逝きし世の面影

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優良証拠制 STAP騒動の理研や恵庭OL殺害冤罪事件

2014年04月28日 | 社会

(中国紙が報じた、韓国セウォル号沈没事故で海洋警察の説明に怒り、用意した文章を棒読みする警察幹部を殴る行方不明者家族の映像)

『恵庭OL殺人、再審請求訴訟』

北海道恵庭市で2000年に起きた24歳OL殺人で、懲役16年が確定した大越美奈子さん(43)の再審請求が4月21日棄却される。
事件では直接証拠は何も無く、状況証拠の積み重ねだけで裁判で有罪とされ最高裁で確定する。
被害者女性と犯人とされた大越さんとでは圧倒的な体格や体力差があったので犯行は通常では不可能なのです。(薬物や銃器の使用、共犯者の有無の特定が大事と思われる)
ところが、裁判では全てをすっ飛ばして『殺害方法や被害者の抵抗方法の如何によっては、非力な犯人が体力差を克服して自分に無傷で被害者を殺害することは十分に可能』とか、『殺意をもって、なんらかの方法で頸部を圧迫し、同人を窒息死させて殺害した』とか、不真面目そのもの。
確定判決文なのに、手抜きで『如何によっては、』とか『何らかの方法で』と事実認定をサボって少しも『確定』していない。
融通無碍、『何でも有り』といっているのと同じなのです。
これが『無罪』判決なら何の問題もない。
ところが『有罪』なので大問題なのである。(『確定した事実』が不明では、被告として反論・防御の方法が無い)
到底判決文の水準に達していない杜撰な代物で『無理が通れば道理が引っ込む』牽強付会の見本の様な『作文』である。
『何らかの方法』などの記述なら、何の責任も無い推理小説の筋書きとしてもお粗末である。
三文小説としても不出来すぎて、目の肥えた読者なら誰も買わない。まさに『金返せ!ドロボー』と叫びたくなるレベルである。

『科学的な客観的事実と判決文との致命的な齟齬』

農道で見つかった遺体はほぼ炭化状態で、弁護側は豚を使って再現実験を行って10リットルの灯油を一回まいただけでは不可能と断定。弁護側の燃料を途中で供給したとの主張には、『体の脂肪が燃焼して長時間燃え続けることがある』と反論して有罪にしてしまう。
人間の体の7割は水分なのですよ。雪道のぬかるんだ農道での野焼きで人間が蝋燭化するとの、とんでもない妄想裁判である。
すべての物事の最終的な正誤の判断は裁判官ではなくて『科学』が受け持っている。
どれ程法令や形式的に整っていて『正しい』としても、客観的な科学的事実と違っていれば自働的に『間違い』なのである。
エジプトなど砂漠地帯でも北海道恵庭市のように人間ロウソク化など起きない。(寝煙草で火が燃え移るのは寝具であり、人間自体が燃えた前例は無い)
絶対に『有り得ない』のである。
燃焼工学の専門家は、『灯油をまいて着火した場合、約30秒後に炎が最大となり、3分後には炎の高さは半分となり、10分後には肉眼では炎が見づらいほど小さくなる』。
検察は大きな炎が半時間後にも起きていた目撃証言やガソリンスタンドの防犯ビデオなど被告のアリバイを立証する証言や証拠を隠していたのである。警察や検察や裁判所の違法行為は明らかなのである。
しかるに、これだけ権力が無茶苦茶をやっても日本では誰一人怒らないが、社会正義の為には『お隣の韓国の真似をせよ』とは言わないが、私達日本人もせめて韓国人の100分の1ぐらいは権威や権力の無責任な横暴に怒る必要がある。

