坐花酔月 徒然日記

 「花咲く処に腰を下ろし 月を眺めて酒を楽しむ」 この一年、どんな年になるのか。

日本の名酒  稲垣真美 著

2012-02-13 21:22:53 | 本などのはなし


先日の大山での新酒酒蔵巡りはとても有意義な体験でした。
新酒パーティーの席では向かいのジイさんと、差しつ差されつの話しに花が咲いた。
「大山地区の人達は、どこの酒を多く呑むんですか」と失礼ながら訊いた。
「う〜ん、冨士だな」と言う。そして「オレだぁ子供の頃は、大山さぁ六つも蔵あったもんだ」とも教えてくれた。
酒の大好きなジイさんとの会話は、なかなか楽しいものでした。感謝。

そんな会話を思い出し、随分昔(30年程前)に購入した「日本の名酒」稲垣真美:著を本棚から取り出した。たしか越乃寒梅が漫画「あぶさん」で紹介され有名に(?)なった頃、深く知りたいと購入した本ではあるが…。
その中に、『大山の地主酒屋』の章があり、先日巡った4蔵の歴史や酒造りが詳しく書かれている。

昭和8年頃に書かれた作文に、「大山には酒屋が十軒あります。大山から出る酒。大山(上本町)、花房(木町)、清正(新町)、冨士(上本町)、初菊(友江町)、出羽の雪(友江町)、常磐井(上本町)、旭桜(銅屋町)、竜門(安良町)、志ら梅(かぢ町)。はまから三十五、六人の人が来て酒を作ります。…… …… …… 大山座、電車、てい車場に広告を出して居ます。(尋常三年女組、加藤れい子)」
「大山から出来る酒は、ざっと八千石あるそうです。ごくよい酒をつくるには、びぜんの国から米をとりよせてつくります。水は、加茂のトンネルをくぐって、たかよ茶屋の水をくんできます。…… …… ……。(尋常四年女組、羽根田豊)」と、酒造家の娘さん達であろう文章も紹介されていて、興味深く楽しかった。
さて? ジイさんがいう六つの酒蔵とはどれだったんだろう。

また、「大正半ばから『栄光冨士』は全国鑑評会で最高の優等賞にしばしば入賞し、…… ……、灘、伏見以外の酒は一升50銭から7−80銭だった時代に『栄光冨士』は1円2−30銭の値段をつけたという」、「戦前大山の旧家では、使用人や日傭に飲ませる酒、茶の間の客に飲ませる酒、座敷で接待するときの酒の三階級があり、「冨士」はそのうち座敷の振舞酒にランクされていた」と記されている。
う〜む、地元のジイさんが「冨士だな」と話したのも、そんな理由からかもしれないね。

今回改めて、大山の酒は旨いなぁ…と感じましたね。日本酒はイイねぇ。

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