本気でいい住まいをかんがえる

岡松利彦アトリエの風景
“こころ”と“からだ”が元気になる、居心地のよい場所をつくる日々の日記

悪人

2010-09-20 | 映画のこと
映画『悪人』を見ました。

舞台は、九州北部。
福岡、長崎、佐賀です。
とても懐かしく、また人間性(地域性)が滲み出てくる作品です。
(私は福岡の出身で時々、長崎や佐賀にもいってました。)

まさに、現代社会の人間関係をギュッと凝縮したような問題作だと感じました。
それも、地方都市を舞台に、その地域が抱える特有な匂いを感じました。
関東でもなく、関西でもなく、九州でないと表現できなかったシュチエーションです。

悲しい場面もたくさんあるのですが、登場人物それぞれの幸せたっだ場面にこそ、もの悲しさや憤りのようなものを感じた。

いったい誰が悪人で、誰が善人なのか。

表裏一体、紙一重なその世界の状況を実に上手く巧妙に描かれていたと感じました。

登場人物の全員の感情を上手く描写し、登場人物全員に感情移入できるところが良かった。
映画の中での登場人物の全員がそれぞれIDを持ち、どれ1つとして欠けても成立しなかった物語のような気がした。

バスの運転手の一言でさえも、映画のテーマに重くのしかかってくるような感じでした。

著名な方の感想も後から読むと納得の場面がたくさんありました。

余談ですが、福岡の鉄なべ餃子と呼子のイカ定食が無性に食べたくなりました。

第44回六門会(りくとかい)定期演奏会

2010-09-19 | アトリエ日記
9/19(日)六門会の第44回定期演奏会を、晴海のトリトンスクエア内第一生命ホールへ聴きにいきました。
姉が所属するブラスバンドでもうかれこれ、7-8回(毎年9月のこの週の日曜日)聴きに行っています。

毎回、耳慣れた曲からはじめて聞く曲までいろいろあります。

今回とても興味を持って聴いた曲(パフォーマンス)は、Immer Kleiner(だんだん小さく)-Cla/ri/net?Soloです。
クラリネットのソロの楽曲に合わせて、演者がクラリネットをどんどん分解していって、最後はリード(口で吹く部分)のみで終演。
クラリネット自体、全てが集まって一つの楽器になってメロディーを奏でるものとばかり思っていた固定観念がいい意味で崩壊して、とても刺激的な場面でした。

建築の設計でも、全てが揃わないと完璧な住宅はできないと考える前に、それがその場面で本当に必要か、または、無かった時に一体どんな世界が生まれるかを想像して設計するのも一つの手法だと思いました。

西小岩の併用住宅 着工前の図面確認

2010-09-18 | 西小岩の併用住宅プロジェクト
昨日、無事地鎮祭が終了した西小岩の併用住宅の着工前の図面確認の打合せをクライアントと行いました。

契約時に製本された図面を見て、再度全体のおさらいを行います。

そうすることによって、以前大丈夫だと判断した箇所も、「やっぱり、こうしたい。」と言う箇所が幾つか出てきます。

工事が始ってからだと、現場も混乱するのでこの時期に行うのはとても有効です。

勿論、構造を変更したりはしませんが、どうしてもと言う要望であれば然るべき手順で、変更を行います。
家を建てるということは、一生にたびたびある出来事ではないので、可能な限り納得の行く形で進めて行きたいと言うのが私の考えです。

中古の建物を購入する際の狙い目の築年数は?

2010-09-18 | たてものQ&A
Q)中古の建物を購入する際の狙い目の築年数は?

A)中古住宅の価格は新築時から10年程度は大きく下がる傾向にあります。
その後は、徐々に下がり方が緩やかになる傾向があります。

よって、割安感が高い物件は築10年以上の中古住宅と言うことになります。
裏を返せば、10年過ぎた建物は値下がりも少ないので、売るときにも有利になる場合があるということです。

ただ、あくまで築年数的な目安であり、使用者の使い方などによっても大きく変わります。
古くても住まい手が愛情を持って使っていた物件は、建物の状態が良い場合が多いので○です。



新耐震基準の前と後ってどんな意味があるの?