『冤罪の温床、日本国の恐怖の最優良証拠主義』

日本では袴田事件など冤罪が絶えない原因ですが、マスコミなどが報道するように密室での取調べによる人質司法の影響が大きい。
早急な取調べ段階の可視化が必要なのですが、もう一つ、もっと重大で根本的な問題が日本には存在している。
ところがマスコミ報道によって、人質司法の問題点は広く知られているが、何故かもっと大問題である『優良証拠制』については誰も語らない。
被告や弁護側は検察や警察提出の証拠を基にして、『真実は何であるか』と裁かれるのですが、我が日本国の検察側は裁判とは、被告を有罪にする為の儀式とかゲームであると考えているらしい。
しかも日本では司法の『判検交流』を積極的に進める法務省の方針で裁判官と検察官の垣根が限りなく低い。
本来なら主権者である国民に対して、司法(検察権力)が一方的に自由を奪っているのですから、欧米の裁判では日本とは逆で、『検察を裁く』(少しの疑いも違法行為も無いと証明する)ものなのです。
ところが驚くことに日本の裁判制度では、被告を告発した検察側には集めた全証拠を裁判で提出する義務が無い。
検察側は、有罪に繋がる(被告側には不利な)検察に都合の良い証拠の提出だけを行う『優良証拠制』なるものが有り、構造的に幾らでも冤罪が生まれる『仕組み』なのです。
日本以外(グローバルスタンダード)では、これは明らかな違法行為なのですよ。
警察・検察と弁護側では圧倒的な情報量の差があり、今の様な証拠の部分開示では被告は無罪が立証出来ない。何とも恐ろしい話である。
集められた全証拠の全面開示は、裁判の正当性の為には必須要件なのである。
警察が今まで集めたデータは全部、良いものも悪いものも、選別せずに全部を裁判所に提出するのは、真実を突き止める為にはイロハのイ、民主的な裁判の絶対原則なのです。
(司法権力が独占する証拠類は、検察のものではなく国民全体の共有財産である)
ところが、我が日本国だけは最優良証拠主義で、被告に有利なもの(検察に不利なもの)は最初から出さない。
だから刑事事件では99・9%有罪になるのです。日本国の裁判制度では無罪にはなりようが無い。

『研究者が資料を勝手に取捨選択する理研の優良証拠制?』

理研の見苦しいSTAP細胞疑惑ですが益々悪化している。
今度はSTAP細胞を巡る問題で、小保方晴子研究ユニットリーダーが捏造などの不正行為を行ったと認定した理化学研究所の調査委員会の石井俊輔委員長が、自らの論文で画像の切り貼りが行われていたと指摘され、委員長を辞任する 。
日露戦争で戦死者の倍近い脚気による病死を生み出した張本人の森林太郎(鴎外)陸軍医務局長が、戦後に陸軍省の設置した脚気病調査会の委員長に就任したのと同じレベルであり、もう無茶苦茶です。
STAP騒動の原因ですが、これは理研などの最先端科学の分野でも安易に、日本独特の最優良証拠主義が行われているのですよ。多分。
実験では自分の唱える仮説にとって、当然ですが良いものも悪いものも両方が出て来る。
ところが理研では『良いもの』だけを選別して、世間に発表しているのでしょうが、これでは駄目ですね。これでは今後も、幾らでも同じ種類の間違いが発生するでしょう。
データの改竄(生データの加工)が、何の抵抗も無く行われている現状ですが、そもそも日頃からデータの選別を日常的に行っているので、その延長線上でデータそのものまで手を加えても『違法行為である』との認識が無いのです。
悪いもの(不良品)を除いて、『良品だけを選別する』との発想は日本人が最も得意とする、大量生産の『製品管理』の手法としては正しい。
ところが、裁判の証拠品とか科学実験のデータの場合は根本的に間違いである。
選別なしの生データこそが意味があるのです。選別とか加工して仕舞ったのでは資料として終りなのです。
今まで自分が考えていた『正解』以外の、他の別の観点からは『悪いもの』と看做されていた方が実は正しくて『隠れていた真実である』など逆転現象が起きて、世紀の『大発見』が生まれて来る場合がある。
『間違い』とは悪ではなく、科学にとって進歩の原動力にもなりうる大事なものなのです。

