民主党の代表を選ぶ選挙が18日(日)に行われるが、これに先立ち党員・サポーターによる投票が行われる。立候補したのは、抽選順に長妻昭元厚労相、細野豪志元幹事長、岡田克也元代表の3人だ。
メディアの調査では、細野氏と岡田氏が拮抗しており、両者に対し、国会議員と次期参議院立候補者による決選投票に持ち込まれる可能性が高いとのことだ。
3氏は、これまで地方へ支持を訴えるための遊説を重ねるとともに、メディア主催の討論会などで基本的なスタンスや政策、反安倍政権対応、他党との合併などについて持論を述べてきた。
基本的なスタンスでは、憲法改正については、3人とも持論を封じ、当面安倍政権の進める憲法改正には組まないと明言した。しかし、安倍政権がかわった後はどうするのか明確ではない。
安保問題では、目の前にある集団的自衛権行使容認については、細野氏は北朝鮮による脅威への対応、岡田氏は、強大与党に対して現実的な対応、長妻氏はすべて個別的自衛権で対応できるとしており、集団的自衛権行使を明確に否定しているのは長妻氏だけと感じた。
原発再稼働については、2030年までゼロにするのが民主党の公約だが、電力労組に遠慮してか3氏の中で再稼働に絶対反対すると断言したものはいなかった。
このように基本的なスタンスを見ると、政府・自民党に対する明確な対立軸は示せないようだ。殊に細野、岡田の有力2氏にはそれを感じた。これでは、誰が代表になっても、2大政党体制を復活させ、民主党が自民党に代わり政権復帰を可能にすることができるか極めて困難性があるように思えた。
安倍晋三政権は、来年度税制改正や、社会保障予算案の中でも、大企業寄りの政策を露わにし、社会保障費などで生活困窮者を含めた弱者へは厳しい対応を行なう方針だ。
これに対し、民主党はあくまでも生活者側に立った政党であることをもっと明確に訴えるべきだが、3氏とも訴え方が弱い感じだ。
今回の代表選挙では、世代交代も1つの選択肢になっているようだが、世代交代を急いで党内の亀裂を招いては元も子もない。
まあ、あれこれ注文をつけても現状でやれることしかできないだろうから、先ずは新代表が今の民主党の停滞した雰囲気を一新し、国会内外で少しでも自民党との違いを理解してもらい、民主党の存在感を示すためにリーダーシップを発揮することを期待したい。「関連:12月27日」