2010-09-18 | たてものQ&A
Q)新耐震基準の前と後ってどんな意味があるの?
※中古の建物を購入する時など。

A)地震に対する建物の強さを定めた耐震基準は1981年6月(昭和56年・今年29歳)に大きく改正されました。
その改正された基準を新耐震基準と言います。

よって、それ以降に建築確認(※)を申請した住宅は地震に強いとされているのはそういった事からです。
また、木造の基準は2000年(平成12年・今年10歳)にも改正されたので、それ以降なら更に安心です。

ただ、新耐震基準以前に立てられた建物にも、地震に十分耐えられるものもあります。

建築確認(※):
建物が基準を守っているかどうか、工事の前に地方公共団体(行政)や民間の検査機関などにチェックしてもらうのが建築確認申請です。申請日や確認の審査は、建物が完成した日よりも前になるため、築年数(竣工年月日)が1981年6月以降の建物であっても、新耐震基準を満たしてない場合があるので注意が必要です。

大きな建物であれば、建築確認申請が下りてから建物が完成するまでに2年位かかるものもあり、この近辺の築年数の建物を購入する際には特に注意が必要です。


西小岩の併用住宅 地鎮祭

2010-09-17 | 西小岩の併用住宅プロジェクト
本日早朝、9時(正確には8:50頃)より地鎮祭を行ないました。

全体のスケジュールと本日が大安と言うことで平日ですが今日にしました。
早朝行なったのは、皆様のお仕事の都合で会社の出社前にと言うことです。

昨日の大雨で、かなり敷地がぬかるんでいましたが、ブルーシートを敷いてその上に砂を撒き、何とか祭壇と会場を整える事ができました。




最初に設計者の鎌入れの儀(かり初めの儀)です。


次に、建て主様の鍬入れ(くわいれ)れの儀。


最後に工務店代表者の鋤いれ(すきいれ)の儀です。


これでいよいよ本格的に現場が開始です。


これは「鎮め物」といい、基礎の下に埋めて大地の神様にこれからの工事の安全と建物の繁栄をお願いするものです。

方南町の設備更新工事

2010-09-16 | アトリエ日記
45世帯のマンションの設備更新工事とそれにともなう設備機器などの交換工事です。

在来の工法で施工された浴室をユニットバスに交換するため、既存の床や壁のタイルや防水層を斫り取っています。

屋内は、粉塵で一杯になるので集塵機を使ってできるだけ埃を吸引しながら施工します。

上階の配水管や給水管が下階の天井面にでてきているため、全ての配管を床上配管に更新します。

こうする事により、何か廃刊系統に問題が起きたときでも自分の所の床を剥すだけで済むため、下の階の方にご迷惑をかける事がなくなります。
今では、床上排水が一般的な常識として施工されていますが、古い建物では上のお宅の配水管が自分の所の天井に通っていると言う事が多々あります。
考えただけでもあまり気持ち良いものではありません。

老朽化し、たくさんの系統に分かれていた配水管を一本に束ねて縦の配水管を整理します。
こうする事により、メンテナンスが楽になることと、問題が起きたときに原因を究明する事が容易になります。


オプション工事ですが、昔よく見られたバランス釜の風呂湯沸かし器もこの機会に更新します。


多くの方が住まわれているマンションの設備改修は、一軒だけで行なえるものではなく、全体の総意が無いとうまく進みません。

陣頭指揮を執る設計事務所、工務店もさることながら、理事会や管理組合などの協力と力は不可欠です。

サロンコンサート 佐野隆哉

2010-09-11 | アトリエ日記
本日、義父と義母に連れられて鈴木美枝子さん宅のサロンコンサートに行ってきました。
ゲストは、ピアニストの佐野隆哉氏。
東京藝術高等学校を経て、東京藝術大学音楽部器楽科を卒業。
05年最優秀修了者として藝大大学院終了。
「ショパン国際コンクール」「ロン・ティボー国際コンクール」などで優秀な成績を納め、今年5年間のパリ生活から日本に帰国されました。

