逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

政治介入fromアメリカ(前原クリントン日米外相会談)

2010年10月10日 | 東アジア共同体

『突然今までの経緯を忘れた日本の政府とマスコミ』

今の日本のマスコミの論調で気になったことですが、今回の尖閣中国漁船衝突事件は『中国が急に強硬になった』から起きた事件ではありません。
其の正反対で『日本が急に突然強硬になった』為に起きた騒動ですよ。
反戦ビラの配布で集合住宅の公共部分に立ち入った人を住居不法侵入で逮捕したり、共産党のビラ配布の下級公務員を今までの慣例を無視して突然公務員法違反で逮捕した事件の国際版であるから、今回中国当局は怒っているのです。
今までは注意するぐらいで穏便に済ましていたが突然海保の巡視船がわざと相手の船にぶつけて拿捕しようとして騒動になっているのです。
海上保安庁の所轄大臣である前原誠司が尖閣列島を視察した直後に衝突騒動は起きており、事件後にも漁船を拿捕した海上保安庁巡視船などの現場当局に対する激励を行ったとの報道もある。
日本政府の主張である、船足が遅い中国魚船が高速の海保の巡視船にぶつけたとは『言いがかり』に近い話で外洋の現状を知らない妄言です。
海は広いのですよ。(拿捕の意思がないと、普通はぶつかる危険性のある距離には近づかない)
日中双方の話がかみ合わない原因は、この視点(突然方針変更した日本の海保)が無いからではないでしょか。?

『中国の問題点』

何も私がこの連載記事で、『中国は民主国家である』とか『中国の言い分は正しい』と主張している訳ではありません。
中国が61年前に血で血を洗う激烈な内戦に勝利して建国された軍事国家であることは明確な事実で、中国の最高実力者だった小平は国家主席でも党主席でも無くて、単なる中国共産党の下部組織の一つである軍事委員会の主席にすぎなかったのですね。
シビリアンコントロールの意味が、そもそもの原始的な意味で使われており、中国では国家の上に軍部があるのですよ。
軍がまず先にあって其の後に『国家』が存在している構造ですね。
ただこれは中国独特の制度ではなくて、もともとのプリミティブな国家の構造であるのですよ。
中国は歴史は長いが『国家』としては半世紀程度なので『出来立ての新興国家』とも解釈出来て、日本や西欧のような色々な装飾品で本体が見えなくしていなくて、丸ごとのプリミティブなおぞましすぎる国家が見えてしまい、周りのみんなが不愉快に成るのですね。

ただ、中国の問題点は中国人にとっては大問題ですが、日本人の我々にとっては所詮外国の話であり、一番問題なのは直接関係する日本政府の問題であるのですね。
中国と日本の『何れの問題点が大きいか』の比較の話ではなくて、日本の市民にとっての論議すべき問題点とは日本政府の問題点であるのです。
日本政府が突然、何らかの理由で方針転換して今までに無かった強硬姿勢に転じたとしたら、見過しにすべきではありません。

『時期が悪すぎる』

10年前程度昔であれば日中の力関係は大きな違いがあり、今のような日本側の一方的な方針でも中国としては強く出れない弱みが存在していたが、デフレ経済で縮小する日本と二桁成長で拡大する中国とが現在ではGDP規模が同等になり、その分中国の存在感や影響力を増している。
人も金も物も技術も全てが自由に国境を越える新自由主義の最大の恩恵を受けた中国と、それとは対照的に最大の損害を出した日本は今ではGDP比の経済規模が同じ程度の大きさになり相互の経済交流も最早引き返せない地点にまで深まっているのです。
日中双方は互恵関係にあり、特に日本にとって輸出入の最大相手国で4分の1の大きさの中国はGDP規模においてそれ以外のベトナムやモンゴルなどに置きかえれる状態ではない。
ところが中国にとっての日本は8%なので、大きな大きな影響があるのは事実ですが、『日本にとっての中国』の存在とは、影響力が何倍も違いがあるのですね。
最悪日中が日本と北朝鮮の関係のように鎖国状態(全面経済封鎖)に成れば日本経済は壊滅的な打撃を受けるが、中国側は日本の8%を他の欧州やアメリカ、韓国に振り向けることが可能であるのです。

