2020年以降の地球温暖化対策を各国ごとに定めることを約束したパリ協定について、10月5日現在で、73か国が批准し、批准を済ませた国の温室効果ガス排出量の合計が56.87%となり、批准国数(55)と排出量(55%)の条件を満たしたため、協定は30日後の11月4日に自動的に発効される。
ところが、温室効果ガス排出量世界第5位の日本は、現段階で批准していない。1997年COP3の主催国で京都議定書を策定した国であり、先の伊勢志摩サミットで議長を務めパリ協定の早期批准を目指すとまとめた安倍晋三首相にとっては、面目まるつぶれの事態になっている。
今のままでは、日本は温暖化に対し消極的な国として、世界から蔑まされかねない。常に世界の中で日本の立場を高めに置きたがるナショナリストの安倍首相としてはあるまじき不手際だ。
まさか、米中、EUなど世界がこんなに早く批准するとは思っていなっかったのか。いみじくも安倍政権の外交力の弱さを露呈した。
ところが、こんな中でも安倍首相はそんなに焦ってはいないようだ。現在開かれている臨時国会の会期はあと50日以上あるので、今国会で批准を決定することになるかもしれないが、11月7日から18日までモロッコのマラケシュで開催される「国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)」まで間にあいそうにない。
COP22では、批准を済ませた国が集まって、今後の具体的な進め方などを論議するようだが、日本はこの会議に入ることができるのか、今後のこともあり、GDP世界第3位の日本のメンツもあながち無視できない。「関連:10月2日」