正さん日記

世の中思いにつれて

欧州中央銀行金利上げ、動かない日本銀行

2008-07-04 17:35:15 | 経済
 原油、穀物高が主たる原因で世界的にインフレが巻き起こっている。その中で、欧州中央銀行(ECB)が年4%の政策金利を0.25%引き上げ4.25%にすることが決まった。
 これに対し、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ圧力を背景に、6月下旬、9ヶ月間続けてきた利下げ局面に終止符を打ったが、既に金利は2%とかなり低い水準だ。
 日本は、日銀の政策金利が、長期に亘り変化がなく、欧米に比してガクット下がる0.5%のままになっている。
 
 こんどの欧州中銀の金利引き下げによって、日欧米の金利差はさらに開き、特にドル安がいっそう進むことにより、アメリカからの輸入物価を押し上げ、各国のインフレに拍車がかかる恐れも出ている。
 現在の物価高は、欧州平均で4%台、アメリカもほぼ17年ぶりの4%台が続いている。日本は1.5%になっているが、欧州はセオリーどおり、インフレ抑制のため利下げに踏み切ったのに対し、日米がこれに協調できない理由ははっきりしている。
 
 アメリカは言うまでもなく、サブプライムローン破綻による景気減速が拡大、雇用情勢も悪く、本当は金利を上げてドル安に歯止めをかけたいところだが、そうなると景気回復が遅れる恐れがある。
 日本は、0.5%の低水準で、欧州当たりに比べ一番金利引き上げを行う要素があるのに、日銀はいっこうに動こうとはしない。しかし、市場の長期金利は、住宅ローンなどかなり引き上げられている。
 物価も1.5%と、欧米に比べまだ低いとはいいながら、ガソリン、食料品などを中心に、かなり上がっている。
 
 それにもかかわらず、政策金利を上げないのは何故なのか。日銀の言い分は、いま上げても効果が薄いということだろうが、預金金利が上がるだけでも、日常物価の高騰に悩む国民には朗報になる。
 やはり日銀は、国債の利子負担を抑えたい政府や、かなりの収益を上げ、もうサービスしなくてもよさそうなメガバンクの方に目が向いている感じである。
 
 今回の欧州中央銀行の利上げが、インフレ抑制のためという正当性に対し、日銀の姿勢は、野党の指摘ではないが、いかにも政府と癒着した金利政策を固執しているように見える。
 また、日本の低金利資金が、世界中に過剰流動性となって、石油や穀物等の投機資金に使われていることは歴然としており、世界に対し責任を持つためにも、日銀は一刻も早く金利引き上げを行うべきだ。「関連:2月16日

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