中村平治著、吉川弘文館刊
インド史研究家によるインド通史です。国家としてのインドだけではなく、周辺の国々を含んだインド亜大陸である南アジアの歴史を概説しています。本書の冒頭で「面積的に見ても、南アジア世界をそのままヨーロッパに移せば、ヨーロッパからはみ出てしまうほどこの世界は大きい。」と述べ、続けて「そこでは諸民族や諸宗教が、その多言語・多文化性に規定されて、時に対立を重ねつつも、全体としては他から区別される1つの世界を築いてきた。」としています。つまり、1つの文明圏として捕らえることができるとのことです。
インダス文明から説き起こし、様々な王朝や宗教の勃興を概観し、中世、近代、現代と見通すには、200ページの紙幅では足りないのでしょうが、固有名詞を覚えることに余り興味の無い私にとっては十分な分量でした。所々読み難い言い回しがありましたが、学究の方の文章の特徴なのでしょうか。
本書で、イスラムの侵略とその後のイギリスの植民地への道。独立及びパキスタンとの分立。その後の特異な政治の流れなど、読了してみて全体像が浮かび上がりました。私の読み流しでも理解出来る程度に、これだけの分量でインドの通史をまとめるのは大変なことであったと思います。どの分野のどのトピックを扱うかという構成のご苦労に思い至りました。インドの歴史書は非常に少ないそうで、そもそもインドの歴史の学問分野に厚みがないからだそうです。
カーストについて述べた部分が良く理解出来なかったので、今後の課題としたいと思います。インド旅行に役立つかもしれません。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/中村平治
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評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
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インド史研究家によるインド通史です。国家としてのインドだけではなく、周辺の国々を含んだインド亜大陸である南アジアの歴史を概説しています。本書の冒頭で「面積的に見ても、南アジア世界をそのままヨーロッパに移せば、ヨーロッパからはみ出てしまうほどこの世界は大きい。」と述べ、続けて「そこでは諸民族や諸宗教が、その多言語・多文化性に規定されて、時に対立を重ねつつも、全体としては他から区別される1つの世界を築いてきた。」としています。つまり、1つの文明圏として捕らえることができるとのことです。
インダス文明から説き起こし、様々な王朝や宗教の勃興を概観し、中世、近代、現代と見通すには、200ページの紙幅では足りないのでしょうが、固有名詞を覚えることに余り興味の無い私にとっては十分な分量でした。所々読み難い言い回しがありましたが、学究の方の文章の特徴なのでしょうか。
本書で、イスラムの侵略とその後のイギリスの植民地への道。独立及びパキスタンとの分立。その後の特異な政治の流れなど、読了してみて全体像が浮かび上がりました。私の読み流しでも理解出来る程度に、これだけの分量でインドの通史をまとめるのは大変なことであったと思います。どの分野のどのトピックを扱うかという構成のご苦労に思い至りました。インドの歴史書は非常に少ないそうで、そもそもインドの歴史の学問分野に厚みがないからだそうです。
カーストについて述べた部分が良く理解出来なかったので、今後の課題としたいと思います。インド旅行に役立つかもしれません。
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