息苦しい世の中で 自由に語り合える空間を

自由でも民主でもない この日本を もっともっとよりよく変えていくことができるように たくさんの知恵を語りましょう。

桜木紫乃「氷平線」

2010年12月29日 15時15分17秒 | こんな本を読みました
彼女のデビュー作だという「氷平線」を読む。

帯には、「新官能派」などと書かれているが、この分類は彼女には失礼に当たるのではないか。
もちろん「性」を大胆に表現した箇所は、かなりの割合を占めるのであるが、いたずらに表現を派手にしたり、好奇心めいた動機も感じられず、むしろ「性」を、登場人物の設定や背景の中に、きちんと位置づけ、真正面から相対しているのだと思う。

すべて舞台は釧路、しかも主人公は、他者とのつながりの乏しい人物だけである。その「つながり」のひとつとして「性」に大きな位置を与えているのだろう。

「雪虫」「霧繭」「夏の稜線」「海に帰る」「氷の棺」「氷平線」の六編の短編が収められているのだが、ひとつひとつが、ほぼ完全に独立したものであって、その筆の力には驚かされる。

久々に「うまいなあ」という小説を読んだ。

文芸春秋刊 1333円+悪税 ※三年前の発行であり、私は古本屋の検索で探して送付したもらいました。900円。
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今年 先だった「思い出の人」

2010年12月29日 10時15分34秒 | わたしごと
★浅川マキさん・・・けだるい歌声。高校3年生のときに「不思議な橋」(また間違っているか 
な)を聴いて、「こんな歌い方もあるんだ」とインパクトの強かった歌手。ちょうどそのころ、天地眞理や小柳ルミ子、南沙織、藤圭子もデビューしていて、大宮で下宿をしていた私は、銭湯の帰りに、よく口ずさんでいたものでした。

★玉置宏さん・・・「ロッテ歌のアルバム」はよく見ていたと思う。はっきりとした発音で、聞きやすい話し方でした。降板してからのことはよく知りませんが、NHKのラジオ番組で「ラジオ名人寄席」の案内人として、なつかしい声を再び聴くことができました。

★藤田まことさん・・・「仕置人」というよりも、私には「当たり前田のクラッカー」の「てなもんや三度笠」が一番の印象。大阪前田製菓にはかなり貢献したと思います。晩年の渋い役柄も素敵な俳優でした。

★井上ひさし・・・すでにブログに書きました。もっと生きて、たくさんのメッセージを残してほしかった井上さんでした。

★サマランチさん・・・オリンピックを「商売」に仕立てた立役者。好感度はありませんが、印象には残っている人です。

★北林谷栄さん・・・劇団民芸の劇を観に行くと、決まって老け役をしていた北林さんなのですが、当時はけっこう若かったのですね。社会的な活動も忘れなかった尊敬すべき人。

★ラッシャー木村さん・・・プロレス興隆期のころ、TBSも一旗揚げようと、グレート草津とともに、スターとして担ぎ出されたレスラー。ワザよりも、その「傍若無人」さが受けていたように思えます。

★梅棹忠夫さん・・・私には「知的生産の技術」の印象しかないのですが、たくさんの業績を残していた方だったのですね。本多勝一さんの「師匠」でもあったようで、いずれ著作をきちんと読んでみようと思っています。

★つかこうへいさん・・・「蒲田行進曲」が一番の印象ですが、井上ひさしさん同様、ヘビースモーカーということが、私にとっては共感でき、しかし心配なことでもあります。

★森毅さん・・・25か6のころ、箱根で「ひと」という教育雑誌主催の夏季講座があり、その際、森さんと同じ部屋で泊まることになりました。人なつっこく話し好きで、数学者という堅い肩書きとは異なった印象でした。

★谷啓さん・・・大学の先輩だったなんて知りませんでした。「大人のマンガ」「シャボン玉ホリデー」は、必ずといったいいほど、毎回見ていました。私には、なぜか「天才バカボン」のパパを連想します。

★池内淳子さん・・・駅弁・釜飯の「おぎのや」の女主人を演じた彼女の印象がとても強いです。高校生のころ、とっても好きな女優の1人でした。和服がよく似合っていました。

★野沢那智さん・・・ブログに書きました。中学生のときは、「パックインミュージック」を録音して学校の教室にまで持ち込んで、みんなで楽しく聴いていたほどでした。

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先を読む 裏を読む

2010年12月29日 09時32分10秒 | あれこれと
 字面だけではおそらく理解しきれないだろうと思われる芸能界と政界。
 この2つの記事も、これだけの情報からでは真相は皆目不明だ。
 将棋や囲碁のように、何手先を読んだ「計算」があるのだろうが、それはいずれ明らかになるに違いない。
 その「裏」を推理することは楽しいことではあるが、いずれも「保身」が最大のねらいであることを考えると、あまりいい気持ちになれるものでもない。
 とりわけ小沢氏は、証拠は残していないかもしれないが、状況としては「真っ黒」である。私服を肥やしているというよりも、自らの権力、地位を保持するために、金や土地、人脈を、無理をしてまでふくらませて利用しているといった感が強い。
 小沢氏が、どんな戦略・戦術で、自らを守ろうとするか、また腰砕けの民主党がどのように組織を維持させていけるのか、今後の展開が楽しみである。


「歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴られ重傷を負った事件で、海老蔵は28日、都内で会見し、元不良グループリーダー(29)と同メンバーの伊藤リオン被告(27)の両者とそれぞれ示談が成立したと公表した。・・・・・会見には代理人の深澤直之弁護士が同席。24日付で成立した示談の内容について説明した上で「金銭のやりとりなどこれ以上のことはございません」と強調した。示談に至った理由として(1)海老蔵の酒の飲み方に大いに反省すべき点があり、一方的な被害者であるという主張を法廷で通すのが困難(2)酒の席での記憶を主張し合うより双方が前に進むことが適切(3)早期決着により、心労をかけた父・市川団十郎(64)や麻央ら家族を安心させたい――などを挙げた。」(スポニチアネックス)

「民主党の小沢一郎元代表は28日午後、衆院議員会館で記者会見し、自らの政治資金問題について、来年1月召集の通常国会で衆院政治倫理審査会に出席し、弁明する意向を明らかにした。ただ、早期に応じる条件として国会運営の円滑化を挙げ、問責決議を受けた仙谷由人官房長官らの辞任を事実上要求した。無条件での出席を求める菅直人首相らとの対立は解けておらず、党内の主導権争いは首相が検討する内閣改造も絡み、1月に最大のヤマ場を迎える。」(時事通信)




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犯罪人を作り、命までをも奪う教育界

2010年12月29日 00時55分52秒 | 教育を考える
これから紹介する記事は、その背景で奥深く繋がり合ったものである。
「明日は我が身か」といった気分になるのは、決して私だけではないと確信する。
命までをも奪う貧困な教育界、そしてそれを見て見ぬふりをする教育行政の貧困。


「12月24日、新採半年で自ら命を絶った木村百合子さん(享年24歳)の公務外認定処分取消訴訟裁判(弁論手続)が静岡地方裁判所で開催された(民事第2部 山努裁判長)。

木村百合子さんは、2004年新人の年の9月に自らの命を絶った。その背景には、クラス運営の難しい状況、新人教師に対する管理職の支援の無さと過酷な状況を後押しするかのようなパワハラがあった。その時の様子を木村さんは自らの日記に克明に書き残している。

百合子さんの両親(写真)は、2004年12月地方公務員災害補償基金静岡支部に公務災害の認定を求めたが裁定は、公務外。その根拠は、「パワハラはなかった」「初任者研修等で充分支援をした」「残業は月あたり20時間程度であった」など、現実とは程遠いものであった。

そして両親は、認定取り消しを求め2008年静岡地裁に提訴し、この間弁論が続けられてきた。

今日の裁判は、次回から行われる証人の採用の可否を決める非常に重要な弁論のための手続きであった。法廷には、用意された30席を埋め尽くす支援者がかけつけた。

審議の結果、原告の申請した証人全員は認められず、一部は今後検討するということとなった。保留となった証人の中には、百合子さんがクラスの中で出会った「発達障がい」の疑いのある児童と関わった過程の職場のフォローが充分であったか否かについて論じうる、同じようなクラス状況を経験してきた現職教員も含まれていた。

この証人申請に対して被告(地方公務員災害補償基金、以下「基金」)側代理人は、「そのような『教育関係者』の意見は、陳述書を読めばわかる」と述べ、証人採用に反対した。百合子さんの悩みに職員や管理職がどう応えたかについて、周囲が「一生懸命やった」で終わらせるのではなく、学校教育環境をいかに現実にあわせ整備していくのかという大局的な見解を現場の経験を通して提案するということが今いかに大事かを理解せず、「本人が未熟」「自己責任」ですべて片を付けるという「基金」の本性があらわになった法廷であった。」(レイバーネットより転載)

「2009年度中に、うつ病などの精神疾患で休職した公立学校教員が、全国の5458人と過去最高を更新したことが文部科学省の調査でわかった。同省が24日、全国の公立小中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校の教員について、09年度の休職者数などの調査結果を公表した。

 精神疾患での休職者はこの20年ほどで5倍になった。文科省は増加の理由を「保護者や地域住民の要望の多様化、長時間労働、複雑化する生徒指導など様々な要因が重なっている」と分析している。

 文科省は同時に、懲戒処分(免職、停職、減給、戒告)に加えて訓告、諭旨免職などの処分を09年度中に受けた教員数も公表した。全国の合計は7981人で、08年度の4020人からほぼ倍増した。兵庫県の09年春の県立高校入試で大規模な採点ミスが見つかり、3624人が処分されたことや、名古屋市の不適正経理問題で287人が処分されたことが影響している。

 処分理由別の内訳は、交通事故2422人(前年度比80人減)▽体罰393人(同17人増)▽わいせつ行為153人(同23人減)▽公費の不正執行・手当の不正受給371人(同298人増)▽日の丸掲揚・君が代斉唱関係47人(同22人減)▽個人情報の不適切な取り扱い286人(同9人増)▽その他の服務違反4309人(同3767人増)。」(アサヒコム)
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