『秋も深まり、各大学は学園祭シーズンの真っただ中。ゲスト出演する芸能人の情報が話題を集めるが、近年は期間や規模を縮小する大学も増えている。背景には、学生の意識の多様化や講義時間を確保したい大学側の思惑など最高学府を取り巻く環境の変化がある。【大久保昂】

 「おいしいからあげは、いかがですか」今月15日、大阪府茨木市にある立命館大大阪いばらきキャンパスで開かれた学園祭。雨の中、サークルなどの模擬店が立ち並び、学生が来場者に盛んに声を掛けていた。

 今年度の学園祭は、大阪、京都、滋賀にある3キャンパスで1日ずつの計3日間。昨年度は滋賀県のキャンパスで1日だけの開催としたが、他の2キャンパスから「自分のところで開かれないのは寂しい」との声が多く、日程を戻した。

 ただ、運営する学生の負担は大きい。実行委員長で文学部4年の坂本卓哉さん(23)は「各キャンパスを持ち回りで週に1回会議を開いて準備してきた。中には自治会活動と掛け持ちの学生もおり、大変だ」と明かす。

 大学の学園祭は近年、縮小傾向にある。  大阪芸術大は今年度、ライブ演奏のステージ設置を取りやめるなど簡素化に踏み切った。学生有志でつくる実行委員会のなり手が減り、準備などの負担が重く なってきたからだ。一時は開催も危ぶまれたが、大学が企画の立案なども手伝うことで開催にこぎつけた。同大学生課の担当者は「芸術系の大学なので、貴重な 発表の場として学園祭を維持する必要があると考えた。学生自治が盛んなころは大学の関与が嫌がられたことを思うと、時代の変化を感じる」と話す。神戸学院 大も学生の負担軽減などを図ろうと、4日間だった学園祭を今年度は2日間に短縮する。

 大学側の事情もある。6月上旬に開催している北海道大は今年度から、講義日数の確保を図るために、学園祭を1日縮めて3日間とした。文部科学省が主導する大学改革によって、省令が定める講義日数の確保が徹底されるようになり、カリキュラム編成が窮屈になっていたという。

  厳しい環境下でも、日程を維持・拡充する大学も。昨年度は延べ8万人が来場し、「西日本最大級の学園祭」とうたう関西大は「学生の意向を尊重する」として 従来通り4日間の開催を継続する。明治大は今年度、講義時間を1コマ90分から100分に変更して回数を減らした結果、計6日間の開催日程に加えて、準備 や片付けに充てる日も確保できた。

 大学の事情に詳しい大学通信の井沢秀(しげる)さんは「学業や就職活動に力を入れる学生が増え、文科省もしっかり勉強させるよう大学に改革を促している。学園祭の縮小は、大学に対する社会の要請の変化を反映したものと言えるのではないか」と指摘する。』

 

 

就職活動も学業も大切ですが、大学生活の思い出のアルバムを飾る為にも大学際は、伝統行事です。

今は、大学紛争もないのですから、大学側も学生も共に協力して、これからも各大学の大学際を大学の名物として盛り上げて欲しいと思います。