『マッチポンプ前原誠司』

そして、今回の騒動の火付け役は間違いなくアメリカのネオコンと気脈を通じて『中国脅威論』を煽ていたアメリカ命の前原誠司ですよ。
今回の日中の紛争で一番徳をしそうなのも矢張りアメリカです。
また中国人船長釈放も、実はアメリカのクリントン国務長官の指示であったとの報道もあります。
23日のクリントン前原の日米外相会談の話ですが、前原誠司大臣の『アメリカが尖閣列島は安保の適用範囲云々』の記者会見の信憑性は限りなくうそ臭いですね。
何故なら、これに対応するアメリカ側の発表がまったく無いのですよ。
それどころか翌日の24日の当然の中国人船長の釈放を『歓迎する』との声明を発表しているのですから、アメリカ(クリントン)からの『釈放せよ』との圧力が有ったとも考えられる。
日米外相会談のあった23日の内に急遽外務省職員が検察の会議に出席して状況説明をしたのであの『日本人の安全』だとか『日中関係』だとかの那覇地検の丸まるの外務省官僚的な『外交発言』が出たのでしょう。
それにしても前原外務大臣の『法律(国内)法に則って粛々と』は法務大臣名なら問題ではないが、海外との色々な折衝や調整を行う外務大臣の職務放棄に近い暴言ですよ。

これを裏付けるように10月7日の毎日新聞コラム『木語』で金子秀敏専門編集委員が『政治介入フロム米』と題して、
23日の日米外相会談でアメリカのクリントン国務長官が日本が逮捕拘束している中国船船長の釈放を『今日中に』行うように前原誠司外務大臣に『この問題は速やか(soon)に解決されると、望んでいる』と、オバマ大統領とASEAN10ヶ国首脳との会談の24日に間に合わせるように政治介入したと報じています。
アメリカとしては自由航行権が最優先なのでしょうが、日米の時間差を考慮すると、那覇地検が『日中の事情や日本人の安全』など政治外交判断での中国人船長釈放の記者会見は24日午後ですがニューヨーク時間では24日未明なので、アメリカ側要求にはぎりぎり間に合うタイミングだったらしい。
中国からは幾ら強硬に抗議されても、閣僚級会談の停止や中国人観光客の日本渡航の中止やレアアースの通関の停止など次々と対日圧力をエスカレートさせて最後にはとうとう船長拘束に対向して日本人を拉致拘束されても全く動く気配が無いばかりか『国内法で粛々と』としか言わなかった日本政府ですが、一言アメリカに命令されたら即座にその日の内に『国内法』をひっくり返して、アメリカの言い成りに行動する有様は独立国の政府などと言える水準には無くて、単なる米国のパシリ(使い走り)程度であると諸外国からは見られるであろう。
処分保留で釈放するなら最初から逮捕するべきでは無いが、日本側としては中国の愛国心(反日感情)が高揚する満州事変勃発(柳条湖事件)記念日の9月18日に張本人の前原を外相に抜擢して、逮捕期間を再延長までして長期間拘束したのだから最悪のタイミングでの釈放である。
騒動を煽るだけ煽った挙句に『無条件降伏』に近い屈辱的な決定をしたのである。
そもそも歴史的な経緯で、逮捕拘留すれば相手側が激高し大騒動になるのは判り切った一般常識であるのです。
それなら前原は意識的に日中両国の誰もが得をしない(双方が損をする)ように行動したことになるが、何の目的であるのか。?
それ以上に問題なのは、今回のように日中両国が抜き差しなら無い困難な緊張状態に陥って日本政府としては解決不能になっている時に、アメリカの一言で即座に日本が動き解決するとは、これ以上に国辱的な話は無いでしょう。


