治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

本当に差別のない社会が始まる、かもしれない。

2010-12-18 09:22:00 | 日記
私の師走は短いので、今週末もお仕事です。
ブログ更新もやめようかと思ったんだけど、鳥取であまりに画期的な司法判断がされたのでそのことを書きます。
昨日12月17日の日経夕刊引用しますね。

=====
発達障害生徒の暴力で被害 支援教育拡充で和解

広汎性発達障害のある男子中学生の暴力で心身に傷を負ったとして、同級生だった10代の女性が、加害生徒の両親と学校を運営する鳥取県米子市の事務組合に計約500万円の損害賠償を求めた訴訟は、17日までに鳥取地裁米子支部で和解が成立した。
和解は3日付。和解条項には慰謝料50万円の支払いのほか、学校側が特別支援教育の環境整備のため人員拡充やカリキュラム整備など積極的な対策を講じることも盛り込まれた。
三島琢裁判官は和解勧告書で学校側の対応や加害生徒の両親の監督が不十分だったことを指摘。「支援を必要とする生徒だけでなく、同級生やその家族にとっても適切な環境整備が極めて大切で、学校、行政、地域社会が特別支援教育について正しい認識を共有することが不可欠だ」との所見を示した。
原告の女性は2008年に提訴。訴状によると、米子市の中学に在校中、同級生の男子生徒に腹を蹴られたり、机をぶつけられたりした。女性や両親は担任教諭や校長らに相談したが、学校側は「そういう人だから何をされても我慢しなさい」などと説得するだけで、具体的な対応をしなかった、と主張していた。
=====

支援者ではない立場で発達障害の世界にかかわりを持つことになった私から見ると

「そういう人だから何をされても我慢しなさい」という言葉が究極の障害者差別に見えるのです。
そしてしばしば、支援側が言うんですよね、これ。

「何をされても我慢しろ」などと言われて、社会が自閉症者を受け入れるわけがない。差別はずっと続く。
ずっとそう思っていました。
だから
この司法判断がされたことに感動しました。

ここから、本当の差別撤廃が始まると思います。

私の考える「障害者差別をなくす」とはどういうものか
それも新刊には書きました。
この地裁の和解勧告と方向性が一緒だったので
うれしくなりました。

時代は動くかな~。

最新の画像もっと見る