教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

浅野秀弥の未来創案 【陛下の「お気持ち」実現を】

2016年08月26日 15時04分18秒 | 日記・エッセイ・コラム

トップ
大阪ニュース
コラム・論説

連載・特集 » 浅野秀弥の未来創案
浅野秀弥の未来創案
【陛下の「お気持ち」実現を】
2016年8月25日大阪日々新聞
安倍内閣、喫緊の課題に

 終戦71年目を迎えた8月、今上天皇陛下の「生前退位」へのご意向のお言葉が公表された。それを受けた安倍首相が記者団の囲み取材を受けている時の不機嫌そうな表情や態度に、私は非常に違和感を覚えた。総理は「お言葉を重く受けとめている」というのが精いっぱい。一体あれは何なのだろう?

 一言で断じれば政府とすべての政治家は、陛下が並々ならぬお気持ちでお言葉を公表された瞬間から、この大問題に最優先で取り組まなければならない。当然その全責任は安倍政権に大きくのし掛かる。官邸はできるだけ政治問題化することを抑え込もうとする。みずからの責任を放棄し有識者の意見をこねくり回して時間稼ぎをし、結論をできるだけ先送りしたい。ところがそうはいかない事情が多々ある。

 「生前退位」は、安倍首相の最大支持基盤である「超保守派」にとって大きく意見が分かれる問題だからだ。陛下のお考えの基盤とされている伝統的皇室の精神にのっとれば、過去にも女性天皇はおられたし、歴代天皇の約半数は生前退位している事実がある。それが明治以降戦前の昭和まで旧憲法に基づき天皇は絶対権力として位置付けられ、一代元号や男系天皇制などが規定された。神道界とそれを存立基盤にする日本会議などは、この旧憲法の考え方を踏襲しているので「生前退位」や「女性天皇」は到底認めがたい。つまり、安倍首相は天皇のご意向を簡単にのむわけにはいかないのだ。

 それでもいたずらには、先延ばしできない。「生前退位」は、世論の8割以上が支持している。そして陛下のご健康を考えれば、特別立法を駆使しても早急に結論を出さざるを得ない。

 陛下のお気持ちは「天皇は象徴として常に国民と共に元気であらねばならない」という真摯(しんし)なものだ。政府は「政治家をまとめ、行政上の法整備を的確に行い、さらに国民的な合意を得る」という三段階の高いハードルを一つ一つ越えなければならない。もっともこのことに取り組めないような内閣なら、改憲論議などおこがましくて到底お話にならない。
 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 民進党の前原誠司元外相は、... | トップ | 医学部新設 医師不足解消?... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