(資料)
『木語:政治介入フロム米=金子秀敏』毎日新聞 2010年10月7日 東京朝刊

中学で習った英単語のsoon(すぐに)とは何時間以内のことか。9月23日、日米外相会談で米国は「今日中に」の意味で使った。

 場所はニューヨーク。異常な状況だった。日本は尖閣諸島沖衝突事件で中国人船長を逮捕、拘置中だった。やはりニューヨークにいた中国の温家宝首相は「主権と領土で屈服妥協しない」と船長の即時釈放を激しく迫っていた。

 前原誠司外相は「日本の国内法に基づいて粛々と対応する」と強腰だった。船長の拘置期限の29日まで身柄拘束が続くとみられていた。

 会談のなかでクリントン国務長官が言った。「この問題はすみやかに(soon)解決されうると望んでいる」--解決とは船長釈放だ。長官は中国を怒らせたくなかった。

 24日まであと何時間あるか、長官は計算していたはずだ。オバマ大統領と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国首脳の会議が始まるのである。その前に船長を放さないと、ASEAN首脳たちは中国の顔色を気にして共同声明に「南シナ海」の文字を入れることを拒むだろう。クリントン長官は7月、ベトナムで開かれたASEANの会議で「南シナ海は米国の国家利益である」と宣言していた。

 中国が先に「南シナ海は核心的利益」と言った。南沙、東沙、西沙などこの海域の島々の大半を中国領であると主張してASEANの国々と対立している。「核心的利益」とは、絶対に譲れない安全保障上の国家利益のことだ。

 米国は、南シナ海への中国の軍事進出をけん制したかった。そのために、自由通航権の確保などをかかげてASEANとの協力枠組みを作ろうとしていた。そうなれば南シナ海で米国と中国の軍艦がにらみ合う事態になるかもしれない。尻込みするASEANを説得して、やっと設定した米ASEAN首脳会議だった。

 だが、共同声明の草案を作っている最中に突然、尖閣問題で日中関係が険悪になった。荒ぶる中国の顔は、明日は自国に向けられる。ASEAN各国は、共同声明に南シナ海の文字が入ることを認めなかった。米国からすれば「南シナ海」の入らない漠然とした共同声明では意味がない。

 だからsoonとは「24日になる前に」だ。それまでに中国の怒りをおさめてくれという高度の政治介入である。

 那覇地検が「中国人船長を釈放する」と緊急記者会見を開いたのは24日午後。日米の時差を考えるとニューヨークは24日の未明。米ASEAN首脳会議にはぎりぎり間に合ったはずだ。が、結局「南シナ海」の文字は入らなかった。(専門編集委員)



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9 コメント

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Unknown (尼)
2010-10-10 04:22:47
初めまして、いつも、なるほどと思いながら読ませて頂いております。

今回の尖閣拿捕事件についても歴史的な観点に遡って一方的に観るのではなく。冷静に論じられおられるのに感銘を受けます。

さて、前原という人物ですが。とにかく野党時代からやたらと中国には強硬姿勢ですね。
以下 長くて申し訳ないですが野党時代の前原の記事です。

■攻撃意図なくても中国は脅威=民主・前原氏
 民主党の前原誠司代表は17日午前、党大会閉幕を受けて都内で記者会見し、自らが主張する中国脅威論について「(中国は)大きく言えば日本を攻撃する意図はない」としながらも、「中台問題でどういう事態が起きるのか。東シナ海の海洋権益の問題では(日中の)摩擦や衝突の可能性がある」と述べ、中国は日本にとっての脅威だとの認識を重ねて表明した。 
(時事通信) - 12月17日15時0分更新

■前原代表、米でシーレーン防衛拡大へ憲法改正を訴え
【ワシントン=東武雄】民主党の前原代表は8日午後(日本時間9日早朝)、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、日本に食糧やエネルギーを運ぶシーレーンの防衛について、「死活的に重要で、米国に頼る(日本周辺の)1000カイリ以遠についても日本が責任を負うべきだ」と訴えた。

その上で、「これを可能にするには、憲法の改正と自衛隊による活動および能力の拡大が必要になるかもしれない」と述べ、シーレーン防衛拡大のための憲法改正に積極的な考えを示した。

