2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
長々失礼します。 (麻奈)
2014-02-25 14:28:59
先日は、お世話になりました。
あの日、大勢のお母さん方とお話して、気付くことがありました。

私は、愛甲先生の「遊びから資質をさぐる」という話は、たいへんよく理解できました。それは、私が専門教育の中で資質を探って、子どもの能力を引き出しているからです。
でも、それをお母さん方に理解させるのはとても難しいことです。
なぜなら、お母さんたちは、自分の子を相対的に見る環境にないからです。
専門家は、大勢の中で、その子がどの程度の力を持っているかを相対的に捉えようとします。でも、お母さんは家庭の中だけで判断します(まぁ、当然といえば、当然ですが)

たとえば、長男に比べて次男が「車好き」と感じたら、「次男は車が大好き」と思われるでしょう。しかし、一般の大勢の子どもの中で、「どの程度、車が好きか」が見られなければ、その子が、本当に車好きかは分かりません。大勢の子どもを知る人の目から見れば、他にもっと好きなものがあることもあります。

お母さん自身が、専門家の話を理解して、それをわが子の子育てに生かすためには、お母さんの特質を知っていて、お母さんの目線で、専門家の言葉を通訳する人が必要です。

先日の会で「本当に音楽の先生なんですよね」と何度も念を押されました。音感を教えて、それを子どもの能力として定着させるためには、生活面も、道徳面、精神面のどれも無視できないので、専門以外のことも、踏み込んでいます。それが、音感教育を認めていただくために必要なことだからです。私にも「音感の先生だから、音感だけを教えていれば、大丈夫」という時代があったのです。それが終わって7年です。

どんなに音楽の才能に長けていても、日常生活に支障があったら、その能力は、社会で生きる武器にはなりません。音楽は、自分を癒す力がありますが、習得するために使う脳は、多岐にわたり、これをうまく他のことに転化できた人が、音楽教育によって自分の資質を高めた人なのだと思っています。

お母さんにとって資質を探すのが、難しいなら、身近なことで、短所や長所を書き出すというのが有効かもしれません。「~ができる」「~できない」などの能力の長短ではなく、性質について書き出すと、それが、将来の職業につながる資質かもしれません。

先日、「山田和樹さんが、わが子を音楽家にしようとは思わないとおっしゃった」話をされましたね。「自分が音楽家だから、音楽の道の厳しさが分かるから、あえてしたくない」と言われたのが、私には、和樹先生のお父さんと同じだなぁと思いました。

それは、「あえて、自分と同じ道に進ませようとは思わない。息子に能力があって、その道で幸せになれるなら、何でも構わないが、そのための支援を親として最大限する」、というスタンスです。

山田先生夫妻は、お二人とも音楽の仕事をしているので、その結果、お子さんが音楽の道を選ぶこともあったら、それは、それで、応援するだろうと思います。人生の答えは一つではない!ということではないでしょうか。
返信する
ギフテッド教育の実現は遠い (浅見淳子)
2014-02-26 09:02:13
麻奈さん、ようこそ。
先日は遠路お越しいただき、飲み会にまでおつきあいいただき、お土産までいただきありがとうございました。
親御さんは子どもを相対化する機会がない。その通りだと思います。でもそこで終わらせていては、思考停止になってしまいます。私は思考停止を乗り越えていくことの提案を生業としていますので、だからこそ方法を考えているんですよね。短所と長所を書き出す、もその一つの方法でしょう。性質としてね。ところが今度は、何が性質かわからない方も多いのです。そこで「病んでいたように立ち直っていく」のを今度の「10年目の自閉っ子」でお示ししようと毎日脳みそを使っているのです。「どのように病んでいるか」はつかんでいる方も多いので。
杉山先生の「ギフテッド」という本は、食わず嫌いを克服して読んでみたら実にいい本で、天才教育というよりは「持っている才能を使うと発達凸凹が発達障害にまで発展しない」という感じだと思いました。ただ、「頭のいい子もブルーカラーに」という方針とははっきりと矛盾します。こうやって専門家の知見と実際の進路が違う世代がいたのかもしれません。その中には「犠牲者」もいたかもしれないと思います。
いずれにせよ先日麻奈さんのお話を聞いて思ったのは、才能を育んでくれる人が出てきたときに、その準備ができていることは決定的に重要で、そしてギョーカイメジャーな療育方針を真に受けていたら、麻奈さんが体験したような「療育が入るがゆえの劣化」がおきるのだろうから、まだまだギフテッド教育の実現はギョーカイの方針に従っていたら遠そうだなあということでした。ご意見ありがたかったです。
またお越しくださいませ。
返信する