桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

真昼の暗黒

2016-10-15 | Weblog
昨夜は東海村で映画だった。
八海事件と呼ばれた冤罪事件がある。
山口県下での冤罪だが、吉岡という男が近所の家に盗みに入り、起きた老夫婦ん殺害して金を盗った事件だ。夫を斧で殺害。妻を絞殺。そして、夫婦喧嘩を偽装するために鴨居に紐で吊し上げて首吊りのようにした。この行為が複数犯を思わせたことから、警察は吉岡に「仲間と一緒にやった」との自白を強いて冤罪を作ったのだ。
昭和30年代の冤罪だが、その映画が真昼の暗黒。正義を捻り曲げる、昔も今も基本的に変わらない裁判村の怪しさを描いている。
何しろ、吉岡は衣類に大量の帰り血を浴びているのに、他の4人の服には、少しのルミノール反応しかない。同じに斧で殴り付けたならば帰り血を浴びるだろうにスルーだ。今と昔は衣料事情も違う。着た切り雀のような人も多い貧しさで、でっち上げられた人たちも、そうだったろう。ならば、土方などの仕事をしていた人たちだし、自分の怪我もあったりで衣料に血液も付いたに違いない。しかし、裁判所は、なかなか無実を見抜けない。殴ったり蹴ったりで得た自白を根拠に有罪。最高裁と高裁を3度も行ったり来たりした後、漸く無罪になったのだ。
真犯人の吉岡は、遊び仲間に罪を着せて無期懲役で刑務所に入り、17年後に社会に帰ったが、48歳で死んだ。刑務所の中から「他の人は無実だ」とする上申書を何通も書いたが、その総てが刑務所当局に押さえられて裁判所には届かなかった。
冤罪を作り上げる警察、その仕上げとして無実の証拠を隠す検察。今も昔も変わらない。
引きも切らずに冤罪が作られ、真昼の暗黒が続いている日本だが、いつになれば変わるのだろうか。
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