これに関連し、前原氏はシーレーン防衛の範囲について、「中東から原油を運ぶシーレーンはマラッカ海峡からインド洋、ペルシャ湾まで通じている。多国間協力の枠組みを作り、その中で日本も役割を果たすことが現実的だ」と述べた。

さらに、<1>第三国からのミサイル発射<2>周辺事態――などで日本に直接危機が及ぶ可能性のある場合は、「現在は集団的自衛権の行使と認定され、(政府が)憲法上行えないとしている活動について、(行使できるように)憲法改正を認める方向で検討すべきだ。集団的自衛権の行使は、日本の主体的判断に基づいて行われるべきだ」と強調した。

また、中国の軍事力増強・近代化を「現実的脅威だ」とし、中国が東シナ海で進めるガス田開発に対しては、「毅然(きぜん)とした対応が重要だ。(中国が)既成事実を積み上げるなら、日本としては、係争地域での試掘を始めざるを得ない」と語った。

在日米軍再編問題に関しては、「(神奈川県のキャンプ座間に移転する)米陸軍新司令部の機能と目的は、『極東』とする日米安保条約の地理的範囲を超えている。日米安保を再定義する必要も含めて、十分な議論が必要だ」と述べた。(読売新聞 12/9)

ここでも明確なのは「シーレーン」「中国は脅威」さらには尖閣について「係争地」という言葉を使っているのが引っかかります。
(前原には尖閣が係争地という自覚がある?)
この記事から5年近く経ち、その「争地地」の「海」で「中国」に対して「強硬」に出て何がしたいのか?
まさに「憲法の改正と自衛隊による活動および能力の拡大」と「シーレーン防衛拡大のための憲法改正」だと思いますが。
結果は頼みの綱の米国からは梯子を外され「ビデオの公開をする!」と大見えを切っても出来ず。フジタ社員解放の道筋を陰で作ったのは宿敵の小沢と。
永田メール事件の時同様に啖呵を切っても始末のつけられない男という現実を露呈させたわけですが。
野党時代とは違い国と国民の生命財産を脅かす結果になるようなことを独断でやってしまう外相など即刻解任させて欲しいものですが。
対中関係で弱腰批判を恐れる首相にはそれも出来ないでしょうが。(時期が悪過ぎる)
この人物を外相や国交省などにしたのが間違いで。非常に危険な話です。

幾つかのことを確認しなければならない。一つは、いかなる決議であろうとも、外国の議会が仮に採択をしたからといって、日本がこれに従う必要性は全くない。内政干渉は毅然とはねつけ、日本が主体的に判断を下すことが肝要だ。
http://www.maehara21.com/chokkyu/28.html

この文章全体では、まともなことを言っている(安倍や松原や河村ets…より)ようでいて、引用した部分は日本が戦争に突入した時に大方の指導者がこんな風に言っていたというのを想起させる発言です。
ことに「外相」の思考がこれであることに危惧を抱きます。
そして今回問題での前原のやり方や発言があるだけになおさらです。
永田メールを思い出す前原誠司の危うさ (一休宗純)
2010-10-10 10:30:01
尼さん、はじめまして。コメント有難う御座います。

民主党の前原ですが、政界一の軍事オタクの自民党の石破政調会長を連想しませんか。?
目つきがそっくりですよ。
石破氏ですが、本人の弁によると防衛大臣時代にプーチン来日時に執務室に飾ってあるプラモデルの中にロシア製兵器が無かったので徹夜で完成したとの話でしたよ。
実に真面目で、空想癖の安倍晋三なんかとは大違いで現実問題も可也の程度には正しく認識しているのですよ。
ところが矢張り何かが根本的に可笑しくて理解不能です。
石破氏ですが、沖縄海兵隊の意味は在留アメリカ人の保護が目的で、規模も実数は2000人であると左翼護憲派や、反戦民主団体以上にアメリカ軍の実体を正確に理解しているのですよ。
ところが、それでも沖縄海兵隊は抑止力であると主張しているのですよ。
この人、部分部分では実に正確で正しいのですよ。ところが全体の総合的な判断では根本的に可笑しくなるのですね。
戦術は熟知しているが戦略がまったくわからないタイプですね。
基本的に下級管理職程度の人材であり何かの大臣のようなみんなの上に立つ人物ではありませんね。
ましま (ましま)
2010-10-10 12:38:40
海上保安庁が事件を仕掛けたというのは、根拠のない憶測で、特捜部が描く筋書と同類になりませんか。

