4月7日、新自由主義で日本国を無茶苦茶にした政界無責任男、小泉純一郎元首相は、
「そろそろ大事な『何とか風』が吹き出したなあという気がする」・・・
と、「解散」という言葉こそ、使わなかったが次期衆院選について、こう予想した。
福田内閣成立後の初めての国政選挙、衆院山口2区補欠選挙(4月27日投開票)
での自民党候補の惨敗を予想していたのだろうか。?
補選は、初めての国民の審判と言う意味だけにはとどまらず、自民党にとって、山口県とは、単なる一地方の補欠選挙ではない重要な意味があった。
補選前、山口県から選出された衆参6名全員が自民党候補だった。
衆議院比例区でも、山口県が所属する 中国ブロック(定数:11)の選挙結果は自民5公明2で与党合計7に対して、野党側は民主3国民新党1で野党合計4でダブルスコアで勝っている。
これまで、歴代自民党首相を輩出した山口県では、自民党は圧倒的な強さを誇っていた。
小選挙区以前の中選挙区時代、山口一区、二区はそれぞれ定数4と5だったが与党が、それぞれ3と4を占めていた。
小泉政権成立直後の『2001年の参議院選挙の結果』
自民64 公明13 保守1 与党合計78議席
無所属3 自由6 社民3 共産5 民主26 野党合計 43議席
小泉政権下の『2004年参議院選挙の選挙結果』
自民49 公明11 無所属5 与党合計60議席
社民50 共産4 民主2 野党合計61議席
『2007年参議院選挙結果 』
自民37 公明9 無所属7 与党合計47議席
日本1 国民2 社民2 共産3 民主 60 野党合計74議席
『現在の参議院与野党勢力図』
与党合計105議席 野党合計137議席 で議席差32
政権成立時の『小泉フィーバー選挙』と、インチキ臭い『小泉郵政選挙』以外では全く勝てなくなった自民党だが山口県だけは例外で、ダブルスコアの連戦連勝を記録している。
2001年選挙区 山口県 選挙結果
氏名 党派 新旧別 得票数 当選回数
当 林 芳正 自民党 前 428,122 2
岩本 晋 民主党 新 178,071
魚永 智行 共産党 新 65,008
2004年 参議院選挙 山口県選挙区
候補者名 政党・新現元 得票数
当 岸信夫 自民・ 現 365462
大泉博子 民主・新 311851
吉田貞好 共産・新 44970
2007年選挙区 山口県 選挙結果
氏名 党派 新旧別 得票数 当選回数
当 林 芳正 自民党 前 419,947 3
戸倉多香子 民主党 新 267,670
吉田 貞好 共産党 新 52,587
2005年衆議院選挙結果
小選挙区 山口県1区 選挙結果
氏名 党派 得票数 当選回数
当 高村 正彦 自民党 148,912 9
北角 嘉幸 民主党 64,309
三村 真千代 共産党 20,059
山口県2区
氏名 党派 得票数 当選回数
当 福田 良彦 自民党 104,322 1
平岡 秀夫 民主党 103,734 3
山中 良二 共産党 13,499
山口県3区
氏名 党派 得票数 当選回数
当 河村 建夫 自民党 118,412 6
三浦 昇 民主党 55,815
五島 博 共産党 16,124
山口県4区
氏名 党派 得票数 当選回数
当 安倍 晋三 自民党 137,701 5
加藤 隆 民主党 36,847
木佐木 大助 共産党 12,499
山口県では平岡秀夫候補以外の候補者は、当選している自民党候補に対してダブルスコア以上の惨敗を喫している事実が伺える。
これでは選挙ではなく、自民党議員に対する信任投票で、全く選挙の体をなしていない情けない有様である。
唯一、山口県で選挙らしい選挙が戦える民主党候補平岡秀夫氏に対して、自民党は
3月3日、山口県出身で、内閣官房地域活性化統合事務局長の山本繁太郎氏を擁立する。
補選をめぐっては、山口県選出の林芳正、岸信夫両参院議員のくら替え出馬が取りざたされたが誰も引き受けず、結局道路特定財源や、耐震偽装問題で問題の多い国土省エリート官僚の山本繁太郎に決った経過が有る。
何やら、沈む船からネズミが逃げ出す有様に似ている。
自民党は最初から敗戦を覚悟していたわけではないが、常勝の選挙区で、あえて勝てる候補を選ぶ思慮が既に無くなっていたことが伺える。
歴史には後から、『あれが転換点だった』と言われる事件が、しばしば起こっている。
ミッドウエーで一度だけ惨敗した無敗の日本海軍は、それ以後は二度と勝つことは無かった。
常勝を誇った日本帝国海軍が最初に負けたミッドウエー海戦の様に、常勝の山口県の自民党が最初に負けた国政選挙、山口2区補選が正に『歴史の転換点』なのかもしれない。
この補選では自民党がこれまで一度も負けていない郡部でも18,814 対18,888 の僅かの差だが負けている。
都市部では 75,590 対97,460 と大きく負け越し、結果的にこの差が勝敗を決定付けた。
sun.ap.teacup.com/souun/333.html
広島県も典型例で,西の安芸と東の備後に分かれていて,広島空港や新しい広島大キャンパスは安芸と備後の境目から安芸寄りにある「西条」(東広島)にあり,山陽本線は安芸と備後のちょうど境目の白市駅で広島行きと岡山行きとに分かれている.時刻表を見ると分かるが,山口県や広島から岡山へ直通する電車は8両編成でほんの数本しかない.
西条というと酒どころ,白い土蔵が並び,農学部のない広島大は工学部の学生を酒造メーカーへ送り込んでいる.広島2区と言えば木偏にホワイト,柏村武揚の地盤である.中国放送のアナウンサー時代は中立公平だったが,フリーになったとたん,極右の本性を出し,前回の総選挙ではそれが仇になって落選した.
反対に備後と言うと進学校で名を馳せる広島大附属福山高と,鞆の港にある広島大水産学部(今は名前が変わってる)がまず頭に来る.ここは前回の総選挙で刺客候補に大きな差を付けて当選した亀井静香の地盤でもある.尾道に新幹線を停めたのも彼の政治力だ.
あまり書くと長くなるので広島県だけにしておきますけど,とにかくまぁ,保守王国はなかなか崩しにくい.一番難しいのが山口1区の高村大臣でしょうね.彼は自民党法曹団幹事長 (山口地裁の近くに法律事務所がある) として細川内閣を潰した経験もあって,親父さんの特高を造った犯罪など,地元ではすっかり忘れられているようです (だから民主党候補は段々と票が取れなくなっている.元官僚の大泉さんの時が最高で,この時共産党が自由投票に回ったら高村氏は確実に落選していた).高村氏を叩き潰せば,山口県の保守王国はドミノ倒しに倒れるでしょう.
10ヶ月前の参議院選挙で、日本国内で自民党が多数派でないことが証明されました。
殆ど全敗した参議院一人区。しかし唯一、山口県だけは自民党が多数派だったんですよ。
今回その山口県の完全敗北は、単なる一補欠選挙以上の意味が有る。
任期いっぱいでも来年9月ですが、幾等なんでも今度は自民党のイカサマ小泉改革のマヤカシが効かないでしょう。
悪政の限りを尽くした自民党公明党がどれだけ負けるか、今から楽しみですね。
これからも、宜しく御願いいたします。