忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

冤罪事件の再発防止検討無し

2017-07-25 | 共に

 【 地 軸 】 2017/7/5 地方紙1面下段コラムより

[ 「無罪判決は、楽しくてしょうがない。筆が自然と伸びる」—東京高裁で20件以上の逆転無罪判決を出した元判事の原田国男さんが「裁判の非情と人情」(岩波新書)に書いている。
 ▲ただ、無罪判決を出すと出世に影響し、転勤させられたり、刑事事件から外されたりするとも言われる。原田さんは「残念ながら事実」と認めた。しかし、自分が無罪だと信じる事件を有罪にするのは「裁判官が犯罪者に転落することになる」と強く戒める。
 ▲鹿児島地裁の冨田敦史裁判長も同じ心境だったのだろうか。38年前の「大崎事件」で殺人と死体遺棄の罪で10年の懲役に服した原口アヤ子さんの裁判やり直しを認めた。「関与を裏付ける客観的証拠はない」として。
 ▲再審請求審では、検察側が「ない」と言い張った実況見分の写真が、事件から30年以上たって出てきた。殺人ではなかった可能性さえある。弁護団の証拠開示請求に応じなかった裁判所の対応も問われる。
 ▲原口さんは捜査段階から一貫して無実を訴え、再審請求は3回目。15年前にも一度再審開始が認められたが、高裁が取り消した。今回も地検が即時抗告、裁判はさらに長引く。
 ▲刑事裁判は「疑わしきは被告人の利益に」が原則のはず。原口さんは既に90歳。せめて裁判のスピードを速めたい。全国で冤罪(えんざい)事件が相次ぐ。検察と裁判所が「再発防止策を具体的に検討したふしはない」という原田さんの指摘に背筋が凍る。]

 ( 忘却への扉 ) 「秘密保護法」に「共謀罪」ほか、冤罪事件に巻き込まれる恐れは、誰にでもある。高裁元判事が20件以上もの逆転無罪判決を出していたのを知り、溜飲(りゅういん)が下がる思いがする。
 自分が無罪だと信じる事件に無罪判決を下しただけなのに、転勤させられたり、刑事事件から外されることを覚悟しなければならないとは…。
 先程、原発運転一時差し止め訴訟の裁判で住民側の訴えを認めた地裁判事を思い出す。2カ所の地裁の住民勝訴は、判事が飛ばされ(左遷)逆転敗訴となった。先日の四国電力伊方原発の運転差し止めを求めた仮処分申請、住民の訴えは、広島地裁に続き愛媛地裁でも却下された。安全で安心と言い切る根拠と裏付けがあるとも思えない。権力に媚を売る判決がほとんど。事故が起きれば責任を取る?まさか。

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