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「新入社員のイジメ方~夢と希望とカレーライス」

2017年04月08日 21時48分36秒 | 素人の劇評
4/8(土)13:30 劇団カンタービレ
ウッディシアター中目黒

 初めての中目黒。なにかイベントがあるらしく、駅前は大量の若者であふれかえっている。
 へー、結構都会の中目黒。劇場に向かうまでの商店街は、なかなかのおしゃれな店が続いている。
 帽子、輸入雑貨、ブティック、しゃれた居酒屋・・・ただ残念なことに古本屋は見あたらない。

 さて、歯医者の脇にある階段を下りて、思ったより広い受付のスペース、思ったより狭いホールのウッディシアター。
 1番前の左側。私の好きな座席のエリアに落ち着く。

 中堅企業の新人研修。山奥の寺での修行の風景だ。
 予想していた通り、非人間的な殺人的研修と、その癒しとなる、もう一つの世界。
 この2つが絡み合って劇は展開していく。
 俳優さんの演技は、テンポも歯切れもよく、うまく私たちを笑いに誘ってくれる。
 1人1人の役者さんのレベルは高い。
 研修の過酷さよりも、展開と演技とでの「面白さ」が印象的な1時間45分だった。
 私も、その都度、くすくすと笑いながら最後まで飽きずに観ることができた。

 しかし、しかしだ。
 一言で感想をまとめると、「何も残らなかった」のだ。
 「企業研修」と聞いて、その残忍さが登場することは予想できた。さてその後で、どう「落とし前」をつけるのか、興味津々であったが、私の予想は完全に裏切られた。それはそれで「意外性」としてかまわないが、それが残念なことに「失望させる」ものだったのだ。
 一応、社会的なテーマを選んだ以上、それを劇団としてどう考え、どう観てほしいかというものがあるだろう。
 それが感じられなかったのだ。
 「研修」を素材にした、「人情」と「笑い」の劇だったのだ。
 と考えるしかないだろう。

 ネタバレに限りなく近くなったが、後始末を「個人」にしてしまった。
 観た方以外分かりづらい表現になるが、「あの人も企業による被害者」なのではないか。
 そこに収斂してしまったために、研修という「社会的事象」の善し悪しが、個人のレベルのものとなってしまった。
 
 劇の見方はそれぞれでいいが、私には「終わらせ方」が大いに不満だった。
 

 
 

 
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