逝きし世の面影

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「リビア、核ないから爆撃受けた」?欧米キリスト教諸国が仕掛けたカダフィ打倒

2011年09月30日 | 軍事、外交

『リビア、核ないから爆撃受けた』 ヒューズ英大使に北朝鮮が指摘

2008年9月から今月まで平壌に駐在した英国のヒューズ前駐北朝鮮大使が28日、ソウルで記者会見した。
北朝鮮の現状について、住民の間で失政に対する不満がうかがえるものの、中東の民主化革命のような事態は北朝鮮で起きないと分析した。
北朝鮮の高官は同氏に『カダフィ氏が核を放棄したから、リビアは北大西洋条約機構(NATO)の空爆を受けた』と語ったという。
ヒューズ氏は『北朝鮮は朝鮮半島全体の非核化を唱えているが、詳細に見ると全世界から核がなくなるまでは放棄しないという意味に聞こえる』と語った。
平壌では中国製の自動車が増え、住民の服装も良くなっているが、経済全体は低調。
北朝鮮も核実験などを契機に過去2年間、国際社会から孤立したことへの深刻な懸念を抱いているという。(2011年9月28日朝日新聞)


革命後の国民は本当に幸福になれるのか?
『リビアの富を奪うために 欧米諸国が仕掛けたカダフィ打倒』 佐々木良昭

今年の2月に始まり半年にも及ぶ内戦の結果、リビアのカダフィ体制はほぼ崩壊したかに見える。
世界のマスコミはこの勇気あるリビア国民の革命蜂起と成果を称賛する一方で、かつてアメリカのレーガン大統領が彼に浴びせかけた『狂犬』以上の罵倒をカダフィ大佐に浴びせかけ、独裁者、血ぬられた男、国民の大虐殺に踏み切った男と評した。
実際にカダフィ体制下のリビアが西側諸国や革命派が主張するように、非民主的で非自由社会で非統一の国家だったか否かは、もう少し時間が経過しなければ分からない。
革命派はこれらの諸問題の解決を標榜するが、実はリビアの将来には幾つもの難問と不安が待ち受けているのだ。

『石油輸出の停滞とインフラの復旧遅れが3年は続く』
まず、リビア人に限らず利己主義的な感覚が強いアラブ人に共通する最重要課題は個人所得だが、リビアのこれまでのGDPは一人当たり1万4000ドルであった。
リビア国民の個人的な経済状態が今までよりも良くなるか否かが、最も重要な社会安定の要素なのだが、悪くなると予測する方が正しいのではないか。
その理由は当分の間(一部の専門家の予測では3年以上)、リビアの石油輸出が革命以前のレベルに戻れないからだ。
95%以上の外貨収入を石油輸出に依存しているリビアにとっては、この石油輸出が遅滞することは、大きな痛手となる。
そして今回の内戦で破壊された、インフラの再構築に膨大な費用が必要になろう。
そのことが国民の生活に与える影響は、小さくあるまい。
今回のリビア革命を、最初の段階から支援してきたイギリスとフランス、そしてアメリカは、当然のこととして新生リビア政府に対し対価を求めよう。
もちろん、最初の段階ではこれらの国々はリビアに対し経済支援をするのであろうが、結果的には、これらの国々によって膨大なリビアの富が持ち去られるということを忘れてはならない。
そもそもイギリスとフランスがリビアに乗り込んで行ったのは、自国経済が破たん寸前だったからではないのか。
リビアの富と石油を支配することによって自国の経済を復興させようとしたのであろう。
こうなると新生リビア政府は、カダフィ大佐が大金を投入して築き上げたインフラの多くを、修復できないままで放置せざるを得なくなる。
その中で一番問題になるのは、カダフィ大佐が造り上げたGMR(人間が作った偉大な川)だ。
GMRとはリビア南部の地下水を汲み上げ、地中海沿岸地域に運び、農業用そして飲料として使うというものだ。
このGMRの補修・手入れができなくなれば、人口が集中しているトリポリ市やベンガジ市は、一気に水が無い死の世界に変貌する危険性がある。

『解決されていない イスラム宗派間の対立』
リビアの今後で不安なのは、今回の革命で主導権を握ったメンバーの中には外国逃亡組が多数いるということだ。
彼らはよく言えば穏健なイスラム教徒、きつい言い方をすれば欧米かぶれの世俗派である。
リビアには元々サヌーシー派(サヌーシー教団とも呼ばれていた)という、イスラム原理主義の宗派の人たちが少なくなく、特に東部地域ではそうだ。
それに加えエジプトと隣接していることもあり、ムスリム同胞団のメンバーも多いのだ。
そうなると近い将来、欧米帰りの世俗派とイスラム原理主義者が衝突する場面が想定される。
リビアの国内の対立衝突因子は部族間に限ったことばかりではないのだ。
もちろん、そもそも今回の革命が始まった原因は、部族間に所得格差が生じたことによる、とされてきていた。
それならば当然のことながら、今後新政府が結成されていく段階では部族間の富の配分バランスをどう調整するか、という大きな問題が解決されなければならない。

