逝きし世の面影

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NHK『被爆した両親から生まれた子供、白血病が5倍発症』(資料)

2012年09月09日 | 社会

『67年も経った後でわかってきた放射能被爆の実態』隠し続けた放影研

9月7日のNHKニュースのWEBサイトに『両親が被爆“白血病の確率が5倍”』と題する記事が掲載されている。
NHK記事によると、
>原爆の爆心地から2キロ以内で被爆するなど、(放射線)被曝線量が高い両親から生まれた子ども『被爆2世』は、親のどちらかが被爆した子どもに比べて白血病になる確率が5倍以上高いとする研究結果を広島大学の研究チームが発表しました。
調査結果は、広島大学の研究チームが、7日、仙台市で開かれた『日本放射線影響学会』で発表しました。
研究チームは、原爆に被爆した人から生まれた子ども『被爆2世』のうち、被爆後10年以内に生まれたおよそ6万3000人について、生後35年間、追跡調査をしてきたということです。
そして、(放射線)被曝線量が比較的高いとされる、爆心地から2キロ以内で被爆した両親の子どもは1326人のうち3人、また、原爆投下から3日以内に広島市に入り被爆(放射線被曝)した両親の子どもは2337人のうち7人が白血病になっていることが分かったということです。
これを親のどちらかだけが被爆した子どもと比べると、白血病になる確率が5倍以上高くなったということです。
研究チームの鎌田七男医師は『被爆2世への遺伝的影響はこれまで確認されていないが、今回の研究は影響解明の突破口になる可能性があり、今後も広島の科学者として研究を続けたい』と話しています。
原爆の『被爆2世』への遺伝的影響を巡っては、アメリカの『旧ABCC=原爆傷害調査委員会』や、その後継の日米共同の研究機関『放影研=放射線影響研究所』が、戦後まもないころから調査を続けていますが、白血病を含めて遺伝的影響は確認されていません。※(と一方的に『安全』と断定して敗戦後67年間も一貫して主張し続けていました)
(9月7日)
注、記事には『被ばく』と『被爆』(火偏)の二種類の異なった表記が有り、被ばくの方は日偏の『被曝』に改めています。
アメリカの旧ABCCや後継組織の放影研は原爆被害の公表には熱心ではなく、オークリッジ・リポートによって明らかとなった放影研に存在する広島と長崎で『黒い雨』を浴びた1万3000人分のデータの公表を求めているとの記事が、全国保険医新聞2011年12月15日号に掲載され、放影研は『黒い雨』のデータを一部公開しました。

『「被爆2世」の白血病で新研究』 

広島県内で、原爆で被爆した人から生まれた『被爆2世』について、両親とも被爆した人は、どちらかだけが被爆した人と比べて白血病になる割合が高かったことが、広島大学の研究グループによる調査で初めて確認されました。
この研究結果は、およそ12万人の広島県内の被爆2世について広島大学の研究グループが病院の診断記録などから調査し、3日、長崎市で開かれた研究会で発表しました。
それによりますと、被爆後10年以内に生まれたおよそ6万3000人のうち両親とも被爆していた人は1万4000人余りと4分の1以下だったのに対し、この中で35歳までに白血病になった49人のうち、両親が被爆した人は26人と半数を超えていました。
父親か母親だけが被爆した人と比べ、明らかに高い割合で白血病を発症していることが初めて確認されたということです。
被爆の遺伝的影響は、日米共同の放射線影響研究所などが終戦直後から行ってきた調査では確認されておらず、今回の研究がその解明に役立つと注目されます。
研究グループの鎌田七男名誉教授は『遺伝的影響があるかどうかすぐに結論は出せないが、影響の解明に必要なデータの提供はできたと思う。今回のデータを活用してさらに研究を進める必要がある』と話しています。
被爆2世の遺伝的影響の研究
原爆による被爆2世への遺伝的影響を巡っては、アメリカの旧ABCC=原爆傷害調査委員会や、その後継の日米共同の研究機関、放影研=放射線影響研究所がこれまで調査してきました。
戦後まもない昭和23年に始められてからこれまでに出生時の障害や、染色体やDNAの異常、がんの死亡率や生活習慣病などについて分析が進められてきましたが、被爆2世への遺伝的影響は確認されていません。放影研では『被爆2世は、比較的若いため、今後も影響が見られないとは言い切れない』として現在も調査を続けています。(2012/6/3 NHKニュース)

