桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

フィリピンもだって

2016-01-28 | Weblog
日本軍の慰安婦にされた韓国人が日本に来ている。
連日、集会などで発言していることが、それぞれの新聞に相応しい中身として報道されている。
何を信じるかは、それぞれの人の自由だが、歴史に埋もれたり、隠されたりした事実であっても真実は抹消されようがない。必ず明らかになる。
俺も、そのときを思って発言しているつもりだが、俺は被害者たちの言うことは、総てが正しいと書いたことも無ければ、そう思ってもいない。人間の記憶は妖しいし、間違いもある。自分の冤罪体験でも、自分自身の記憶の妖しさ、いい加減さに呆れたこともある。でも、彼女たちの語る体験の中身と、そこで強制的に慰安婦をさせられた思いに嘘はないと信じられるだけだ。軍隊として、その管理下に慰安婦を引き連れていたのだから、その沢山の中には強制的に強いられた人もいることだろう、と思えることもある。
人間、一事が万事、と言われる。日本で働かせる労働力を朝鮮半島から「拉致」する日本だもの、慰安婦たってやる、と思われても仕方ないよね。
この労働力の強制連行の事実と慰安婦が混同され、各紙が「強制連行で慰安婦に」と報じたはずだ。すぐに朝日以外は訂正したが、朝日だけは訂正出来ずに批判されたわけだ。
北朝鮮が日本から拉致した人たちの問題も、全く進展しないが、「拉致したと言っても、ちゃんと暮らさせた。生活も守り、金も与えた」と北朝鮮が弁明したらば、日本人は「それならば拉致も仕方ない」と思うのだろうか?北朝鮮の拉致を許せるのだろうか?
いかに日本統治下とは言え、朝鮮半島から暴力的に拉致して日本に連行し、脱出させない隔離状態を強いて働かせたことを「賃金を払っていた」とか弁明する思考は、どこから生まれるだろうか。もし自分がそうされたらば!と思いが及ばないのだとすれば、哀れとしか良いようがない。
北朝鮮の日本人拉致は、もしかすると日本帝国に学んだことかも知れないが、「帝国日本、神の國!!」そんな時代錯誤の考えをする連中は、ひたすらに自分たちの都合の良い事実だけを拾い集めて「だから我が主張は真実だ!美しい日本を取り戻す!美しく続いた日本の歴史を汚すな!」とか喚くが、どんな美辞麗句を使っても過去は変えられない。
今日の新聞には、今度はフィリピンでも「慰安婦として強制された」と声を上げた女性がいると報じている。
素直に事実に向き合って過去を清算しなければ、絶対に解決しないのに、情けない国だよなぁ。

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12 コメント

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Unknown (森利行)
2016-01-29 12:32:24
桜井様、ひとつだけ指摘させて下さい。
吉田証言が原因の誤報に対して、ちゃんと謝罪したのは、朝日新聞だけで、産経も読売も謝罪していません。以下に紹介するのは、読売新聞が謝罪したという記事ですが、謝罪からはほど遠いものです。


