治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

返事

2012-01-05 17:19:00 | 日記
さて、続き。

よこはま発達クリニックの二人の医師からは
丁寧で上から目線の
まるで幼稚園児にあてたような返事がきた。

まず吉田医師。

これまでどこの版元に転送を頼むときにも
手紙の類はつけず、ただ著者あてに送っていたのだという。

それで無礼に思われたことはなかったとのこと。

ああ、それは思っても相手が我慢していたか
その版元が私より穏やかな性格だったか
あるいはよこはま発達クリニックの患者によって家族ともども十年にわたる迷惑を受けていなかったのだろう。

内山医師からは守秘義務ごにょごにょごにょの手紙が来て、それはまあ職務上ごもっともだと思ったが
よそから集めた情報も石つぶてのようにぶつけ、たたみかけ、こっちのほしい情報は引きだした。

なんで二人の医師の手紙に上から目線を感じたのか今回改めて考えてみたときに
ニキさんに聞いたエピソードを思い出した。
この二人のことじゃないけど。

ニキさんは立派な中年婦人。つまりおばさんである。
世の中ではおばさんとして遇されている。私と同じように。

ところが「自閉症支援」の人の手にかかってしまうと
子ども扱いされちゃうんだそうだ。
たいして年の違わない(時には年下の)支援者が
ニキさんに対してだけは敬語とか使わないんだって。

こういう失敬なこと、ときどきやるんだよね。
支援者を名乗る人たちって。

二人の医師も、ふだん自分たちが知っているやり方で私に答えたのだと思う。

つまり

パニックを治めるようなやり方で。

でも私はパニックを起こしていたわけじゃない。
それまで私からよこはま発達クリニックに連絡したことは一度もない。
長年迷惑だなあと思っていた相手から無礼な扱いを受けたので、抗議して要求には応じないと返送しただけである。

そして人にものを頼むときには手紙の一枚もつけたほうがいいよと教えて差し上げただけである。

何しろモットーは専守防衛だからね。

それを二人は「パニックだ」と解釈して
そのように接したのだろう。
それがかちんとくる上から目線の手紙になったのだ。

てわけで

うっすら抱いていたよこはま発達クリニックへの期待(YTの暴虐を止めてくれるかも)をきっぱり捨てた私は
地元の支援者にそう話した。
その支援者は気の毒そうな顔をして言った。

「横浜の地元の人は、あそこには行かない。行っても不登校・家庭内暴力、何ひとつよくならない。ただ環境調整をしろと言われるだけ。しばしばそれは学校では通じない。横浜の場合、それなりに医療もあって、高い自費診療のクリニックに頼らなくてもいい。あそこに行くのは、よそから引っ越してきた人か、遠くから新幹線で通ってくる人だけじゃないのか」

こういう情報は早く得たかったなと思っていたが

まあ地元が同じなのに調査もしなかった自分がバカだっただけのこと。

この体験がのちに神田橋先生の本(「医者なら治せんといかんわな」)につながっていくのだが

私は別によこはま発達クリニックにしなびてほしいとか
そういうことは思わないし
こんなブログを書いても影響はないと思うから、平気で書いている。

あのころ私は無知だったけど
今はわかっている。

「治したくない」という需要もあるのだ。
「治せというのは正しくない」という主張もあるのだ。
訓練・鍛練・伸ばす こういうものが嫌いな人もいるのだ。
そういう人がよこはまクリニックを選ぶのなら、利害が一致するだろう。

私はただ、別の路線を選んだというだけのことである。

さて次回は、弁護士の選び方です。
手帳を持っている相手に対しての戦いは、ここがひとつの山場でしたね。

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