コンサートは、オールショパンプログラム。
・序奏とロンド変ホ長調op.16
・バラードNo.1ト短調op.23
・3つのワルツop.64《子犬》①変二長調②嬰ハ長調③変イ長調
・ポロネーズ変イ長調op.53《英雄》

音楽に詳しくないのですが、良く聴く楽曲や初めて聴く楽曲などとても楽しい、刺激的なひとときでした。

コンサート終了後、お茶をケーキをいただきながら、鈴木美枝子さんからそれぞれの楽曲について説明を受け、なるほどなと感心するばかりでした。

ふと思ったのは、楽譜という記号で表現された2次元の図面を、ピアニストという匠が3次元へと昇華させていく過程は、建築とも相通ずるところがあるなと感じました。

音楽を堪能できただけでなく、サロンコンサートの場の作り方など、
とても貴重な体験ができ、とても良かったです。

家の寿命ってどれくらいなの?

2010-09-11 | たてものQ&A
Q)家の寿命ってどれくらいなの?

A)現在統計的には、新築から建て替えまでの平均的な年数は、木造で30年、マンションで50年と言われています。

実際にはもっと使われている住宅は沢山あります。
現に私の九州の実家も私が小学校5年の時に立てたのでかれこれ35年以上になります。

ましてや、最近の住宅は以前に比べ様々な基準が上がっているため、もっと長い寿命を期待できると思います。

新築時にしっかり建てる(つくる)ことと同じくらい、しっかり手入れすることが重要です。
しっかり掃除をし、しっかり換気をするだけでもかなりの差で建物の寿命が違ってきます。

伊勢神宮の宇治橋の脇にある、松下電器の所有する新宮茶室では毎日のように鴨居や棚の上の埃を払うそうです。
それは、埃が湿気を吸って木に悪い影響を及ぼすからだそうです。

実際に立て替えられる住宅の殆どは、老朽化が原因ではなく、様々な意味で、様々な場面で、使い手のライフスタイルの変化に対応できなくなっているからです。

100年住宅、200年住宅といって建物に一定の基準を設けて長持ちする家を増やしていこうとする動きがあります。
実際には、100年、200年もつ住宅を建てること以上に、100年、200年もたせたくなる住宅を建てていくことが、クライアントも私たち設計者も大変重要なことだと思います。


広さは数字よりも感覚で・・・

2010-09-10 | アトリエ日記
実際に感じる空間の広さは、建物の面積だけでは決まらない。

例えば、同じ16畳のリビングルームでも隣に引戸で仕切られた和室などが隣接していれば、壁で仕切られた部屋より大きく感じる。

収納スペースが多く取ってあると、家具などを置かなくて住むため部屋をスッキリ、広く使える。

天井が高く、大きな窓があると開放感があり、広く感じる。

柱や梁の出っ張りをスッキリさせるだけで、家具の配置もスムーズにいき広く使えます。

敷地選びの時に、実際の土地の面積から容積率や建蔽率で大体上屋の大きさが大体予測できます。
若干小さな敷地で、希望する面積が取れなくても、敷地の条件や設計の方法で広く使え、かつ開放感のある広がりのある空間をつくることは可能です。

その敷地のロケーション、価格などで予定の大きさが取れないと思ったときは、一度ご相談ください。
ヒアリングでクライアントさんのお話を聞き、色々なことを整理していけば、その敷地で大満足な家が建つかもしれません。

面積の表示だけで希望外とあきらめる前に、先ずはその敷地が持つポテンシャルを十分に引き出すことを考えると、新たな可能性がどんどん湧き出てくると思います。


第23回千葉県建築学生賞 第1回定例

2010-09-09 | なの花会/千葉県建築学生賞出展者の会
大雨の中、ダイヤの乱れた東西線とJRを乗り継ぎ、千葉駅に到着。

少々遅刻で、会に出席。

今回は新しく会長も変わり、役割分担も若干変わっていた。

なの花会からは、公開審査の審査員1名、その他各会場設営などの役割を行います。
また、昨年かさせていただいている、ポスターのデザインも引き続き行えることが決まりました。

