東京都の築地市場移転問題で、都が豊洲市場で実施した地下水モニタリングの最終9回目の調査(暫定値)で、最大で環境基準値の79倍に当たる有害物質のベンゼンと、検出されてはいけないシアンが計数十カ所で検出された。
今回の検査は、新たな業者により72か所で行われたが、予想をはるかに上回る悪い結果が出た。
これに対し、専門家はあくまでも地下の状態であり、直接その水を飲む分けではないので取り扱い食品などには影響しないという考え方と、あくまでも人の口に入る食品を取り扱う場所に基準をはるかに超える有害物質があることは芳しくないという意見に分かれている。
また、現築地市場業者間でも、早期移転を望む声と、このままでは移転に反対する声とに分かれている。
小池百合子知事は、これだけシビアな結果が出るとさらに検査を重ねて、安全性を確かなものにしない限り移転の決断はできない。と述べている。
しかし、今後いくら検査を重ねても、有害物質を取り除くなんらかの手段を講じない限り状況の変化は望めないのではなかろうか。
もともと、豊洲市場の敷地は東京ガスから東京都が購入したものであり、その段階で有害物質があることは分かっていた。
従って地下を何層かに埋め立てるはずだったのが、いつのまにか埋め立てを止め地下を空洞にした。その結果、地下に水が溜まりその中に有害物質があった分で、当然の結果と言える。
しかし、今更豊洲市場移転を止めることもできず、果たしてどのような形で移転まで持ち込むのか、小池知事は重い判断を下さなければならない。「関連:1月14日」