T.NのDIARY

写真付きで、日記や趣味をひとり問答で書いたり、小説の粗筋を纏めたブログ

1250話 [ 「終わった人」を読み終えて 3/4 ] 10/18・火曜(曇・晴)

2016-10-17 11:22:55 | 読書

[あらすじ・注目した文章]

第三章 (夢を持つ同級生)

(あらすじ)

 田代は、鈴木から、ジムの会員の誘いでランチに行くのだが、どうですかと誘われて同意した。

 途中、鈴木は、田代が東大卒でメガバンクの役員目前で子会社へ転籍した経歴などを知っていて、そのことを話題に話をしてきた。

 ランチにでは、田代は、依然としてジジババとの会話には入れなかった。

 梅雨の中、田代は、今日もいつものようにジムに行き、帰りに新宿に出て、見たくもない映画を見た。

 そのあと、夕食を買うためにデパートに寄った。

 「羅漢」と田代の高校時代のあだ名を呼ばれた。振り向くと、南部高校の同級生の二宮だった。

 田代は、飲みながら大学卒業以来初めて会った二宮から、プライベートの話を聞かされた。

[文章]

    優秀な上司が、子会社に飛ばされた人事の理不尽を見せられて、

   「人は死ぬまで、誇りをもって生きられる道を見つけるべきだ」

    と思い、48歳で一流商社を退職した。

    そのあと、妻の実家の工務店を手伝いながら、その傍ら、

    学生時代にかじっていたボクシングのレフリーとして、

    月平均4回、試合を裁いている

    俺には、男子の世界戦を裁きたいという夢があるのだ

   「夢が叶ったら招待するよ」と言う。

    田代は、この年齢で二宮は『夢』と言う。

    俺は、『生前葬』と言う。俺の負けだと思った。

[あらすじ]

 家に帰ると、妻の千草から、「いつか言わなきゃと思っていた。何でそんなに女々しいの? いつまでグジグジと愚痴を言って暗くなっている気? 定年は誰にでも来るのよ。愚痴と暗さを周囲にふりまかないで」と、「出て行こうか」と言いたくなるほどの口喧嘩になった。

第四章 (邪魔になる高学歴)

(あらすじ)

 東京に猛暑の八月がやって来た。

 田代は、「仕事を見つけよう。何だっていい」と、ハローワークに足を運んだ。

 数日後、自分が行きたいとハローワークに提示していた中小規模の会社から面接の通知が来て、相手社長と面談した。

 社長からは、「東大法学部での人は、社員として、とても使いかねる。他社でご自分にふさわしいと思う仕事を見つけてくれ」と、丁寧に断られた。

 社を後にした時、突然、涙がこぼれたが、何でもいいから仕事を探したいと、ハローワークに行ったことは間違っていたと正気に帰った。

[文章]

    田代は帰る道すがら思った。

    今まで誇りにし、俺自身を育ててくれたものが、

    マイナスになるのはおかしい。

    学歴や職歴は俺をつくっている。俺らしさはそこにある。

    誇りを捨ててはならない。

    『終わった人』でも、誇りを持てる場はきっとある。

    仕事をしたいと焦るより、

    また、合わない仕事で合わない人に使われるより、

    腹を決めて楽しんで生きよう。今度こそ、そう思った。

第五章

   カルチャースクールで知り合った38歳の女性と付きあう話だが、

   間接的な事柄と思い省略する。

第六章 (再就職)

(あらすじ)

 田代は、鈴木から帝国ホテルの一室に招かれた。

 鈴木は、私は㈱ゴールドツリーの社長だと言い、会社の決算書や税務申告書等の資料を見せて、貴方のことを多少調べさせてもらったが、弊社の顧問として来てもらえないかとお願いした。

 来ていただく条件は、月12日出勤して、秘書付き個室で、年俸8百万円でどうかと言われる。

 田代は、60代半ばの何の特技もない男に、なんと破格の条件ではないかと思い、鈴木から会社の経営実態、将来の経営方針・事業計画を聞いて、自分に適している仕事だと了承した。

 いつから来てもらえるかとの鈴木に、数日を置いての来週月曜からと返事した。

 田代は、出社初日から、鈴木と副社長の高橋との3人で、事業計画の再計画に入った。高橋は鈴木の大学の後輩で33歳だ。

第七章 (望んでいた夢)

(あらすじ)

 田代がゴールドツリー社の顧問になって三か月が過ぎた。

 あと二日もすれば、桜は満開だろうといった日に、田代は、社長の鈴木から、顧問には定年がないので、お願いですから、ずっといてくださいと言われれる。

 その日、鈴木は、田代らと会社へ帰った廊下で崩れ落ちるように倒れた。

 救急車で運ばれた病院で、亡くなった。医者からは、大動脈解離だったと知らされた。

 鈴木社長が亡くなって4日経った日、幹部ミーティングで、田代は、「今月いっぱいで会社を辞めさせていただきます。組織はトップのいない空白をつくってはいけません。社長を一刻も早く決めてください」と挨拶した。

 副社長の高橋が、「田代さん、社長に就任してください。私たち取締役の満場一致で、公認会計士の森先生も強く推しておられます。お願いします」と冷静に言った。

 田代は、顧問として相談に乗ることがベストだと話すも、高橋たちは私たち若者は信用度が低い、ゴールドツリーを潰さないために、力を貸してくれといつになく懇願された。

 田代は、「やってみようか」という気が芽生えてきた。高橋らの言い分と熱意が理解できたことも原因の一つではあったが、本音は、経営のトップに立ち、会社をやってみたかったのだ。

 その夜、田代は妻の千草と遊びに来ていたトシに、「社長を引き受けることにした」と言った。

(文章)

   「自分の考えで会社を動かしてみたいという

    サラリーマンの夢はわかるけど、

    でも、きれいに、あなたらしく散るのは今だと思う」

    俺はいつでも『散り際千金』を心に刻んできた。

    千草の言う通り、今がベストの散り際なのだ。

    だが、俺はもっと攻めていきたい。

    この思いばかりはどうしようもない。

    千草はいつなく、しつこかった。

   「何も今更、火中の栗を拾うことはないでしょ。

    もう十分に仕事はしたでしょうから、

    この年から心身を酷使することはないと思うの。

    穏やかで楽しい余生が何でいけないの」

    俺は、「穏やかで楽しい余生」が楽しめないタチなのだ。

    人は、生きている限りは『生』であり、余りの生ではない。

    トシがポツンと言った。

   「壮さん、まだ成仏してないんだよな」

    トシの言葉に、俺は初めて自分の気持ちが理解できた。

    俺自身は、「やり切った。会社人生に思い残すことはない」

    という感覚を持てない。

    成仏してないのだ。

    だからいつまでも、迷える魂が彷徨っているのだ。

(あらすじ)

 田代に、二宮から電話があり、「ついに男子の世界戦をジャカルタで裁くことになった」と、その声は弾んでいた。

 翌日、田代は、銀座の「クラブ紫」で二宮とグラスを合わせた。

 田代が二宮に、社長を引き受けることになったと話す。

「お互い、この年で快挙だよな。羅漢、引き受けて正解だよ。この間、合ったときとはまるで違う。顔が一変した。この間はさ、羅漢というあだ名にふさわしくないほど、堂々としていなかった」と言い、続けて「そりゃ、社長を引き受けたら、何があるかわからないよ。だけど、何があるかわからない暮らしが好きなんだろう、お前」と言った。

 田代は、お見通しだと思った。

第八章

  久里との関連話なので省略する。

                                 

               「第九章」に続く

    

 

 

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