ビデオやレーダーの記録は、しかるべきところで公開されることを意識しているはずです。ただし、その方法は、中国の反応や「でっち上げだ」などの批判を考慮して慎重になるのは当然です。

クリントンのいっいているのは、「日本の施政下にあるところは安保の対象とする」という、条約本文にあることをそのまま言っただけで、そもそもニュース価値はありません。

仮に竹島のように中国が実効支配すれば、対象からはずれるわけで、一義的には日本が守備の責任を負うということです。

前原氏は、京大の卒論のテーマが中国関係で、決して無知とはいえません。集団的自衛権の解釈改憲はいただけませんが、単なるネオコン視は当たっていないと思います。

外相としては、彼の軍事知識を生かし、進路をあやまければ岡田氏よりましになると思います。
なるほど (尼)
2010-10-10 12:50:06
>民主党の前原ですが、政界一の軍事オタクの自民党の石破政調会長を連想しませんか。?

実に、よく似ていますね。

>部分部分では実に正確で正しいのですよ。ところが全体の総合的な判断では根本的に可笑しくなるのです

その通りです。石破氏の場合、米軍ですら金がかかり過ぎるだけで使い物にならないから止めようと言った。MDミサイルをさも百発百中の兵器であるように答弁していましたが。
軍オタの石破氏が、MDミサイルが到底実用に使える段階にないことなど知っているはずで。
米国の、作ったはいいが使えない兵器を日本に買わせようという圧力があって。
嘘をついているのか?と信用ならん奴という印象を強くしたものです。
「係争地」と自覚しながら無謀な真似をして「じゃあ、この後は、どうするんだ?」がない前原と同じですね。
特捜部と似ていた今回の日本政府 (一休宗純)
2010-10-10 14:45:32
ましまさん、コメント有難う御座います。

犯罪を暴くことが仕事のはずの地検特捜部が、実は無実を知っている村木厚子元局長を証拠を改竄してまで逮捕して5ヶ月間も拘束して裁判にまでかけたが無罪になる大スキャンダルが発覚しているのですが、
今度の騒動はまさにこれの国際版ですよ。
海保のビデオを見た仙石官房長官は逮捕を主張する前原誠司とは正反対に、『船長が否認していれば無罪の公算が高い』として逮捕に反対した。
ところがドイツ出張中の原理主義の岡田外務大臣が電話で『国内法で粛々と処理すべし』との、まったく外務上の大問題との認識の無い発言が通り、船長逮捕の結論になったとのことです。
日本人では長期拘留で脅せば間違いなく無実でも『自白』する。
ところが日本人でも村木厚子元局長であるとか、この外国人の船長とかは自白しません。
今回の様な漁船の衝突で、公務執行妨害は無理なのです。
これは例えばスピード違反の車と追跡したパトカーが接触事故を起こしても、公務執行妨害に問えないのと同じですね。
元々が無理筋なのです。
道路でも海でも同じで、警察であれ海保であれ、ぶつかるまで近づいたら駄目なのです。
だから捕まえるなら魚漁法違反(違法操業)でしか無理なのですが、今までは尖閣列島では日本は一回もこの法律の適用が無いのですよ。
今回が初めての長期拘留であるのです。
確かに2年前にも相手の台湾船船長を拘留した例はあるのですが3日で釈放しているのですよ。
しかもこの時は日本側の海上保安庁が正式に謝罪して御丁寧にも3000万円近い賠償金まで払っているのですよ。
ですから今回も船長の釈放後に厚かましくも中国側が賠償と謝罪を要求したのも、実は2年前の自民党政府時代の前例があるのですね。

