忘却への扉

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物議を醸(かも)す平和賞

2017-09-25 | 平和を

 【 地 軸 】 2017.9.20 地方紙1面下段コラムより

[ 「猫は個体か。液体か?」。インターネット上で目にした問いに、フランス人の学者は悩んだ。物理学に基づき導き出した答えは「液体にもなれる」。
 ▲猫がどんな小さなスペースにでも入る体の柔らかさに着目した。「液体は容器に合わせて形を変える」との定義を引き合いに、猫がグラスの中に丸く収まっている姿で「立証」。ユニークな研究に送られる今年の「イグ・ノーベル賞」物理学賞を受賞した。くすっと笑えるテーマに研究者は真剣に取り組む。
 ▲本家のノーベル賞ではなおさら。だが、61年前の医学生理学賞「がん細胞の原因は寄生虫」に代表されるように、後に「誤り」とされるケースもある。
 ▲化学分野よりも物議を醸すのが平和賞。ベトナム戦争の停戦に貢献したとして受賞したキッシンジャー米元国務長官は「戦争を起こした国なのに」と批判を浴びた。そして今、ミャンマー民主化の「ヒロイン」とされるアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相に賞剥奪を求める声が上がる。
 ▲少数民族ロヒンギャを不法移民と扱い、ミャンマー国軍が迫害しているにもかかわらず、策を打ち出さないからだ。国際社会の批判を受け、ようやく人権侵害に厳しく対処すると言い出したが、政権への影響力を軍への配慮がみえる。
 ▲猫ではあるまいに、軍事政権という「古い器」に身を入れて目指す民主化の形を変えてしまったのか。器を新しくしなければ、真の民主化は遠い。]

 ( 忘却への扉 ) ユニークな研究に送られる「イグ・ノーベル賞」は、真面目だけに毎回笑わせてくれ楽しみに待っている。
 しかし、ノーベル・平和賞となると例にもあるようになぜこの人がと疑問に思う受賞者が時々発表される。先のオバマ米国大統領もその一人。
 ノーベル平和賞受賞後も米国は、世界最強の核大国そのままで「核なき社会」に逆行し続ける。北朝鮮の核の開発や配備に発射を脅威に感じてはいるが、米国が批判するのは説得力に乏しい。米国こそ、地球上の核廃絶に全力を尽くすべきではないのか。
 政治力が働くのではと思うことがある。想像だが、憲法9条がノーベル平和賞候補に上りながら受賞されな意義のも、政治的圧力が加わったのではと勘繰れる。
 日本人でノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作。沖縄返還の功績と「核兵器を作らず、持たず、持ち込ませずの非核三原則の意義が授賞理由。
 だが、ベトナム戦争時米軍の北爆を支持し、米軍の補給基地として重要な役割を果たした日本。ノルウェーのノーベル平和賞委員会が刊行した記念誌の出版記念会見で、執筆者の1人は「佐藤氏を選んだことはノーベル平和委員会が犯した最大の誤り」と述べている。日本の国連大使のロビー活動による受賞工作があったようだ。沖縄への核持ち込み密約の合意文書も明らかになる。

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