ポスターは、まだどの様な形で提案するかは思案中ですが、今回は昨年の出展者の中からコンペ形式で行おうかという案が出ています。
学生には、建築だけでなく2次元での作品が増えるのはメリットがあるのかなと思ってます。

早速、素案をまとめ募集要項などの作成に取り掛かりたいと考えています。

あと一つ今回の学生賞メンバーに多くの新しいメンバーが加わったことは、会を活気付ける要因かなと思っています。
その新メンバーに、仕事でもプライベートでも昔お付き合いのあった佐倉高校出身のM氏が加入していたのにはビックリです。
その節は、いろいろとお世話になりました・・・。
今後ともよろしくお願いします・・・。

下鶴間プロジェクト

2010-09-08 | アトリエ日記
大雨の中、田園都市線の中央林間駅に行ってきました。

下鶴間プロジェクトの近隣説明です。

今回の近隣説明は、法令的、条例的には不要な建物です。
プロジェクトをスムーズに進めるため確認申請が下りる前に、
クライアントと隣接敷地の建物が建ったら最も影響を受ける数軒をまわりました。

隣接地には、分譲のマンションもあり、管理人さんにも必要な資料をお渡しし、ご協力をお願いしてきました。

最終的には、工事が始る前に工務店と一緒にもっと広い範囲にあいさつ回りをします。

家を建てるときは、当人はそれほど気にしなくても、工事車両の出入りや、騒音、振動などで近隣の方は相当なストレスがかかります。
その当たりのケアをしっかり行わない、ずっと住み続けるクライアントが気持ちよく近所付き合いができるように考えるのもわれわれ設計者と工務店の大きな役割の一つだと考えています。

シェアハウスが熱い

2010-09-04 | たてものQ&A
シェアハウスって何?

平成16年(2004年)頃から急速に社会的な浸透をみせはじめた。
他人同士がマンションや戸建住宅、社員寮だった建物で共同生活を送る。

個室は、4.5畳から6畳位、それに生活に必要なキッチンやトイレ、バスルーム、リビングなどの共用部分からなる。
気の向いたときに自分の部屋から出て、リビングやキッチンなど共有部分に出て入居者とお話しをする。

共用部分の使い方や掃除などあらかじめルールづくりをしておく場合が大半。

広々としたリビングダイニングやバスルームなど共有部分を自由に使え、お洒落な家具や大型テレビなどを備えたシェアハウスの家賃は、近隣のワンルームより若干安い。
電気料金や水道代などの光熱費は共益費で賄われることが多くなっている。

最近では、家具や調理器具、冷蔵庫、洗濯機などを備えた物権が主流になってきている。

長澤まさみ、上野樹理、瑛太、錦戸亮、水川あさみ などが出演し、
2008年4月から放送されたドラマ「ラスト・フレンズ」でみんなが共同生活していた住スタイルを想像するとイメージしやすいかも。

現在では専門メディア、ひつじ不動産などが大々的に場所の「シェア」について取り扱っている。

これは、需要側のニーズもさることながら、ハードを供給する側の要望を満たしている。

先ずは、建設費が安くなる。
5-6戸のワンルームを建設する場合、少なくともトイレ、キッチン、浴室はその部屋数分必要になる。
シェアハウスの場合は、トイレ、洗面は多くても2個、お風呂は1個であとはシャワールームを付けてあげれば十分である。

また、建築法令上のメリットもある。
共同住宅を建設する場合は、東京都であれば安全条例などの特別な法令や、特殊建築物として守らなくてはならない法令が多々出てくる。
シェアハウスの場合は、寮としての法令がかかるものの、申請の解釈の仕方によれば住宅として申請するケースもあると思う。
多分、公共料金を一本化し、共益費として徴収するのもその辺が関係しているのではないだろうか。

今後、「ハウス」、「ルーム」、「スペース」など「シェア」関連のハードが活況を見せてくるのではないかと考えられます。