治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「ありのまま系」が許されるご家庭の条件

2015-07-26 09:15:42 | 日記
今日は若干ブラックな内容です(当社比)。
読みたくない人は帰った帰った!

===キ===リ===ト===リ===線===

さてじゃあ残った皆さん覚悟はいいですね。

この記事を書く直接のきっかけになったのは、先日の記事にいただいたまーちさんのコメントとこよりさんのこの記事です。
まーちさんがご子息の自立に対して真剣だったのは(ときには高いお金を出してコンサルティングを受けていた専門家の助言を無視してまでね)

ご家庭のご事情もありそうですね。
転勤がついてまわるという。
そういうご職業だからこそ、いつかは離れて住まなければいけないことがわかっていた。

一方でこよりさんと先日おしゃべりしたとき笑ったのは

「こうなったら一番手がかかるのは夫です」とおっしゃったこと。
なぜなら長年働いてきた人は疲れてるでしょ。
それに比べて若者はまだフレッシュです。働くことに喜びを感じるだけの元気がある。

つまりね
一家の大黒柱の状況はおうちによって違うし、大黒柱も年を取っていくんです。

普通はね。

そうやってこよりさんが息子さんからお小遣いをもらってギョーカイメジャーの講演会に行くと
そこでしゃべっているのは中年になってまだ独立したとは言えない状態の息子さんに家を買うため高齢になっても講演活動に歩いている先生だったりするそうです。

そこで「息子にお小遣いもらってきました」なんていうと、先生にびっくりされるようですが

だって「自閉症の人に努力させてはいけません」って先生にいくら言われようと、こよりさんちはそんなことに耳を傾けずに修行をしてきたわけだし。

そもそもこよりさんのおうちには、いえ、たいていのおうちには
高齢になっても高額な講師料で講演会に呼ばれ次々出版社が本を出すような児童精神科医の大黒柱はいないのです。

「ありのままでいいんです」
「自閉症の人に頑張らせてはいけません」

なーんて言えるのは、親御さんが人一倍頑張ってて、世の中的にも需要があるからじゃないですかね。

私も講演会はやりますが、お医者様ほど高額なギャラを要求したことはないですし
これ一本で食べていけるほどの量ではない。
私の本職はあくまで出版です。

しかも80歳近くになった自分に講演依頼が来るとは夢にも思わない。
高名な先生が実績を積み上げていらしたからこそ起きている出来事。

そしてね
たいていのおうちの大黒柱は、80近くなっても講演に呼ばれるような本がどんどん出るような児童精神科医じゃないでしょ?

一時の気休めのために耳触りのいい
「ありのままでいいんです」
「自閉症の人に努力させてはいけません」

という講演を聴いて涙をはらはら流しているその裏で

数十万の講演料が動き

そしてそれが自分では住宅資金が作れないお子さんの住宅資金になっているかもしれない

という構図があるかもしれない

っていうことを心にとめておきましょうね。

その上で、一人一人が自分で考えて決めましょう。

うちの大黒柱はどうだろう?
どれくらい長持ちする?

南雲さんも「治ってますか? 発達障害」の中で「発達障害の人も家族の中で果たす役割がある」ことにきちんと触れてくれてます。
こういうのがザ・堅実。

諸般の事情を勘案して
「本当にうちはありのままで(家庭が)持つのか?」決めてください。
ありのままを選ばなかった人たちの中には成功例もたくさん。
それについては、いくらギョーカイが隠したがろうと、積極的に伝えていくのが花風社です。