『巨大な放射能実験場としての福島県と日本国民』

信用度の高い世界的な権威がある英科学誌ネイチャーの8月10日記事(琉球大の分子生理学研究チーム)は、昆虫は低線量の放射線に強いと言われていたが原発事故から2ヶ月後の5月の時点で蝶の異常率は12%、健康な個体と交配した2世代目の異常率は18%、3世代目では34%に上昇した。
異常率が親の世代よりも子世代の方が1・5倍高い発生頻度だった。
事故から6ヶ月後の9月時点では子の世代の約5割で異常が見つかり、5月調査時の18%よりも一層厳しい異常が発生していた。
対照群として事故による放射性物質の影響がほとんどない沖縄の蝶の幼虫を福島県の草で育てると、福島と同じ異常がでる。
福島第一原子力発電所から放出された放射性物質による、低線量の内部被曝で生理的かつ遺伝的な損傷をもたらしている事実が科学的に確認された。
原爆を投下したアメリカの旧ABCCは『放射能は遺伝しない』と67年間も一貫して大宣伝していた。
『放射線』には電離作用があり、物質の基礎単位である『原子』の原子核を回っている電子を軌道から吹き飛ばして(電離)イオン化したり、励起(Excitation)してエネルギー的に興奮状態になり不安定化させる。
間違いなく放射線被曝は細胞内のDNAを傷つける。
アメリカの旧ABCC(現放影研)がいうように確かに放射能は遺伝しないが『DNA情報』(遺伝子)は必ず子孫に遺伝するのです。

『喫煙による放射線被曝の公表』

信用度の高い科学誌ネイチャーに琉球大の分子生理学研究チームによる『放射線線被爆で蝶の異常率』の記事が掲載された同時期に、厚生労働省はタバコの放射性物質ポロニウム-210被曝を初めて認める資料を提出している。
厚生労働省によると、タバコを1日1・5箱を吸う喫煙者の放射性物質の被曝量は、年80ミリシーベルト。
放射性物質のポロニウムは、タバコに含まれ、吸い込まれたポロニウムは気管支分岐部に集中的に沈着し、α線による内部被爆を引き起こす。
ニコチンやタールなどの有害物質を除去するタバコのフィルターでも、放射性物質のポロニウムは除去出来ず、ほとんど全部(97%)がフィルターを通過する。
今まで日本政府(監督官庁)が『喫煙による被爆』を表に出さなかったのは、国民の健康被害よりも旧専売公社とか現JT社の『利益や税収を最優先していたから』でほぼ間違いないだろう。
今回は背に腹は代えられず、『原発事故よりもタバコの葉のポロニウムの影響の方が大きい』として、東京電力や日本政府の莫大な損害賠償責任をいくらかでも軽減しようとする厚労省のよこしまな隠された思惑が考えられる。