『革命の火を放ったのはだれか』
今回のリビアの革命で、忘れてはならない疑問点がある。
今後の不安材料に繋がっていくのだが、そもそも誰が最初に今回の革命の火を放ったのかということだ。
単純に言えば、リビアの民主化を求めた国民、ということになろうが、そんな単純なものではない。
実は反体制の動きが起こった当初の段階で、パキスタンの情報部が、イギリス、フランス、アメリカが軍事顧問をベンガジに送り込んだ、という情報を伝えていた。
カダフィ大佐に嫌われ、チャドに長い間派兵されていたハリーファ・ヘフタル大佐がチャドから他のアフリカの国に移動した後、彼と彼の部隊をアメリカが受け入れ20年もの間バージニアに匿っていた。
そのハリーファ・ヘフタル大佐も内戦勃発と同時期にリビアのベンガジ市に戻っている。
しかし不思議なことに彼の名は、いまだ全くリビアから聞こえてきていない。
イギリス、フランスは反政府派が軍事行動を起こし始めると、彼らの軍事行動への具体的な支援を始め、飛行禁止区域の設定に加え、空爆、武器の供与が行われた。
それにアメリカが後発で加わる。アメリカは無人機を多数送り込み、空爆を実行した。
もちろん偵察衛星や偵察機で集めたカダフィ大佐側の軍の動きも逐一、反体制側に送られていたものと思われる。
そして最終的には、カダフィ大佐側が追い込まれ、彼の住居とされていたバーブ・アジージーヤも反政府側によって落とされた。
これで一件落着と言いたいところだが、そうは行かない。
カダフィ大佐側が拠点を移して反攻に出る可能性が否定できない。
彼にはいまだに、多数の武器と莫大な資金がある。
だからと言ってカダフィ大佐にもこの革命の流れを変えることはできなかったはずだ。
それは時代の変化ということに加え、リビアで起こっている革命戦争に欧米が全面的に介入しているからだ。
ここまできて反政府側がカダフィ大佐側によって敗北させられたのでは、欧米の面子が丸つぶれになるばかりではなく、戦争に費やした費用が回収できなくなるからだ。
欧米はなんとしても、カダフィ体制を打倒しリビアの富とエネルギー資源を、手中に収めようと考えている。

『植民地と化すリビア』
こうした欧米側の考えを裏付けているのが反体制側の要人たちの発言だ。
現在反体制側の代表者となっている、ムスタファ・アブドッジャリール氏は『リビアに居住していたユダヤ人に帰ってきて欲しい』と呼びかけ、彼らがリビアの政治活動に参加することを期待している。
彼以外にも、王制時代の閣僚の子息である、アハマド・シェイバーニ氏は『イスラエルとの協力関係が重要だ』と語っている。
彼に言わせれば、イスラエルの持つ国際的な影響力を通じて、新生リビアが国際的認知を受けていく必要があるからだというのだ。
何のことは無い、イギリスやフランスに加え、最初の段階からイスラエルやユダヤ人がリビアの革命に深く関係していた、ということではないのか。
つまり、今回のリビアの革命騒ぎは、欧米諸国やイスラエルなどが、こぞってリビアの富を奪うために仕掛けたものだったということであろう。
そのことをカダフィ大佐ははじめから分かっていたのであろう。
だからこそ欧米に支援される革命派に対し、徹底抗戦を叫び続けたのだと思われる。
結果的に彼は妥協するタイミングを失い、敗北していくことになった。
この結果、リビアは欧米の新しい形の植民地支配下に置かれることになった。

佐々木良昭(ささき・よしあき)1947年岩手県生まれ。拓殖大学商学部卒業後、国立リビア大学神学部、埼玉大学大学院経済科学科修了。トルクメニスタンインターナショナル大学 名誉博士号授与。大阪万国博アブダビ政府館副館長、アラブ・データ・センター・ベイルート駐在代表、アルカバス紙(クウェート)東京特派員、在日リビア大使館、拓殖大学海外事情研究所教授などを経て、2002年より東京財団シニアリサーチフェロー、2010年より笹川平和財団アドバイザー(いずれも現職)。近刊に『革命と独裁のアラブ』(ダイヤモンド社刊)がある。


