ぱんくず日記

日々の記録と自己分析。

春分、楳図まんが祭り

2017-03-20 23:30:39 | 日常
春分の今朝は曇り。
明け方冷え込んだな。

熱は平熱に落ち着いたが咳がひどい。
唾液が喉に刺さる。
7:30、タミフル服用。
本日4日目。

・・・・・

今日一日、楳図かずおの恐怖まんがを読み耽る。


楳図かずお『呪いの館(旧題;赤んぼ少女)』読了。

週刊少女フレンド連載中の題名は『赤んぼ少女』だった。
幼稚園卒業から小学校入学週刊少女フレンド連載中、断片的に読んだ。
週刊少女フレンドで昭和42年の年明けから連載された『ミイラ先生』と
同じその年の秋から連載されたこの『のろいの館=赤んぼ少女』との間の画力の違いに驚愕する。
迫力も精巧さも凄さを増し、ほんの半年の間に一気に絵が変わっている。
単行本化されたのを小学5年の時に初めて買って貰った。
ぼろぼろになっているが今手元にあるのはその時の1冊だ。
タマミは多分先天的な疾患か何かで身体が成長しない。
生後12年赤ん坊のままの姿を父親から「化け物」と蔑まれ施設送りにして排斥される。
好きになった青年から「顔中に白粉か何か塗って気味悪い」と陰口され涙し、「その醜い手は醜い心の表れ」と決めつけられ、
更に出生の秘密を「素性の知れない行き倒れの女が産んだ娘」と言い捨てられる。
出生の事情、先天的な疾患による身体障害、見た目の姿形、いずれもタマミ自身のせいではない不可抗力。
しかしそれらを理由に父親からも青年からも虐げられ排斥される。
その理不尽な差別に鬱積する恨み辛みを葉子への攻撃行動に表して徹底的な悪者にされる。
恐怖まんがではあるが悲しい物語だ。
しかし赤ん坊のタマミがトコトコトコ・・・と追いかけて来たり先回り待ち伏せされるとやはり怖い。
特にこのシーンは怖い。
父親が床に叩き落し踏みつけた粗末な猿の人形がいつの間にか長椅子の上にうつ伏せで寝ている。
背後で人形がむくりと起き上がる。
父親は手近の水晶玉に映っているタマミの歪んだ笑い顔に気づき愕然とする。
ひぇぇ怖い怖い。
このコミックスの表紙カバーの折り返し部分の作者近影で若き日の楳図かずお自身が
「自分の怪奇ものの中で一番好きな作品」と述べている。

楳図かずお『鬼姫(旧題;影姫)』読了。

これも怪奇恐怖というよりもむしろ悲劇。
冷酷な女城主が失明し、替え玉として極秘に拉致され奈津姫に仕立て上げられた村娘、志乃が
奈津姫の身代わりとして過酷な訓練を受けなりすますうちに本来の自分自身を失っていく。
小学5年の時に買ったコミックスを後生大事にまだ手元に持っている。
怪奇恐怖ではなく読み応えある時代劇で、本当に面白い。

楳図かずお『うろこの顔』読了。

実は楳図かずお全作品の中でこれが一番思い出深く、好きである。
『呪いの館(旧題;赤んぼ少女)』と同様に絵が好きだ。
影はスクリーントーンでなく手描きだ。
細部まで手で描き込まれ家具や調度品の細かい柄も手描きされて独特の雰囲気と1960年代後半の流行が反映されている。
誰かが扉ノブをギリギリと回す、扉が開いた!
お姉様が扉ノブをすっぽりと口にくわえていた!
お姉様がこっちに来る!
ずさっずさっと這いずりながらこちらに迫って来る!
ひぇぇぇぇー!!
お姉様の不可解な死の謎を突き止めようと遺体を安置している地下室への階段を下りて行く。
スリッパが音を発てる。
階段の石一つ一つにも質感がある。
地下室の扉を開けると、懐中電灯に照らされたお姉様の死体の入った水槽(腐らないのか!?)に
シートが掛けられているのが見える。
思い切ってシートを捲るとお姉様が眼をどろりと開眼し、ぎゃあこっち見てる!!
その口元に血が!
きゃっと叫び引き返そうとした時、地下室の扉が突然閉まった。
慌てて扉を開けようとして懐中電灯が床に落ち、粉々になった。
真っ暗な地下室に閉じ込められた、それもお姉様の死体と一緒に!
お姉様の水槽の方から響く笑い声。
ほほほほほほほ
このほほほほほほほの次に登場する一面うろこの顔の形相はトラウマになるほど怖かった。
一頁の上半分に大きく描かれた顔はコミックスの大きさでも充分怖い顔だが、
私が6歳当時見たのは週刊少女フレンドB5版の大きさだった。
油断して無頓着に次の頁を開くととんでもない恐怖の顔があり、
次に読み進みたくても怖くて頁を捲る事が出来なかった。
従姉達と一緒になってぎゃあぎゃあ大騒ぎしながら味わい深く読んだのだった。
ラジオから洋楽が流れていた。
ビージーズの「マサチューセッツ」「ホリディ」、ビートルズの「ミッシェル」とか、
耳で聴いて出鱈目の歌詞で歌いながら従姉達が読み終えるのを待った。
テレビではグループサウンズ全盛期で
ザ・タイガースのジュリーとザ・テンプターズのショーケンとが人気を二分していたと記憶する。
幼稚園から小学校に上がろうとしていた私はジュリーのファンだった。
ザ・タイガースの「モナリザの微笑み」「君だけに愛を」「シーシーシー」を耳で聴きながら
週刊少女フレンド『うろこの顔』の頁を恐る恐る開いては閉じた6歳当時の記憶が甦って来る。
あー面白かった。

