逝きし世の面影

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どうしようもなく政治的な存在『天皇』

2009年12月25日 | 政治・外交、憲法と天皇制

『戦争』とは、平和憲法の下で64年間も一人の戦死者も出していない我々日本人一般が考えるような何か珍しい存在(特殊な極悪、国家の行う犯罪行為)ではなく、プロイセンの戦略家クラウゼヴィッツの著『戦争論』によれば『他の手段をもって行う政治の延長』のことなのです。
ですから政治と戦争とは異質なものではなく戦争イコール政治(政治=戦争)になる。
しかし、この論理が正しいなら『外交とは平時に行う国家間の戦争行為である』との見方も出来てしまうのです。

『絶対安全なトーチカに陣取り友軍に後から発砲?』

日本の大事な公的な行事である今上天皇と中国の次期国家主席最有力候補習近平副主席の会見予定日の前日のこと。
なんと、当の宮内庁の事務方トップである羽毛田信吾長官がこの日本国にとっても中国にとっても重要な外交的意味をもつ『天皇会見』が『天皇の政治利用に当たる懸念がある。』として、本来秘密であるべき内閣と宮内庁の遣り取りの内輪話を宮内庁記者クラブの記者団に暴露したから大騒ぎになる。
宮内庁の長官が『深い憂慮の念を示した』として、マスコミ各紙はこれに賛同する記事をそれぞれ大きく掲載して、『日中友好の外交問題』だったこの『天皇会見』問題が、途端に『政治上の一大問題』に一気に浮上してしまった。
これは日本国内にとどまらず海外でも、日本のアキヒト天皇(Akihito)と中国の習副主席の会見に関係官僚トップの宮内庁の長官が、『天皇の政治利用』『深い憂慮の念』と日本政府と官僚の内紛騒動として英フィナンシャル・タイムズやAP通信が掲載する騒ぎで、とんだ国辱行為である。
多くの日本人一般が正面から反論し難い『天皇陛下のお体が心配』との理由付けでの宮内庁長官の今回の『政治問題発言』は、極力みんなが其の事に触れない様に気を使っていた問題を顕在化させてしまった。
元々が『政治問題』の範囲に入っている(憲法の国事行為の規定に無い)皇室外交を一気に政治問題化させてたのである。
しかもこれ等の宮内庁の官僚による政治問題化は、『外交とは平時に行う国家間の戦争行為である』との位置づけなら、『後方からの友軍への砲撃』に等しい反国家的裏切り行為とみなされるのである。

『宮内庁長官の最善策は、』

今回のケースで、宮内庁の羽毛田信吾長官のとるべき道は以下の4通りが考えられる。
(1)ルール違反を理由に『職を賭して』でも断りきる。
(2)やむを得ず会見をセットして、内情は秘密にしておく。
(3)会見をセットするが天皇会見終了を待って、その後の適当な時期に内情を暴露し、再発を戒める意味で辞表を提出する。
(4)会見をセットするが、肝心の天皇会見前に暴露し、天皇、会見相手の中国副主席、日本政府の三者の面子を潰し、日本国の外交史上に一大汚点を残こすが、其の騒動の混乱の責任をとって辞職する。
番外(5)今回、羽毛田がとった行動。
(事前の内情の暴露で日本国や天皇御自身、相手の中国に打撃を与えるが、『暴露』は職務の範囲であるとして開き直り辞職を拒み破廉恥にも長官職に居座る)
(反戦塾によれば)
 1は、事情を説明すれば中国側も納得するはずだ。外務省もそのつもりでいたという。習氏にはまだ次の機会がある。天皇の政治利用を制限するのは、戦前の愚を繰り返さないためだ。したがって2と共に両国友好促進上最善の道であった。
 3はそれに次ぐが4は最悪。
日中両国に後味の悪さを残すマイナスだけで得るところがない。官僚としての職責を放棄した暴挙である。小泉元総理の信任を得て就任以来出過ぎた言動が多く、宮内庁長官をつとめられるような人材かどうか甚だ疑問である。
(反戦塾2009年12月14日 (月)天皇政治利用をめぐる醜態)

