この写真は母の三輪自転車の無くなった鍵の片割れである。もう一本のカギが出て来ないので、捨てるに捨てられずにまだ取っているが、やがては捨てなければならない。
母はここ数年、記憶力も弱まり、良く物を無くす。三輪車の元々付いていた鍵も一本無くし、最後の一本を使ったがそれも無くし、自転車屋さんに来てもらって鍵を壊してもらった。
その鍵も、ポッチを押さえて鍵を開けるのが母には難しく、大分難儀していた。もう、世に出回る三輪自転車用のカギはそれしかないらしく、諦めて、輪っかのカギに交換した。
母は、大事なものが無くなると、決まって、誰かが盗みに家に来た、と騒ぎ、その度に、水掛け論の私との大騒ぎが起こる。私もほとほと疲れる。
もう、母も齢(よわい)、八十を越える。父とは晩婚だったので、年を取ってから私が生まれた。
オレンジカフェと言う、市内で開かれる認知症の懇親会的なものに参加しているが、答えが出ず、暗中模索の状態だ。
まあ、爆弾を抱えて生きているようなものだけれども。なるだけ、母との人生の時を、楽しみつつ、気負わずに母と共に歩いてゆきたい。