子どもの食べこぼしを減らしたいけど、注意してもなかなか直らないとお悩みの保護者は多いようです。そこで今回は、どうしたら食べこぼしを防ぐことができるか、食事マナーに関する書籍を多数執筆しているフードプロデューサーの小倉朋子先生に教えていただきました。

なぜマナーが大切なのか理解させて

『子どもが食べこぼしをしてしまうと、「こぼしちゃだめでしょう」「ちゃんとお茶碗を持ちなさい」と注意する保護者のかたが多いと思います。ただ、子 どもに注意するだけでは、子どもは、なぜ食べこぼしに注意しなければいけないのか、その理由がわからないため、同じことを何度も繰り返してしまいがちで す。
そこで大切なのは、なぜマナーを守った方がよいのか、その本質を理解させることです。私は、食事のマナーの本質は、「まわりへの配慮」だと考えています。この場合の「周り」というのは食事を食べているときの同席者、作ってくれた料理 人、その料理のために選ばれた食器、食材の命などのこと。そんな「周り」に感謝して、食に真剣に向き合って食べることこそが、食事のマナーなのです。こうした意識を子どもに持たせるには、赤ちゃんの頃から、食事の際に食ベ物や食事を作ってくれる人への感謝の気持ちを持たせるような声かけをしてい くことが大切です。例えば、小さな子どもがお茶碗を持たずにごはんを食べていて、床にお米をこぼしてしまったとします。その際、「お米さんが食べてもらえ なくてかわいそうだよ。ママも床をふくのが大変だな。お茶碗をしっかり持って食べてくれるとうれしいな」と言うのです。そして、次に上手に食事ができたら すかさずほめてあげましょう。こうした繰り返しで、こぼさずたべよう、きれいにたべようという意識が働き、自然と美しい食べ方が身につくのです。

食事の際に箸置きを使いましょう

ただ、これまでそうした意識で食に向き合っていなかった子どもがいきなり、食材や作ってくれた人に感謝して食べなさいと言われても、難しいかもしれませんね。そこで、おすすめしたいのが「箸置き」を使うことです。食事の前に、子どもに箸と箸置きを準備させましょう。これまでなんとなく食事を始めていた子どもが、箸置きを準備することで「今から食事が始まるん だ、食べ物を大切にいただこう」という心構えをすることができます。そして、家族揃って「いただきます」と言ってから、食事をスタートさせると、食卓の雰 囲気が引き締まり、不思議と食べこぼしが減っていくはずです。布製のランチョンマットを用意すると、更に意識が高まります。ランチョンマットを置くと自分のテリトリー、つまり自分の食べる範囲が明確になり、意 識がより食事に向かいやすくなるため、だらだら食べたり、なんとなく食べたりすることが減っていきます。また、子どもにお気に入りのランチョンマットを選 ばせれば「汚したくないな」という気持ちが生まれるため、こぼさないよう注意して食べるようになるでしょう。子どもの友だちが遊びに来たときも、この技は応用できます。暑い時期でしたら、飲み物はガラスのグラスに入れコースターと共に出し、冷たいおしぼり を用意してあげましょう。たったこれだけのことですが、子どもにもおもてなしの心が必ず伝わり、「こぼしたり、汚したりしないようにお菓子をたべなきゃ」 という意識が働くはずです。また、保護者自身が箸置き、ランチョンマット、おしぼり、コースターを取り入れるなど食に丁寧に向き合い始めると、お惣菜をパックのまま食卓に出す ことをためらうようになったり、器にもこだわりはじめたりするかもしれません。そうした食への細やかな気遣いは家族にも伝わり、食事が楽しくなる、食事マ ナーにさらに気をつけるようになると思います。最初は、面倒くさいと思うかもしれませんが、箸置きの置き場所を決めて、出したりしまったりするようにすれば1分もかかりません。意識して続けることで、毎日の習慣にしていけるとよいですね。』

 

最近の子供たちは、よく噛まずに飲み込む、ほおばる食べ方多いようです。給食中の窒息死事故まで出ています。高齢者と同じ状況です。速く飲み込んで食べる早食いを防ぐ為にも食べ溢しを防ぎよく噛む習慣が、箸置きを置けば日常生活の中で身に付くのではないでしょうか。