『日本の国益に最悪。国辱行為の宮内庁長官』

今回の宮内庁の羽毛田信吾長官の論理が正しいなら(1)が最善で、1>2>3>4の順番で悪くなる筈だ。
何故なら今回の宮内庁の羽毛田信吾長官の番外の(5)の対応は、日本政府の権威を貶め天皇の行った行為を貶め、日本国にとって近隣諸国の中でも最重要な中国との友好関係を邪魔する最悪な亡国行為で良い事は一つも無い。
この長官発言で、唯一宮内庁の権益だけは守れた。
まさに『省庁あって国家なし』で、官官接待ノーパンしゃぶしゃぶに名を連ねた厚生省キャリア官僚の面目躍如である。
反戦塾塾頭のましまさんは真っ当な日本の良識人の一人なので、1~4までの可能性を考えていて、『自分の言いたい事を喋った』(宮内庁の利益を守った)今回の記者会見後に羽毛田信吾長官は自ら辞表を提出する。(4になると考えていた様です。)
ブログ記事から推察すると、ましま塾頭は自らの今までの長い社会人生活で培った、正常な正しい知識や教養、常識が邪魔をして、其れ以上に最悪なパターンであるキャリア官僚の『常識外れの開き直り』で悪行中の悪行(国辱的行為)である今回の(5)までは考えていなかった。
年季を積んだ教養人の『正常な判断』が時には当てにならない(予想が外れる)と言う、何とも不思議な面白い事例であろう。(昔から武士の世界では主君である『殿』を忠義の家老がお諌めする時に切腹は覚悟の上)
今回は、相手の人間性や品格が悪すぎた。
同じ侍(官僚)の世界でも此方は平時の太平の世の武士道の世界ではなく、政変直後の乱世の激動期。
天皇という人質を盾にして部下の自分(宮内庁の羽毛田)が主君面する『下克上』で、将軍より大名が、主君より家来の方が上になる、身分の違いなど問題とされない『弱肉強食』の戦国の世界であったのです。

『もっと悪い外務省の無能』

しかし、これは腐敗した厚生官僚だけの問題ではない。
ことは外交問題で中国は日本の最大の投資先であり貿易相手国であり、安全保障上でも地政学的に最重要国なのである。
今回問題になった皇室の一ヶ月ルールであるが、習副主席の訪日は何も一ヶ月を切って急遽決まったものではない。
我々庶民でも海外旅行なら何ヶ月も前から用意する。
ましてや国家の最重要人物なら、そのための『根回し』は随分前に決まっていた。
しかし今回外務省はうっかり忘れていたらしい。
外務省には儀典関係の部署があり当たり前だが国家間の遣り取りは、国益云々と言うよりは分かりやすくぶっちゃけて言うと、お互いの面子の張り合いなのである。
宮内庁の30日ルールを外務省側が知らないはずが無い。
現胡錦濤国家主席も副主席時代に来日していて、其の時に日本の今上天皇と会見をした過去の事績がある。
何事も面子優先、慣例重視で実績優先(前例踏襲)の外交関係では、今回会見が省略されれば民主党鳩山新政府の重大な『外交上の意思表示』と、とられかねないのです。
ですから、これは宮内庁長官の政府批判の政治発言以上に、外務省の国益無視の職務放棄、あるいは職務怠慢が問われるべきである。
忘れていたのであれば、其の様な外務省はいらない。
現地で旅券や査証の発給業務等の事務手続き部門以外は、即座に解散して内閣が直接諸外国と遣り取りする方が国家の安全の為には正しいであろう。
68年前の1941年にも同じように外務省(駐米日本大使館)の職務怠慢の為に国家の面子(言い分)にとって最重要な宣戦布告の公電を、今回の出来事の様にタッチの差で時間遅れにして国家を滅亡させた実績がある。(このことは晴耕雨読の記事が詳しい)
また反対に、知っていてサボタージュしたのであれば官庁(外務省)の政府(内閣)に対する宣戦布告(クーデター)に近い一大事である。
それなら、その様な国家に仇名す『獅子身中の虫』の外務省は、ますます有害無益で即座に仕分けして廃止する方が日本国のためである。
この様に、いずれにしても今の様な無責任極まる外務省は、『存在自体』が日本国にとって有害無益であると前レバノン大使の天木氏も断言している。
羽毛田信吾宮内庁長官のやった政府間の内情暴露がキャリア官僚のおこなった『国辱行為』なら、
もっと悪い外務省の今回の対応は『国賊行為』と呼んでも可笑しくない国家的な『無能』である。
何も考えず、敗戦後64年間一貫して対米従属しかやってこなかった日本外交の『つけ』がこんな所にも現れている。