楳図かずお『おろち』全6巻読了。
  

画像は1、3、6巻のしかなかったが全6巻、どれを読んでも読み応えあり
何度読んでも深く考えさせられる。
全6巻の中で好きなのは6巻の旧家門前家の二人の姉妹の話。
後半から主人公おろちが10年間の睡眠に入るが、
おろちの意識が眠っている間に住み着いた身体の持主、佳子は
当時一世を風靡した美貌の演歌歌手藤圭子をモデルにしたのではないかと思ったりする。(顔が似ている。)
姉妹が物心つく頃から悉く優劣を比較されて育つ事の害毒を私も妹も体験的に知っている。
ここには書きようのない陰惨な日常を子供は常に味わい噛み締めて育つ。
この6巻を買ったのは小学6年頃だったがその時から読む度に考えさせられた。
今読んでもそれは同じである。
楳図かずおの作品の中の最高傑作は『おろち』だと私は個人的に思っている。

楳図かずお『アゲイン』全6巻読了。

これ傑作。
昭和45年に描かれたギャグまんがでありながら介護制度の破綻した今の時代を予見していたような作品。
息子一家と同居する老人、と言っても主人公の元太郎は65歳であるが、昭和40年代の65歳と今の時代の65歳は全く違う。
実際私の母方の祖母(母の母親)は68歳で昭和47年に死んだが、写真に残る姿は皺くちゃのまさに高齢者であった。
ところがその祖母の娘(私の母)は今日現在80歳にしてなお美肌にこだわり高齢者などと私に言わせないほど若い。
昭和40年代の65歳は今の80歳くらいに相当するであろう。
主人公元太郎は息子夫婦の会話を聞いてしまう。

「何にも役に立たないし、する事は無いのだから、早く死んでしまえばいいのに!!」
「いいさ、いつまでもああしてぐすぐずしているようなら知り合いの病院に入院させてしまう手もあるさ」
                                 (『アゲイン』第1巻 昭和47 秋田書店より)


同じ家屋で暮らしながら老い衰えて息子夫婦や孫達と価値観が違い過ぎて疎まれる、
高齢者の無念に楳図かずおは注目していた。

「何のために生きてきたのじゃ…
 ひたすら年を取って何があったというのじゃ…
 もう一度若い頃に返りたい!!もう一度!!」
                                 (『アゲイン』第1巻 昭和47 秋田書店より)

元太郎の2人の孫の一人が鼻垂らした幼稚園児まこと。
後にギャグまんが『まことちゃん』の主人公となるまことちゃんは『アゲイン』で誕生した登場人物である。
それにしても腹抱えて笑った。
若返りの薬を飲んで高校生に変身した元太郎が映画館の入り口の「18歳未満お断り」の張り紙を見て憤慨し
数字だけを切り取って逆さまに貼り直す悪戯をしたりする。
ぎゃははは「81歳未満お断り」になってしまった。

・・・・・

熱は下がったが咳がひどい。
明日3/21から出勤しなければならないかと思っていたが
さっき職場の同僚から電話が来て明日まで休むようにと言って来た。
タミフル服用の5日目が明日だからガイドライン通り休むようにと。
電話で会話中に酷い咳込みと嗄声があってまだ無理とも言われた。
遅番は他の人が代ってくれると言う。
正直助かった。
咳が止まらないのでしんどい。

19:15、タミフル服用。
胸と背中の痛みは咳のし過ぎであろう。
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