1997年4月13日
読売新聞社説
『まだ残る“日本性悪説”の呪縛』

〈バランスを欠く慰安婦論議〉
第二次大戦に至る日本の侵略行動の背景には、アヘン戦争以来の帝国主義的アジア侵略の歴史がある。英、仏、欄は第二次大戦終了後も植民地支配を回復しようとして、再侵略した。
 近年のいわゆる従軍慰安婦問題等も、とかくバランスを欠いた形で論じられることが多い。
 GHQが憲法原案を起草したころの日本には、レクリエーション・アンド・アミューズメント・アソシエーション(RAA)の施設が各所にあった。スポーツ施設かゲームセンターのような名称だが、占領軍将兵用の「特殊慰安婦施設協会」である。
 日本政府の肝いりで設置されたものだった。が、GHQは各種の行政命令運営に「関与」したし、地方レベルでは米国側の命令で設置されたものもあった、
 当時、東京都渉外部長をしていた故磯村栄一・東京都立大名誉教授は、GHQに呼ばれ、焦土と化していた都内・吉原に米軍兵士用の施設を作って女性集めをするよう命令されたと証言していた。
 昨年十二月、米司法省は、旧日本軍で従軍慰安婦施設の設立や運営に関与した元軍人の日本人を入国禁止対象者にする、と発表した。それなら、先に、日本で慰安所の設立や運営に関与した米国内の元軍人の責任を明らかにするのが筋である。偽善というべきだろう。
 ドイツ軍が占領地域に多数の軍用強制売春施設を設営し、組織的な“女性狩り”をしていたことも明らかにされているが、日本の場合、官憲が「強制連行」したことを示す資料はない。
 言うまでもなく、他国が同じようなことをやったからといって、日本の行為が肯定されることにはならない。
 だが、どの国、民族の歴史もきれいごとばかりではないことは、ごく普通の常識に属する話だ。歴史の実像を、時間的にも空間的にも、複眼的に認識しようとする努力を欠いた偏った姿勢では、肝心の日本のことさえ、よくわからなくなるだろう。

〈軍国主義復活はありえない〉
勤労動員だった女子挺身隊を慰安婦徴用のための“女性狩り”だったと、歴史を偽造してまで、日本を“比類なき悪”に仕立てようとした報道などは、そうした偏った姿勢が行き着いた結果ではないか。
 憲法を考えるうえで問題なのは、そうした“日本一国性悪説”的な傾向と、左翼的護憲運動の流れとが、大部分重複しているようにみえることだ。
 憲法を一字一句でも変えれば軍国主義復活の危険を招く、といった調子の議論などは、東京裁判史観とマルクス主義的な左翼史観の尾をひきずるものだろう。
 現在の日本には、軍国主義が復活する条件も、復活をもくろむ政治勢力も存在することに目をつぶった議論である。
 歴史の冷静な点検は、二十一世紀の日本国憲法の在り方について、実りある議論を進めていくための、重要な前提である。



これだけです。「なんだよこれ!」って感じですよね。吉田証言を鵜呑みにした記事を書いたのも、女子挺身隊の一件も、しっかり読売も誤報記事を載せていた のに、この「人ごと」のような記事内容は何でしょうか。しかもわざわざドイツ軍の売春施設に「強制」と付け加えている。これって訂正記事と言えるのでしょう か。
 産経に至っては、吉田証言を元にした特集記事を書いて、ジャーナリズム賞を貰ったりしたあと、92年に訂正記事を書いたという事ですが、何と、な ぜかその2年後には、ちゃっかりとその特集記事を書籍化して出版しています。また、どんな訂正記事だったのか調べようと思ったのですが、縮刷版すら作って いない。新聞社の義務として縮刷版を作らないと、読者はあとから検証することもできないですよね。産経は今やミニコミ紙ですからしかたがないと思いますが、自分たちの過去を隠蔽しつつ、朝日を批判しているのですから、飽きれるばかりです。
 長々と済みませんでした。
有り難うございます (桜井)
2016-01-29 12:52:55
そうでしたか。もう少し丁寧に徴用工などの強制連行と混同した記事を訂正したのかと思いましたらば、悪いのは日本だけじゃないよ、あいつだってやってるんじゃん!の類いですね。
これで朝日を追及なんて天に唾するものです。
でも、日本人の慎みを失った連中は「吾が意を得たり」と読売・産経を力に声高に喚きますね。
自虐史観とか言いますが、何時から、こんな恥ずかしげもない自尊史観の国になったのでしょうか。
Unknown (森利行)
2016-01-29 19:37:38
返信コメントありがとございます。
全く同感です。ほんとに日本は恥ずかしい国になってしまったと思います。
 正しい自尊史観ならいいのですが、今の右翼、保守派は、現実を直視することを恐れ、悪しき民族主義に救いを求める、「自虐的自尊史観」の中に居るように思います。自分たちの方が自虐的である事に全く気付いていないのではないでしょうか。
順序を間違えてません? (柳田 豊)
2016-01-29 21:45:48
韓国の歴史学者が暴行されても、挺身隊対策協議会が慰安婦たちを飼い殺しにしている現実を受容すべきだとする森さんが言っても空しいだけですよ。

