強化ガラス製のコップや鍋蓋が突然、破損する事故が相次いでいる。小さな傷などがきっかけとされるが、破損するまで気付かないことも多い。専門家は「ガラスの特性を理解して使用を」と指摘しており、鍋蓋については消費者庁も使用上の注意を呼び掛けている。(平沢裕子)

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 ◆微細なキズが原因?

 東京都江東区の会社員女性(44)が今月初め、洗ったコップを食器棚に片付けようと手に取ったところ、突然、粉々に割れた。細かい破片が台所中に散らばり、数センチの鋭利なかけらもあった。

 「突然のことで、一瞬、何が起きたのか分からなかった。飛び散った破片を片付けるのに1時間以上かかり、かけらで指をけがした。子供がそばにいなくてよかった」と女性は振り返る。

 割れたのは、丈夫でおしゃれと人気の海外メーカーの強化ガラスコップ。15年前に購入したもので、同時期に購入したコップをよく見たところ、細かい傷が付いていた。破損したコップにも傷が付いていた可能性があるが、気付かずに使っていたという。

  一般社団法人、日本硝子製品工業会によると、強化ガラスは表面を圧縮して抵抗性を高めたガラスで、一般的なガラスに比べ3〜5倍の強度を持つ。割れにくさ から、自動車や鉄道の窓ガラス、家具、食器などに広く利用されている。一般的に、割れた際にも、小さな粒状になるため大けがをすることが少ないとされる。

 女性が使っていたコップの輸入元の一つも、「年間約1千万個扱っているが、破損によりけがをしたというクレームは寄せられていない。ガラスだから割れることはあるが、割れてけがをする確率は普通のガラスに比べれば格段に低い」と話す。

 ◆目の水晶体損傷も

  ただ、強化ガラス製品の破損事故は、各地の消費生活センターに寄せられている。国民生活センターによると、平成11〜21年に寄せられた強化ガラス製品に かかわる危害・危険情報は111件。鍋やフライパンの蓋が54件と最も多く、次いでコップや皿などの食器が42件だった。破片で手の動脈や神経を切り8日 間入院したケースもあった。

 また、製品評価技術基盤機構によると、給食の食器を片付けようとした際、落として割れた強化ガラスの破片で児 童が目の水晶体を損傷したとの報告もある。同機構製品安全センターリスク評価広報課は「割れにくいのがメリットの強化ガラスだが、割れにくくするための構 造があだとなり、いったん傷が入ると飛び散るように砕けてしまう。そうした特性を知った上で使う必要がある」と話す。国民生活センターの担当者も「強化ガ ラスといっても、ガラスは割れるもの。欠けなどが見つかった場合は、直ちに使用をやめて」と呼び掛ける。

 ◆耐熱と誤解も

 日本硝子製品工業会の橋口陽一専務理事は、「強化ガラスを、温度変化に強い耐熱ガラスと思っている人も多い」と指摘する。

  原料にホウ酸を加えた耐熱ガラス製品は、直接火にかけられる上、電子レンジやオーブンなどに使用できる。一方、強化ガラスは、耐熱性には乏しく、急激な温 度変化で割れることがある。ただ、見た目では違いが分からない。実際、強化ガラス製の鍋蓋では、コンロの火の近くにおいたり、蓋がまだ高温の状態で水に入 れたりなど、耐熱ガラスのように扱ったことによる事故が報告されている。

 消費者庁は昨年、「事故が増加傾向にある」として、強化ガラス製の鍋蓋は傷や急激な温度変化に注意して使うよう呼び掛けている。

耐熱ガラスとは違い弱い面が有ると思いますが、衝撃に弱いのではと思います。

耐熱ガラスも強化ガラスも寿命があると思います。、当たった見えない傷突然割れたことも有ります。