日米外相会談後の前原発言は、仰られるように何らアメリカは新しいことをいっていないで『建前』を言っただけであろうと推測できます。
ただマスコミ相手の目暗ましで、あの発言が無ければ日米外相会談の翌日の船長釈放では『アメリカに言われたから釈放した』との事実が世間に余りにもあからさまになるので煙幕としての発言ですね。

>『外相としては、彼の軍事知識を生かし、進路をあやまければ岡田氏よりましになると思います』<
は、まったく同感で岡田外務大臣は最低ですね。
『法に則って粛々と』で済むなら、なにも外務省は入らないのです。
既に決まっている事柄や法律を粛々と行うのは政治家の仕事ではなくて、官僚の仕事なのですよ。
その点クリントンに言われて即、行動して釈放した前原の方が、まだしも政治的な判断を行っています。
普通の国なら (一休宗純)
2010-10-10 15:35:31
尼さん、コメント有難う御座います。

今度の騒動ですが、日中双方で誰も徳をしたとは思われないのですよ。
日中双方が損をしているのですが、得に日本側の損の方が大きいように思われるので、仕掛けた前原誠司は民主党代表時代の永田メール以上に悔やんでいるかも知れません。
表向きに日本は『尖閣列島は日本固有の領土で紛争地ではない』との態度ですが、実は本音では『紛争地である』と十分に認識していて『消極的な実行支配』しか行ってこなかったのです。
日本以外の国ではこの様な係争地の離島では灯台や飛行場の建設や自国民の常駐など何らかの積極的な行動をするものなのです。
ところが日本は正反対で全く何もしない。
誰もいない無人島であるので領海侵犯の違法操業も沢山の中国漁船が行っていたらしいのですよ。
これを現地を視察した前原大臣は憂いて『何とかしよう』と考えたのでしょう。
ですから発想自体はそれ程間違いでも無いし、常識はずれでもないのですが、如何せん稚拙すぎる。
前原ですが、将棋や囲碁で言えば自分だけの『一手先の読み』しか出来ていないのですね。
此方が一手指せば次には必ず相手が一手指すとの認識が欠如しているのですよ。
外交問題とは武器を使わない戦争行為であるのですが、旧日本軍と同じで開戦して敵を叩くまでは考えていたが最後の戦争終結までは全く考えていなかったのと似ています。
自分の指す『一手だけ』しか考えてはいなかったので酷い目にあったのです。
アメリカはこの正反対で開戦時には既に終戦後の日本の政治体制まで考えていた可能性が有るのですね。
政治とは基本的に3手先を読める人が行うものなのですが、日本にまともな政治家が一人もいないのでしょう。
起訴せず釈放するなら今回のように長期拘留ではなくて抗議があれば、即座に釈放するべきだったのです。
これなら日本側には一応逮捕した実績が残り、中国政府の顔も立ち、日中双方が得をしたことになるでしょう。
また何らかの自国が尖閣列島を実行支配している前例を作りたいなら、相手の抗議は予想の通りなのですからクリントンに何を言われても中国に次々と嫌がらせを受けても、どれだけ苦しくとも我慢して、やり続ける決意が無いと駄目なのですね。
日本としては最悪の結果になったと思いますね。
前原ですが、これでは筋が悪すぎて政治家とは言え無いでしょう。3手先の読みがまったく出来ないのですよ。
アラジンさん、はじめまして (宗純)
2010-11-25 17:19:41
今までの普通の日本の大人の常識では、誰であれ知識の無いものにには発言権も無いことぐらいは知っていた。
御自分の無知を公表するのは勝手ですが、ここは何を書いても良い伝言版でも2ちゃんねるでも無いことに注意して下さい。