『反日的な売国行為の駐米大使の解任と大使館の即時閉鎖』

直近の報道では、外務省のトンデモナイ所業が発覚している。
『アメリカが怒っている』!!
と日本で大々的に報道された、駐米日本大使藤崎一郎をクリントン米国務長官が国務省に呼びつけ直々に『辺野古のキャンプ・シュワブ 沿岸部に移設』の自民党政権と合意した従来案を履行するよう強く求めたとの報道は、肝心のアメリカ国務省が否定している。
なんと事実は、外務省の発表とは正反対。
確かにクリントン米国務長官と藤崎一郎駐米大使の21日午後の国務省での15分間の会談は、有るには有ったが話が逆で藤崎一郎駐米大使の方が『何とか辺野古沖を実現すべく』無理を言って忙しいクリントン米国務長官にあいに行ったもの。
これを世界中の人々から見れば、駐米大使の藤崎一郎は日本国のアメリカ駐在大使などとは到思えない不思議極まる言動なのである。
俸給だけは日本政府から受け取っているが内実はアメリカのアメリカによるアメリカの為の『駐米アメリカ大使』と見られても仕方がない心底対米従属命の売国奴である。

『マスコミの不思議な動き』

今回、マスコミを利用したみのもんたや安倍晋三。平沼赳夫など『大事』に発展させたい思惑の人々が色めきたって色々と発言している。
『天皇の政治利用だ』と自民党や産経新聞が大張り切りですが、元々皇室外交という名の日本国憲法の何処にも書かれていない『天皇の政治利用』を長年続けていたのは歴代自民党政権であり、『何を今更』なのである。
この人たちが何故今、ことさらに天皇の『政治利用』を声高に叫ぶのかが、実は興味深い。
この『天皇の政治利用』の問題は昨今始まった話ではなく、『明治時代から第二次世界大戦敗戦まで』、今と同じで皇室を政治利用してきたのが、明治維新以来の長年の大日本帝国の伝統ですよ。
もっと言えば、天皇が実際に鎧兜を身にまとい 名実共に日本の最高実力者だった継体天皇や天武天皇の飛鳥の一時期や南北朝の後醍醐天皇の一時代を除けば全ての年代で天皇の『政治利用』が行われていて、それで諸外国とは大きく違い、日本国は一貫して一体性を保ってきたともいえる。
今回の話ですが昔から『立っているものは親でも使え』との諺もあるように、日本国の為になるなら皇室外交は『政治利用』であれ何であれ、理屈はともかく日本国にプラスになる事は『良い』ことでしょう。目くじらを立てるべきでない 。

『今までの官僚政治か、それとも政治の復権か』

それより、民主党新政権の売りは『官僚政治の打破』『政治の優位』のはずでマスコミ各社もそれを支持していた筈だ。
散々公務員バッシングをやっていたマスコミが、今回自分の主張と同じだからといって、突然手のひらを返して『官僚』主導の政府(政治)批判を擁護するとは手前味噌にも程がある。
今度の宮内庁長官(官僚)の政府批判の『政治発言』は、自分たち『官僚』が『政治』の風下におかれ様としている『動き』に対する明確な意思表示で、官僚主導だった自民党時代でも本来許されるものではない。
日本国は『官僚』が指導するのか。?それとも『政治』(政府)が主導権を握って動かすのか。?

