はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

富士箱根トレイル②-3

2011-11-18 15:57:52 | 低山歩き
富士箱根トレイル2回目―3                    歩行月日2011/11/13

               金時山から丸岳へ

 山頂では握飯を二つ食べ、混雑している山頂を乙女峠に向けて出発。
下り道の左にある沢は、仙石原に落込むように急な下りになっている。昔はこの沢を下った所にある岩壁で、岩登りの練習をしたことがあるが、今はどうなっているのだろうか。こんな混雑した山頂の下では、何が落ちてくるか分らず落着いて練習も出来ないだろう。尤も岩登り、と言っても誤解しないでください。私のはほんの真似事で、高所恐怖症の気もあるのか、高い所から真下を見るとゾクゾクとして○○が縮み上がってしまいます。そのせいか岩から体を離す事ができず、足場を見つけられないので一番下手だったような気がします。

      

 前方にこれから行く長尾山(手前)や丸岳(中央山で山頂にアンテナ)が見えている。その奥に見えるのは次回歩く予定の三国山なのだろう。オットこの三国山は前回登って三国山(甲斐、駿河、相模)とは違い、箱根の三国山ですが、その国名が定かではない。きっと相模、駿河、伊豆なのだろうが、伊豆と駿河の境界が理解できない。現地に行けば何か説明があるのを期待している。

      
       長尾山・丸岳・三国山
     
 乙女峠に向かう尾根道も混雑している。登りの下りの人で待たされたり、急かされたりでマイペースでは歩く事が出来ない。気の利いたアンカーのいる団体は抜かさせてくれるのだが、全然後を気にしない団体もいる。静かな山に慣れている私には休日の金時山は少々賑やか過ぎだ。
 長尾山の登りでまた思い出した事がある。確かこのピークの富士山側には岩棚があり、富士山の眺めが良かったはずだ。昔その岩棚の入口に印を付けたりしたのだが------ 50年も前のことだから当然印もなく踏み跡も分らなかった。当時はその岩棚の上に座り富士山を見ながら紫煙をくゆらしたものだが(高校生のくせに)それも懐かしい想い出だ。

 長尾山山頂から後を振り返ると木の間に岩棚が見えていた。記憶は間違いではなかったのだ。
さて木間の尾根道もここで終り、ここから乙女峠までは開けた広い尾根道で、長い下り坂だったはずだ。
また昔の話で恐縮だが、この馬鹿尾根ではキスリングに砂袋を詰め、重荷の歩行訓練もしたことがある。そんな事を思い出し下り始めたのだが、一向に開けた尾根が出てこない。相変わらず道の両側には低木があり景色も見えない。変だなー 変だなーと思っているうちに乙女峠に着いてしまった。

 
乙女峠の展望台                   展望台からの富士山

 エッ!ここが乙女峠? 数え切れないほど来た事のある乙女峠だが、そこは記憶にある乙女峠ではなかった。
私の記憶する乙女峠は茶屋のベンチが富士山側に並び、富士山を見ながら休憩ができるような開けた峠だった。それが現在の乙女峠は箱根側も富士山川も木が生茂り、景色は何も見えない。茶屋のベンチは富士山側でなく正面になっていた。しかも直接富士山が見えないので木製の展望台があり、そこから富士山を見るようになっていた。

 御殿場市の立てた案内板にもビックリした。そこには乙女峠の標高が1005mと書いてある。私の記憶では999mで後1mで1000mになると思っていた。それが6mも高くなったとは、私の勘違いか?でも金時山の標高は1213mで記憶と合っている。因みに国土地理院の地図には1005mとなっているので矢張り私の記憶違いなのだろうか-------

案内板には乙女峠のいわれも紹介してあった。
「仙石原の娘が、父親の病気を治そうと峠の先の地蔵堂に日参し、満願の日に雪に埋もれて死んでしまったことから乙女峠になった」とある。これも私の記憶と少し違っていて、私の記憶は「御厨(御殿場)の乙女が仙石原の青年に恋をし、毎夜峠を越えて会いに行っていた。そして雪の夜も峠に行った娘は、雪に埋もれて死んでしまった」と思いこんでいた。それがなんと情熱的娘がいつしか孝行娘になっていたのだが、この私の記憶には少々自信が無い。高校時代の私は孝行娘より情熱的娘に憧れて、勝手に記憶を改竄してしまった可能性がある。

 乙女峠から丸岳に向う道へは誰も登っていかない。殆どのハイカーは箱根側を下り、時折御殿場側に行く人がいるくらいだった。そんな中一人私は登り坂を歩き始める。
嘘のように静かになった道は、待つ事も急く事もなくマイペースで歩く事が出来る。山はこーでなくちゃーな、余裕ができたのか両側にある木も目に入ってきた。

      
       残っていた紅葉

 今まで気付かなかったモミジの紅葉が残っていた。木の種類も増えてきてブナやヒメシャラ、犬ツゲ、アシビなどもある。時折山桜の木もあるので春には桜を見ることもできるだろう。

 
 丸岳の山道                      金時山

 快適な山道を歩きながら後ろを振り返ると金時山が見えていた。特徴のある二つのトンガリが見えている。あのような形状の山は双耳峰なのだろうか。金時山が双耳峰だとはあまり聞いた事はないが。
静岡県にある竜爪山や高草山は双耳峰といわれているが、それに比べよっぽど金時山の方のが双つの耳のように見える。ならきっと金時山は双耳峰だろう。

         
          丸岳最後の上り

 丸岳の標高は1156mで乙女峠からは標高差は150m程度だ。この山を越せば湖尻峠までは多少のアップダウンが続くだけだと思うと元気が湧く。乙女峠からまだ一人のハイカーとも会っていない。

       
       丸岳山頂の富士山トアンテナ                  
 
 山頂に大きなアンテナが建っている丸岳は、何所から見てもすぐ分かる。尾根道をアンテナの方に行くと笹や薮を刈り取り広場になっている。そこからは富士山が清々見えるようになっていた。アンテナを設置してある山頂でこんな事をしてくれている所は珍しい。普通は一番の展望地をアンテナが占め、その周りはフェンスで囲いをして立入禁止になっている。登山者はフェンスの隅から景色を盗み見をするようにして見ることが多い。山頂が私有地なのか公有地なのか分らないが、麓から歩いてくる登山者にも、その景観を分けて欲しい。その点ここ丸岳のアンテナは申し分なかった。

 尾根を更に進むと今度は箱根側が開け、仙石原や神山(かみやま)、そして芦ノ湖が一望に見える。ゴルフ場もコースの区切りまで手に取るように見える。神山の裾野に白い噴煙が上がっているが、あれは大涌谷だろう。金時山から眺めるより間近に見える分余計迫力がある。この景色を入れないで何が富士箱根トレイルだと思う。


 丸岳からの絶景

 丸岳に到着が12時45分。金時山から1時間20分で来たことになる。山と高原のタイムは1時間25分なので殆ど同じだ。ならばここから岩波駅までは4時間10分となっているので、5時には到着しそうだ。ヨシ!今日は湖尻峠まで行って岩波駅に下ろう。


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