何でも前のめりの安倍晋三政権は、今度は原子力発電についても堂々と推進していくことを明らかにした。4月11日に閣議決定した新たなエネルギー基本計画は、電力会社が原子力規制委員会へ原発の再稼働を申請し、同委員会が認定したものについては、政府として再稼働を承認する方針だ。
また、原発の新増設についても含みを残した。加えて、核燃料の再使用についても認めていくと言うから、何のことは無い、福島第一原発事故が起こる前と基本的には余り変わらない状況になった。これで前民主党政権が立てた原発ゼロ方針は、完全に転換された。事故から3年。将来の原発比率も示さないままで「原発回帰」だけを明確にした。
安倍政権は、暫くの間、原子力を重要なベースロード電源と位置づけた上で、石油や石炭火力などの電源構成の最適な組み合せ(エネルギーミックス)を行い、原発反対の世論の状況を見ながら、再稼働が本格化し、原発への抵抗感が薄らいだころに、新設、増設に持っていく考え方だ。
もちろん、このような安倍政権の原発推進政策は、電力会社はもとより、経済界の要請に応えたものだ。また、原発の海外売り込みについて、先ずは、自国で再稼働をし、安全性のピーアールをしたいという思惑があるだろうが、海外からは、むしろ早期の再稼働については、いぶかしく思われる可能性もある。
福島第一原発事故の処理がままならず、核のゴミの処分場も決まっていないのに、国民の疑念を残したままの方針転換は、安倍政権の数のおごりを如実に示している。「関連:3月12日」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます