天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

触れることができたなら

2017-12-03 19:22:55 | 
「触らないで」

彼女は叫んだ

そして

後ろを向いた

肩が微かに震えている

彼女は泣いている

声を殺して泣いている

高い壁を築いて

自分の心が壊れないように

一人きりで

泣いている

彼女は

自分で自分の面倒は見れると

自分は無力な人間ではないと

必死に自分を保とうとしている

僕は知っている

彼女は

自分の足で立っている

成熟した人間だと

だからと言って

たった一人で

痛みや悲しみを抱えて

耐える必要はない

僕は

彼女と

彼女の苦しみを分かち合いたい

それは

彼女を子供扱いしてるわけではない

一人の人間として

向き合いたいと思うから

彼女が絶望の海に沈むところを

僕は指を加えて見ていたくはない

彼女と
嘆きの道を伴走したいのだ

彼女にとって

わずかな慰めにしかならなくても

(僕の自己満足なのだろうか?

それなら

無意味なのだけれど!

彼女の力にならなければ

毒になるばかりだ!)

人は人を大事に思う
人は人に寄り添いたいと思う

だから

頼って欲しい

頼って
頼られて

人は

この厳しい世界を
生き抜くのだから

愛しいから

力になりたい

それが

微々たるものでも

彼女に

触れることができたなら

彼女に

それを

伝えることができるのに
























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