海保の所轄大臣だった前原誠司が『中国漁船がわざとぶつかって来たのは明らか』とのマスコミでの言葉に惑わされている様です。
海保石垣保保安部の初期の説明のように、何時もと同じ様に、領海内であるから退去するように勧告したが中国漁船が巡視船にぶつかったとの説明はビデオでは明白に嘘である事が判った仕舞ったのですよ。
海は広いのですよ。
そして船にはブレーキは無くて一度動き出した船は慣性のエネルギーが大きいためになかなか止まらない。
海上保安庁が秘密扱いにしていた衝突ビデオを見れば明らかなように、
拿捕目的等が無いのに、あのような接触するような近い距離にまで近づいてはいけないのは常識で(海の知識が少しでもあれば)海保巡視船の明確な違法行為は誰にでも判るのです。
また、海の上は原則右側通行で、スターボード優先原則という右舷側を航行する船の優先が国際的に定められていて、具体的には船の左舷に赤灯、右舷に青灯をつけて航行しているのですが、相手の赤灯が見える位置の船舶に回避義務が生じる。
これが海上保安庁の言うように、基本的に海の上での衝突事故であれば、海難審判所や運輸安全委員会の管轄であるのですよ。
そして、その場合には海保の巡視船と中国漁船との関係は対等の衝突事故の当事者同士の関係であり、どちらが海洋航海法に違反していたかの話となるのですね。
例え海保の巡視船と言えども、海上自衛隊のイージス艦あたごと清徳丸との衝突、潜水艦なだしおと第一富士山丸の衝突事件と同じであり、海保の巡視船「みずほ」や「よなくに」の航海日誌やレーダーの記録、もちろんビデオ映像の差し押さを行い、できれば海保の巡視船の船長の逮捕などの強制捜査も行うべきであるのです。
何故なら、自衛艦の「あたご」や「なだしお」の衝突事件と同じ様に、もしも行き交い船同士の衝突事故であれば、(公務執行妨害目的の逮捕で無いと主張すると)二回の衝突では何れも中国漁船の左舷側にいたのは海保の巡視船なのです。
そしてあの尖閣海域では日本側は一回も拿捕を行っていないのですから、当然超強硬な扱いをすれば、今回のように騒動になるのは当然であるのですから、3重の意味で日本側に重大な問題点(過失)があるのです。
だからあの程度の普通のビデオの公開さえ出来なかったのです。
それにしても、松浦 晋也氏ではないが、あのビデオ映像を見て前原誠司と同じように『明確に中国漁船がぶつかってきた』(中国側漁船が悪い)と思ったとしたら、
君らの目は節穴で、君らの脳は空っぽだ。まったく情けない。この、バカ共が!
としか残念ながら言えないでしょう。

この尖閣列島の問題点の記事はシリーズになっていますが今回アラジンさんのような人の為に別のカテゴリー『中国漁船衝突事件』にしてまとめてみました。。
多分『国家が悪いことをするはずか無い』と信じているらしいアラジン氏の考えもしなかった事実が書いてあると思います。

143年前のいろは丸衝突沈没事件と中国漁船衝突事件
2010年11月20日
尖閣事件で馬淵澄夫国土交通相辞任を要求
2010年11月16日
流出ビデオの海上保安官と読売テレビとの同衾
2010年11月12日
中国漁船拿捕のビデオ流出と「転び公妨」
2010年11月08日
マスコミ報道とメディアリテラシー
2010年10月25日
尖閣問題でネットウヨ化する日本政府
2010年10月19日 | 東アジア共同体
天気晴朗なれど波高し(中国船拿捕の舞台裏)
2010年10月16日
「中国は悪しき隣人、法治主義なし」枝野幹事長代理
2010年10月05日
日本のサーカシビリ前原誠司(中国漁船衝突事件)
2010年09月30日
東シナ海、天気晴朗なれど波高し(中国漁船衝突事件)
2010年09月27日
遊漁船沈没。何時の間にか日本国が
2008年06月24日
台湾遊漁船沈没事故(東シナ海、天気晴朗なれど波高し)
2008年06月23日 | 中国漁船衝突事件
歪んだ自己顕示欲 (宗純)
2010-11-26 14:18:50
当ブログでは良好な環境維持の目的で、タイトルも名前も無いもの、あっても通りすがりや日本人の一人など個人を特定していないものは無記名と看做して塵コメントとして削除するローカルルールがあり、読者の皆様には面倒でしょうがご協力を御願いしています。
本来ならは最初の段階で削除対象なのですが、初めての投稿でもあり掲載したものです。