 安秉植教授の新発見の資料に対して「元産経の記者がどうのこうの」と言った理由についての説明も一切してないし。

 何しろ、何の反論もなかった。こうして書き込んでいるのだから、暇がなかったわけでもないでしょう。
 
 普通は暴力にさらされるのを「受容すべき」とは言わないし、老婆たちを飼い殺しにしていいわけもないのに、森さんの理屈では正当化できるらしい。
 どういう精神構造をしているのだろう?

 精神異常と判断されてもおかしくないことなのに、何の反論もないのはどういうことだろうか?
 そんな人が「日本は恥ずかしい国」とか言っても「アンタが言うな」で終わりでしょう。
 森さん自身が自分の精神異常を恥ずかしいと思わないのだから。悲しいことですね。
 そうだとすると、私が引用した朴秉植教授の資料に訳のわからんケチをつけたのも、無理のないことかもしれない。

 森さんがここまで読んで「違う」というなら、筋道の通った説明をつけるしかないでしょうし、できないなら、精神異常者と呼ばれるのを「受容すべき」でしょう。
 どちらでも、好きな道を選んでください。
 

 桜井さんも私が書いたことを不正確に読んでばかりいて嘆かわしくなります。
 「徴用令」は「暴力的に強制連行することではない」と書いたのに何を読んでいたのですか。
 本人の意思に反する労働を強制する命令ではあるけれど、別に暴力をふるって無理矢理連行したわけではないというのに。朝鮮総督府に勤めていた人によると、担当の人が出向いて「何人か派遣してほしい」と陳情したと言ってましたよ。
 「これを強制連行と呼んだら、現在でも徴兵制をしている韓国などの国々は日常的に強制連行していることになるぞ」と書いたのに。

 頼むから、文章を「正確に」読んでください。文字通り話にならないですから。
 
 恥をかくのは桜井さん自身なのですから。

 



 

 
Unknown (サム)
2016-01-29 22:14:15
>もう少し丁寧に徴用工などの強制連行と混同した記事を訂正したのかと思いましたらば、悪いのは日本だけじゃないよ、あいつだってやってるんじゃん!の類いですね。

おっしゃる通りですね。「他もやってる(やってた)」って事は、自分がした事の免罪符なんらにもなりませんもんね。例え誰かの嘘や大げさな証言、誇張があったとしても、やってしまったことの本質な部分は全く変わりません。

「なかったこと」あるいは「それほど酷くはなかったこと」にしたい連中はなぜかそうは思わないようで、「だから全部嘘だ」、「そんなに酷くはなかったんだ」、「他の国もやっていた(戦時だからしかたがなかった)」…となるわけだ。
それこそ恥の上塗り、私など見ていて本当に恥ずかしく思うわけです。
Unknown (サム)
2016-01-29 22:17:55
↑ 「自分がした事の免罪符なんらにもなりませんもんね」→「自分がした事のなんら免罪符にもなりませんもんね」でした。大変失礼いたしました^^;;
森利行氏は自らを精神異常と認めた (柳田 豊)
2016-02-02 23:45:54
 4日待ったが、森利行氏は完全に沈黙を守っている。ということは、自らを精神異常と呼ばれることを受容する道を選んだと言うことになります。

 本人が選んだことだから、どうしようもありませんけど、今後、何を言うにしても「精神異常の森利行」ということになるわけですから、説得力などなくなるわけです。
 どうするつもりなのやら。