『二足のワラジ』

小保方博士一人の責任にしてトカゲの尻尾切りする作戦は大失敗しているのですから情けないにも程がある。
科学論争の筈が、『コピペが悪い』などと科学を知らない善良な日本的市民の一般常識の無知に付込んで、インチキした理研幹部が自ら墓穴を掘った。
大学教授とは自然科学の専門家(科学者)である前に、教育者であり管理者でもある。
科学的には何ら問題ではないが、教育者とか管理者としてはコピペは学生が論文を理解できていなくても可能なので不味いのです。教授が学生に『コピペ禁止』を言うのは教育的な観点からなら頷ける。
理研幹部も、科学の研究者と管理者という全く別種類の『二足のワラジ』を履いているのです。
今回ですが理研は政府が進める特定国立研究開発法人の指定で無理をしたのでしょう。
4月9日菅義偉官房長官は『特定国立研究開発法人』への理化学研究所の指定を当面見送ると言い出した。
明治時代の外国人講師には、日本人の閣僚以上の報酬を払って海外から集めていたのです。
理研のES細胞の権威の笹井副センター長の年収は1200万円程度、世界的頭脳を海外から集める為にはアメリカのように日本の数十倍払う必要がある。現状が低すぎるのです。(リーマンブラザーズ社員の平均年収は6000万円以上の高給とり)

『優良証拠制を唯一報じた毎日新聞記事』

日本の誰も語らない恥部(タブー)である極秘の『最優良証拠主義』であるが毎日新聞が『記者の目』の署名記事で極簡単に報じていた。
警察が有罪となる物的証拠を擬装した袴田死刑囚の冤罪事件での再審開始の裁判で、この日本独自の『優良証拠制』を、苦心惨憺、何とも婉曲な表現方法で書いている。(余程注意しないと、意味が判らない)
袴田事件の再選請求の裁判官は、訴訟指揮で主体的に振る舞い、今まで警察の隠してい証拠類の開示に成功した顛末が毎日新聞の記事になっている。
毎日紙の指摘の通りで、開示された新証拠で裁判官は、無罪に繋がる再審請求を認めるのですが、『今までの、本裁判では検察が被告に有利に働く証拠を全部隠していた』との、本質部分については一言も語らない。
再審請求の裁判だけに限定した、はなはだ逃げ腰の記事だったのです。(そもそも、今までの裁判が『優良証拠制』でないなら袴田事件では最初から死刑判決は下りていない)毎日の記事は正しいが、話の出発点が間違っているのである。
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2 コメント

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Unknown (裏金君)
2014-07-23 06:44:02
そもそも恵庭事件の指揮をとったのが
稲葉警部の元上司だという事はどうして報道されないんだ?
でっち上げの名人だぞ。
もっともその後退職させられたが
当日アリバイのない同僚男性従業員も数人いたのに・・・
本当は怖い『世界一安全な日本』 (宗純)
2014-07-23 14:12:09
裏金君さん、はじめまして。

この記事ですが『恵庭事件』は話のマクラには使っているが主題ではない。
メインの主張とはタイトルにもあるように、誰も論じない『優良証拠制』なのです。
我がニホン国ですが、ご指摘のように警察が事件が起きたときに直感で近くにいる一番怪しい人物を逮捕して、有無を言わさず犯人として有罪にすると言う手法を取っているのですね。
警察官の直感ですが、多くの場合は9割以上は正しいのですよ。だから日本国は世界一平和で安全なのです。
ところが問題は100%ではないことで、人間の判断なので時には間違う。
今のように日本が誇る優良証拠制では、副作用として幾らでも冤罪が生まれるのです。

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『お前たち全員が間違っているのだ』(今までが間違っていたのだ)とのオルタナティブな主張なのですね。
そもそも政治の世界は大悪党小悪党が跳梁跋扈する魑魅魍魎の禍々しい世界なのです。
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