宮内庁長官発言(政府の裏話の暴露)で、折角の今上天皇の日中友好に果たした努力も、天皇御自身の権威や面子も丸つぶれ。
我が国独自の珍現象なのか?、天皇に遠いものほど敬意を持っており逆に天皇の近い物ほど反対になるらしい。
一番不敬なのが今度の宮内庁長官自身だとの認識が当人に無い。
30日ルールなどと天皇をモノ扱い、本当にお体が心配なら1ヶ月先の話ではなく朝起きたときの体調こそが一番大事なので『1日ルール』に変更するべきであろう。
それにしても天皇制を擁護するふりをして、天皇制に仇名す輩が多すぎる。
皇室典範を今のまま放置すれば20年後には皇位継承者は間違いなく1人になり、日本の天皇制は自動的に滅んでいく。

ところが此処にきて産経や新潮、文春などが内閣総辞職だの中国共産党に天皇を売っただの一時は大騒ぎしていたのに、突然トーンダウン。
原因は、前原国交相が天皇陛下特例会見は、実は元首相(中曽根康弘)のごり押しで自民党も要請していたとか記者会見で暴露したからか。?
前原発言の真偽ですが前の永田メールの実績がある。
あのメール自体はニセもの(賄賂の銀行振込みはない。大昔から裏金は現金取引と相場が決まっている)だったがメールに書かれている内容自体は本物ですよ。
ですから今回も中身は本物だと思っていますが、何しろ前回は大チョんボをした実績のある前原さんですからね。

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6 コメント

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うーん、職域を荒らされたから (カーク)
2009-12-25 21:22:59
宮内庁のハゲタさんは、自分の職域をあらされたから怒っているだけじゃないのかな。宮内庁を無視するなっていえないから、天皇を政治利用するなって言っているだけと思います。面影さんの仰るとおり、天皇って、政治的存在なんだと思います。
たとえれば、女王アリや女王蜂が、出産に特化された存在であるように、日本の天皇制は、政治に特化された存在のように思えます。
それをわざわざ、天皇を政治利用するなって言うのは、なんだかなあと思います。
記事のタイトルは愚樵空論のパクリ (逝きし世の面影)
2009-12-26 10:37:08
カーくさん、コメント有難う御座います。

『どうしようもなく政治的な存在』とは、愚樵さんも良く考えている。
題名として、あまりにも主題にピッタリなので当方も自分の記事の題名に愚樵空論のタイトルを借用させて貰いました。
『職域を荒らされたから』
そんな高尚なものではなく、自分のテリトリーに進入してくる同類を死にもの 狂いで追い出そうとする野生動物の本能でしょう。
それとも自分のシマを荒らされた博徒や暴力団の心境ではないでしょうか。?
縄張り争いこそは彼等の一番の最優先事項で、そばに天敵の捕食者がいても気にかけず同類の仲間に対して牙をむいて自分の生死も構わず争います。

