年12月25日 (安永)
2007-09-19 05:48:05
私も柴犬とシェパード3匹と四度も見送っています、

「ものが言える、ものが見える、ものが聞こえる・・・」そうです、心身の健康が何にもまして「幸せ」なのです!!!
これは自分独りではなく、限りなく身近な人たちが健康でなくてはならない事を意味しています。

2004年12月26日 (大川)
2007-09-19 05:50:21
ナナちゃんの写真を思い出し、涙が溢れてきました。
それにしても不思議です。同じ眼の病気になるなんて・・・。身代わりになってくれたとしか思えません!

「生き物ってエライなァ・・・。」と思うことがよくあります。「痛い」、「きつい」、「苦しい」、「助けて」なんて事を何も言わずに、与えられた試練をただ耐えるんですよね。独眼竜のナナちゃんを、これからもずっと可愛がってくださいね!
ナナちゃんの眼 (つれづれなるままに)
2007-09-19 06:30:46
Tabi-Taroさん

もう3年になりますか。
この話をMLで読んだ時に多くの人の感動を呼びましたね。

「ナナちゃんがパパの緑内障を引き受けてくれたんだ!!」 ものが言える、ものが見える、ものが聞こえる・・・こんなあたりまえのことが、どんなにありがたいことなのか、今日は、それを神様が改めて教えてくれたのです。

普段は感じないことが、病気になると、何と「健康」が素晴らしいことであることが理解できます。
可愛いナナちゃんの写真は、心を癒してくれますね。

コメントを投稿