記事もコメントも読まない(読む能力が無い)標本にしたいようなネットウヨのお粗末な言説です。
論理的な思考が出来ない携帯中毒の知恵足らずが参加出来ないように、わざと長文の記事を書いているので、このブログには滅多に来ない種類のコメントで、その意味では面白い。
本来はタイトルの無い不真面目極まる無内容のコメントで、塵以外の何物でもないが、アラジン氏は自分で恥をかきたいようであるし、これ程素晴らしい典型的なネットウヨの見本も少ないので、このまましばらくは面白いので掲載しておきましょう。

それにしても、頑是無い子供であるなら仕方が無いが、恥ずかしくないのでしょうか。?
我が日本国では普通の大人であればこの様な無作法で無意味な罵倒や誹謗や嘲笑の類は自動的に『議論に負けた』となるのです。
ネットの仮想世界の劣化現象が可也の程度に進行しているのでしょう。
日本人が日本の文化を全く知らないのですから悲しいですね。
『少なくとも相手を罵った時点で論争や質疑は「負け」であると看做される』
というのは指摘されなくと極普通の日本人の大人であるなら弁えているはずの常識であったのですが・・・
この普通の常識が崩れだしたのはシナだとか三国人、ババア発言の石原慎太郎が三選された辺りからではないでしょうか。?
あるいは悪しきネット空間の他人(周辺の他国)を貶める手法で相対的に自己(日本国)を正当化する、いわゆるネットウヨが大増殖した結果でしょうか。?

この一連の記事には誰も知らない客観的な真実や科学的事実以外には何も付け足してはいない。
この愛国者?は日本国の『不都合な真実』には何の興味も無いのでしょうが、このような態度が国を滅ぼした歴史を知らないのですから情けない。
贔屓の引き倒しで、基本的に亡国の輩である。
まだ気が付かない様なのだが、 (宗純)
2010-11-27 08:18:25
元々このブログではタイトルの無いコメントは塵として削除対象なのだとわざわざ注意したのだが、日本語の文章が読めないアラジン君には一定限度恥をかいてもらいましょう。

この人物は長文の読解力が無いだけでなく、自分の書いたものさえも読んでいない。(海洋の一般的な基礎知識さえないのは勿論だが)
この一連の記事で一貫して指摘していることは、
『衝突事件では無く、拿捕事件である』
なのですよ。
日本政府が殊更強調している『どちらが先に』は些細な問題点であり、『拿捕が目的である』との趣旨が理解出来ない。

『突然海保の巡視船がわざと相手の船にぶつけて拿捕しようとして騒動になっている』

のブログ記事の記述が気に入らないのだが、いくらアラジン君が気にさわっても、これは仕方がないでしょうね。
この事実は、
私が憶測で書いたものでは無くて、海上保安庁石垣保安本部の発表なのですよ。
(海上での拿捕とは、わざと相手の船に船体を衝突させ強制接舷して乗りうつり逮捕するのです)
石垣保安本部は、一番小さな200トンの巡視船みずきの船首に緩衝材を取り付けて、衝突させて強制接舷し保安官が漁船に乗り移りエンジンを止めて拿捕したと発表している。
ですから、『嘘をつくな』と文句があるなら私ではなくて海上保安庁石垣保安部に文句を言って下さい。
ですから、
>あんた(海保石垣保安部)が言ってることが嘘っぱちだったと分かったわけだ。
さっさと訂正し、海保の皆さんに謝罪しろよ。<
になります。
御自分がどれ程、阿呆臭い主張をしているかが理解できていないのです。

『突然海保の巡視船がわざと相手の船にぶつけて拿捕しようとして騒動になっている』

との明確な事実が理解出来ない。(だから中国が強硬に非難しているのです。


『君らの目は節穴で、君らの脳は空っぽだ。まったく情けない。この、バカ共が!』
は、作家でジャーナリストの松浦 晋也氏の言葉ですからこれも文句があるなら松浦 晋也氏に直接言ってやってください。

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