『天皇とは何か。?』
これは簡単なようで考え出すと実に難しい。考えようで何を目的とするかによって色々な答えが出てくるのですよ。
敗戦までは現人神。
記紀の記述によると日本(人間の世界)の最高神である天照大御神の子孫なので明治時代に天皇も現人神とされたのでしょうが、同見ても天皇の役割は神御自身と言うよりも神に仕える最高聖職者で、神=天皇の皇国史観は無理がある。
天皇=最高聖職者とは、キリスト教のローマ教皇の立場ですね。
幾ら権威があろうと神の言葉を代弁しようと教皇は『神』自身ではない。
聖職者の最高位で神の代行者との立場は、魏志倭人伝の鬼道を用いて国を治めたと言う卑弥呼の政治的な立場がこれと一致している。
このやり方は日本の伝統的な宗教と政治の係わり合いのようで長い長い伝統がある。
最高神アマテラスは女性神なのですが、彼女自身が聖職者の最高位の立場であったようです。
神に捧げる貢物を織っていたときに弟のスサノオが穢れモノを投げ込んだ為に怒って天岩戸に隠れるのですが、神様自身が自分に贈り物をするはずがないのです。
だから神=天皇説は間違いで明治期の創作でヨーロッパの一神教的な価値観尾模倣でしょう。
しかし、キリスト教の権威と一体になった絶対君主制が主流の西洋とは大違いで、日本は飛鳥の一時代と後醍醐天皇、明治憲法の数十年を除けば、後は全て現在と同じ象徴天皇制ですよ。
ついでに言うと、憲法9条の『全ての揉め事は話し合いで解決する』との精神も日本の長い長い伝統で、アメリカ流に『揉め事は武力で解決した』のは戦国時代と明治憲法下の短い間だけの特殊な事例です。
日本は大陸と200キロも離れた島国なので、平和な縄文期をすぎて戦争と政治の世界になっても『和が一番尊い』とする考え方が聖徳太子からの政治の伝統で、だから日本の事を指すときには『和』と言う文字を用いるとの説も有ります。
日本の天皇制ですが、幾ら大事な偉い人でも、昔から『立っているものは親でも使え』との諺もあるように大昔から政治利用してきたのが日本の伝統です。
羽毛田信吾長官が天下の一大事と主張する『天皇の政治利用』とは、
はるな愛がタイのミスニューハーフ世界大会で優勝したときに、
はるな愛は本名はケンジという男で『ミス』は間違いだとクレームを付ける位に、何とも場違いな愚かしい話ですよ。
そんな事を今頃一々お前(ハゲタ)が指摘しなくても関係者も世間も、みんなが全員大昔から知っている。
宦官 (愚樵)
2009-12-27 05:38:50
パクリのお礼にやって参りました(笑)

私が最初に天皇の政治利用云々の報道に接した時、連想したのは中国の宦官だったんです。秦の始皇帝時代の趙高なんかが有名ですね。

宦官の特徴は天下国家を私することです。天下国家の象徴に身近に仕えることでかえって象徴を蔑ろにする。戦前の将校たちにも似たような傾向があったらしいですが、今回の宮内庁長官にも似たようなものを感じる。さすがに「天皇の意志」を代弁するような体裁は取らず(これをしたのは小沢一郎の方でしたね)、身体を気遣う体裁でしたが、どちらも同じことでしょう。

>そんな事を今頃一々お前(ハゲタ)が指摘しなくても関係者も世間も、みんなが全員大昔から知っている。

このことに関しては内田樹が例の「密約」を巡って同じことを言っていますね。日本人はみんなが知っていながら、みんなで知っていないフリをする。

またこの「みんな」というのも微妙な言葉で、必ずしも「全員」の意味ではない。冗談を真に受けるような人間は、上の場合の「みんな」には入らない。

天皇や密約は冗談ではありませんが、日本人の「みんな」はその本質を言葉にせずとも直観している。宮内庁長官や共産党あたりは、「みんな」には入らないのですね。
政や神の言葉の代弁者たちの胡散臭さ (逝きし世の面影)
2009-12-27 14:29:53
愚樵さん、コメント有難う御座います。

8月30日の総選挙以後は色々面白い物が増えましたね。
特にテレビの国会中継が面白い。
何が面白いと言っても大臣などの政治家の答弁が自分で喋っているのですよ。
今度は何か出るか。何を喋るかが面白くて面白くて。手に汗を握りはらはらしながら見ています。
3分の1も見れば全ての結末まで判ってしまうサスペンスドラマなんかより面白い。
全ての原因は官僚の作文を丸読みしていた従来の自民党政治から民主党にかわって政治家が自分の頭で考えるように為ったからですね。
これに味をしめて岡田外務大臣が国会開会式などの天皇の『お言葉』を『陛下御自身のお言葉が聴ける様に何とか工夫出来ないか』と記者団に語って、今回の『天皇陛下のお気持ちは』の小沢発言と同じで、『天皇陛下に注文を付けるとは何事か』と袋叩きにあっていますね。