『2012年8月30日付け 読売新聞記事』

アメリカ命の対米従属が全ての判断に優先する産経と共に今でも原発推進と放射能安全神話の宣伝を行っている読売新聞のタイトルは刺激的な『内部被曝の人々、極力結婚するな…生態系協会長』と、なんとも挑発的である。
公益財団法人日本生態系協会(東京都豊島区)が7月9日に都内で開いた『第12回日本をリードする議員のための政策塾』で、池谷奉文会長(70)が『内部被曝、これがどうしようもないんでございまして、放射能雲が通った、だから福島ばかりじゃございませんで栃木だとか、埼玉、東京、神奈川あたり、あそこにいた方々はこれから極力、結婚をしない方がいいだろう』と発言したとして、福島市議会の佐藤一好市議らが『我が耳を疑った。到底容認できない』と強く批判8月29日、訂正を求めて記者会見した。
池谷会長は読売新聞の取材に、『放射線に注意した上で結婚や出産してほしいという助言で、間違ったことは言っていない。現段階では訂正することは考えていない』と話している。
2ヶ月も前の政策塾の講演にあった『内部被爆の危険性』を指摘する内容に対して、感情的に噛み付く読売新聞や、福島第一原発事故の地元である福島市議会の市議会議員氏は、非科学的なアメリカの旧ABCCの『放射能は遺伝しないし危険でない』との邪で間違った『放射能安全神話』の政治宣伝を心の底から信じている(信じたいと願っている)のでしょうか。
それにしても福島第一原発事故から1年半後の今の時期に、NHKの『両親が被爆すると生まれる子供の白血病の確率が5倍』とか、ネイチャーの『蝶の異常は親の世代よりも1・5倍高い。6ヶ月後では子の世代の約5割で異常が見つかり、収まるどころか一層厳しい異常が発生』とか、厚生労働省による『タバコを1日1・5箱で年80ミリシーベルト』など驚愕的な恐ろしいニュースが連続しているのは何かの偶然なのだろうか。
偶然ではなく何らかの必然であるとすれば間違いなく、現在の日本列島では大きな地殻変動に近い異常な事態が『今まさに起きつつある』のではないかと推測される。

『放射線影響学会仙台大会 原発事故では発症まで4~5年かかる』
 
9月7日付け河北新報によると、放射線科学や環境測定の研究者らでつくる日本放射線影響学会の大会が6日から8日まで東北大内で開かれ福島第1原発事故に関する被曝評価や環境影響についての報告があった。
福島県立医大の大津留晶教授は、『原発事故に関連した疾患が発症するまでには4、5年はかかるとみられる。その前に健康に関するデータを集めることが重要だ』と指摘。
『低線量被ばくは安全だとの考えを押し付けてはいけないし、いたずらに危険をあおってもいけない。心身両面で県民への多角的な支援が求められている』と述べた。
大会長を務める東北大加齢医学研究所の福本学教授は、『原発事故の影響は今後も続く。有効な対策を見つけるために、研究者が科学的認識を共有することは意義が大きい』と話している。

『チェルノブイリ事故後の急激な人口減少』

『原発事故では発症まで4~5年かかる』との福島県立医大の大津留晶教授報告ですが、1986年に発生したチェルノブイリ原発事故の後に、ウクライナとベラルーシで起きた人口減少を参考にしていると思われる。
チェルノブイリ原発はウクライナとベラルーシ国境のウクライナ側に位置しているが、この2カ国は現在急激な人口減少に直面している。
ウクライナは1993年の52,179,000人をピークに2011年の45,665,281人まで率にして12・5%、人口で651万人も減り1966年当時と同じになって、国連報告で『世界で最も人口減少の激しい国の一つ』とされている。
人口減少はチェルノブイリ事故から4~5年経ってから新生児数が確実に減って反対に死亡者数が確実に増えたため。
ウクライナの人口減少の大きな特徴は事故現場のチェルノブイリを中心にして同心円状に人口減少が起きていることでしょう。
ベラルーシは(ウクライナと同じ年の)1993年の10,240,000人をピークに2010年には 9,481,000人まで率にして7・4%、人口で75万9千人も急激に減っている。
ベラルーシとウクライナの1960年代以降の総人口増減をグラフにすると人口数が違うだけで、カーブは同じ曲線となっている。
激しい人口減少に見舞われてたウクライナは1997年6月に、減少率がウクライナより少しましなベラルーシは2年遅れの1999年4月に厳しい食品放射線汚染制限を実施した。
安全基準の厳格化で食品からの内部被曝を少なくした効果は確実に現れていて、ウクライナやベラルーシでは今も人口減少に歯止めはかかってはいないが明らかな改善が見られる。
両国とも依然として人口は減り続けているが、最初に新生児の出生率の低下に歯止めがかかり4~5年遅れて死亡率にも歯止めがかかりはじめている。



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