 先日、私に3分で論破されたサム氏にしても、現実を見てないようです。

 現実には、慰安婦や徴用工の否定派の人たちは「他もやってたから」なんて言わないですから。
 たまに、ネトウヨがそういう人格を疑われるようなことを言うことがありますけど、大抵の場合、「否定派の心証を悪くしようとしているネトウヨなりすましの工作員だな、ご苦労さん」とか「韓国にはオマエみたいな身勝手なことを言うやつがごまんといる」などと非難されるのがオチですね。

 ご存じないようですが、否定派にはもっと格好の反撃材料があります。その一つがこれ。
http://japanese.joins.com/article/224/61224.html

 「詐欺をやる連中の言うことが信用できるか」という人のほうが「他もやってたから」などという人よりはるかに多いのです。

 そもそも、確たる証拠もないのに、韓国の歴史学者でさえ、日本国家、総督府による強制連行はないと断言しているのに、みなさんみたいな人がいるから「日本人がやったといってるからやったに決まっている」と韓国人たちの脳内では設定されてしまっているわけです。
 あとは口のうまい人が「徴用工だったといって訴訟を起こせば慰謝料をとれる」と会費や寄付金を集めるわけです。
 かくして、引用した記事のような詐欺事件となったわけです。

 つまり、皆さんは詐欺の片棒を担いでいることになるわけですが、反省する気しないのでしょうか。

 当然ながら、皆さんのような人たちは否定派から相当バカにされてるのですが、もっと有効な反論はないのですか?

 その前に、文章を正確に読む練習からしなければならないけれど。
 (サム)
2016-02-03 18:33:16
長文ご苦労様でした。

大体にしてですね、人様の前で相手を「精神異常者」だとか「3分で論破」なんて言ってるお方と
まともな議論が出来ると思うわけないじゃないですか(笑)。
そういった議論もどきは、前にお勧めした掲示板の方がよろしいんじゃないですか?

論理的には御都合主義、新味全く無し。
あと、空気の読まなさも。
こちらからも、サム氏の底の浅さを再確認させてくださいましてご苦労様と申し上げます (柳田 豊)
2016-02-03 19:37:56
 達観したかのような口ぶりだが、私の疑問に何一つ答えていない。単に都合の悪い議論から逃げているだけなのに、見栄っ張りですね。
  証拠もなく日本に対して訴訟を起こすような韓国の詐欺師どもみたいで非常に見苦しいです。

 老婆を飼い殺しにしている慰安婦団体や、正しい歴史を検証しようとしている歴史学者が暴力にさらされている現状をなんとも思っていない人は精神異常と呼ばれても仕方ないでしょう。

 空気の読まなさをどうこう言われても、現実を無視して詐欺師や弱者を虐待する連中に味方するよりはマシです。
 私は空気よりも真実を優先しますから。
 空気を優先して真実を二の次にしてどれだけ冤罪が発生したのか、サム氏には想像もできないらしい。

 それにしても、なんでサム氏が言うのでしょう?森利行氏が自分で言えばいいのではないのですか?
 森氏が自分を精神異常者と呼ばれることを受け入れたのだから、サム氏がどうこう言う筋合いでもないと思いますれけど。

 森氏から「余計なことをするな」と思われているかもしれませんよ。
精神異常とは異常な! (桜井)
2016-02-10 13:07:40
まだやってたんですね。
歴史の検証は、たった70年前でも難しいようですが、他者の意見を、いくら自分の説に合わないからと言って「異常者」呼ばわりは、それこそ異常ではないですか。柳田さんらしくもない。
森さんの意見は冷静で論理的ではないですか。
慰安婦問題は、強制連行ではないんですよ。意に反して慰安婦を強いられた、それに日本軍が関わっていた、ということなのです。
日本にだって色々な人がいるし、韓国にだっています。その人々の問題や関わりは、本来の慰安婦問題とは、また別の話になるだろうと思いますが、まあいいです。柳田さんが、そう思うならば、それでいいじゃないですか。他者の論を異常者呼ばわりするような意見は、俺のブログでは、全く聞く意味もないと思ってますのでご承知ください。

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