しかし、それにしても『天皇の敬うふりをして天皇を蔑ろにする』似非愛国者、似非保守の何と多い事か唖然とするばかり。
岡田や小沢発言を非難するニセ偽善者のこいつ等は何を考えているのでしょうか。?
まさか政変以前から閣僚が自分の言葉(頭)で語っていたとでも思っているのでしょうか。?
全く馬鹿ばかしくれ話にもなりません。
人前で演説する事が仕事の政治家でも官僚の口移しでしか喋っていなかった我が日本国で、前例踏襲が基本で面子優先、慣例重視の皇室が、本来今までにない独創的な政治判断をすることが仕事の『政治家』でも官僚の作文を読まされていた。
本来自由である政治家にも出来ない事を色々と制約がある天皇がしていたとでもいうのだろうか。?
今までどうりの操り人形のままで良いと考えている人々がいるとは、驚き以外の何ものでもない。
まつりごとで裏方にすぎない官僚たちが完璧に代弁者を気取っている今の日本とは・・・・言葉もありません。
まさに君側に侍って、権威や権力を私物化する宦官集団の悪賢さには呆れるばかりです。
まさに年末政界珍プレーでした (Runner)
2009-12-27 15:36:18
スポーツの試合を見ていると、相手がエラーをしたのに、そこに付け込めず、自分たちもエラーをしてしまうという笑えるようなシーンがたまにありますが、今回はまさにそれでした。

そもそも象徴天皇制自体に反対しているくせに「天皇の政治利用反対」と言ってしまったことは本来は右翼側のエラーでした。
しかし、左翼側はそれをこれ幸いと逆手にとって利用することができず、社民、共産両党は些末な発言をしてしまい、逆に右翼に利用されてしまいました。

また、豪腕と言われる小沢さんですが、相変わらず、マスコミ対応はヘタクソでした。
どうせブチ切れるのなら、もっとはっきり言ってやればよかったんですよ。
「お前ら自民党が中国との関係をこじらせたから、俺ら民主党がその尻拭いをやってるんだ。ガタガタぬかすな!このボケ」
政治的判断が出来るのが政治家 (逝きし世の面影)
2009-12-28 11:08:01
Runnerさん、コメント有難う御座います。

亀井静香が『江戸城はふさわしくない』と宮中昼食会の席上で京都に移転を進言したそうですが、この頃の亀井さんは最高ですね。
将来、護憲左派としては亀井ファンクラブでも作らないといけなくなるかもしれない。
今上天皇に対して、
>『権力の象徴であった江戸城(現皇居)にお住まいになられるのは、お立場上ふさわしくない』<
と申し上げた。と報道されています。

実に政治的な発言であるが、亀井発言は全くの正論であるし政治家とは政治的な発言をする(出来る)人のことですよ。
武家(軍事力)の棟梁である将軍(権力)の造った堅固な軍事施設(要塞)である江戸城(権力の象徴)に平和憲法の象徴である天皇(権威は有するが権力は持たない)が未だに住んでいる事自体、間違いなのです。
江戸遷都では明治天皇が『ちょっと行って来る』と言って江戸(東京)に行ったきり(東下り)になっているが、これは本来は千年の都である京都の御所が皇室には似つかわしい。
これは現行の憲法の趣旨からも軍事要塞でしかも権力(国会や政府)の直ぐ側に縛り付けられている今の位置関係は全くの間違いですよ。
天皇の政治利用がなるべく出来ないように政治権力(東京)から一定の距離をとることは是非とも必要でしょう。
京都は其の点、絶妙な位置関係にあり、理想的であると思います。

それにしても此の頃の亀井静香は私の長年の主張と一致する事を言ってくれるので嬉しい限り。(亀井が私に似てきたのか?其れとも私が亀井静香に似てきたのか。?)
亀井静香のように、政治的な判断が出来て初めて、『政治家である』と言えるが日本では政治家は殆どゼロであるといても良いくらい、これが案外少ない。
>『社民、共産両党は些末な発言をしてしまい、逆に右翼に利用されてしまいました。』<
Runnerさん。
此処は政治ブログなのですから・・・・
科学的な学術論争ではなく政治的に発言してもらわないと。
ですから、言いたい事はぐっと我慢して『真実だから言ってよい』とか『正しい事は正しい』では政治的判断とはいえないのですよ。
それでは『外国の賓客の接待(会見)は憲法の国事行為との記載がない』と正しい事を言った共産党の志位委員長と同じじゃ有りませんか。?

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