『アルカイダを支援してリビアの政権をとらせる米国』田中宇国際ニュース解説:11/08/30

『リビアの反政府軍の主体はイスラムのムジャヘディン』
アジアタイムスによると、リビアの反政府軍を率いる司令官はアブデルハキム・ベルハジ(Abdelhakim Belhaj)という男だ。
彼が率いるリビアの反政府軍は、リビアにやってきた米軍特殊部隊から2カ月間の軍事訓練を施され、戦闘能力を高めた上で首都トリポリを攻略し、カダフィが住む要塞を攻撃して陥落させ、反政府派を内戦勝利に導いている。
米国にとっての問題は、このベルハジ司令官が、米国の仇敵『アルカイダ』の幹部であることだ。
司令官がアルカイダということは、リビア反政府軍の主要な勢力がアルカイダの同調者だということだ。
米軍は、アルカイダに軍事訓練を施して強化したことになる。
ベルハジは1966年生まれで、80年代にアフガニスタンに行き、米CIAの支援のもとでソ連軍と戦った『聖戦士』だった。
その後、彼はリビアに戻って『リビア・イスラム戦闘団(LIFG)』を組織した。
96年にアフガニスタンがタリバン政権になると、アラブ諸国からアフガンに戻った他のアルカイダ系組織と同様、ベルハジらLIFGはアフガンに戻り、カブール近郊に訓練拠点を作り、アルカイダとしての軍事訓練(テロ訓練)に励んだという。
彼らは911後にタリバンが米軍侵攻で負けた後、パキスタンとイラクに移動した。
LIFGは戦争後のイラクで、サウジ人の軍団に次ぐ大規模なスンニ派外国人ゲリラ組織になった。
この間、ベルハジはずっとCIAの監視下にあり、03年にマレーシアで逮捕され、テロ容疑者を米本土に入れたくないCIAによってタイ・バンコクの監獄に収監されていたが、04年に米国とリビア(カダフィ)が仲直りするとともに、米当局はカダフィとの友好のしるしに、ベルハジをリビアの諜報機関に引き渡した。
カダフィは、自分が寛大なところを内外に見せるため、10年3月にベルハジを釈放したが、これが逆にあだとなり、今年2月にリビア東部で反政府派の決起が起きるとともに、ベルハジは反政府軍を指揮し始めた。
CIAなど米当局は、少なくとも10年前からベルハジがアルカイダだということをよく知っていたわけで、彼が反政府軍のトップとなってカダフィを倒し、新生リビアの軍司令官になった場合、新生リビア軍がアルカイダの巣窟になると予測されることを、事前に把握できたはずだ。
今後、リビアで選挙が行われた場合、誰が政権につくかわからないが、誰が大統領や首相になるにせよ、カダフィを倒したリビア反政府軍の影響力が大きくなるだろう。
仮に親米的なリベラル人士が大統領や首相になったとしても、その存在は欧米向けのお飾りにすぎず、新生リビアの実質的な権力は、反米イスラム主義の勢力になることがほぼ確実だ。
米政府は、こうした可能性を全部熟知した上で、アルカイダが軍司令官をやっているリビア反政府勢力に加勢し、政権をとらせようとしている。

『リビアで反米イスラム主義を支援する欧米』 2011年4月2日  田中 宇

欧米はリビアで決起した東部地域の勢力を軍事支援しているが、武装勢力の中には、アフガニスタンやイラクで米軍やロシア軍と戦った経験を持つ『イスラム聖戦士(ムジャヘディン)』が多くいる。
彼らは、欧米勢力をイスラム世界から追い出すことを目標とするスンニ派の反米イスラム主義者で、米当局がいうところの『アルカイダ』の一部だ(ほかに、レバノンのヒズボラなどシーア派のイスラム主義勢力もリビア東部に来ていると指摘されている)。
以前からリビア東部には、イスラム聖戦士を生み出す風土があった。
リビアは独立前、ベンガジを中心とする東部と、トリポリを中心とする西部との関係が薄く、独立後いったん東部が国の中心となったが、1969年にクーデターで権力を取ったカダフィは、東部を敵視して西部を重視し、油田が集中する東部の石油収入を西部の開発にあて、東部の人々の不満や反逆を弾圧した。
カダフィはイスラム主義を嫌い、世俗的な社会主義体制を作ろうとしたため、対抗上、東部にはアラブ各地からイスラム主義勢力が集まり、イスラム主義が反カダフィ勢力の主導的な役割を担うことになった。
イスラム世界の聖戦士たちは一カ所にとどまらず『聖戦地』を転々とする傾向がある。
彼らは、ソ連軍のアフガン侵攻後はアフガニスタンやパキスタンに結集したし、米軍のイラク侵攻後はイラクに結集した。
リビア反政府軍の司令官の一人は、イタリアの新聞の取材に対し、自分が『アフガン帰り』の聖戦士であることを認めた上で、米軍イラク侵攻後は、リビア東部で25人の聖戦士の志願兵を集め、米軍と戦うためにイラクに送り込んだと言っている。
その中の何人かはリビアに戻ってきて、カダフィ軍と戦う第一線にいるという。
イラクで米軍が見つけた聖戦士側の文書(と称するもの)によると、イラクで米軍と戦っていたイスラム聖戦士(いわゆるアルカイダ)の内訳は、人数的には、サウジアラビア人が41%でリビア人が19%だが、各国の人口との比率でいうと、リビアがダントツに多くの聖戦士をイラクに送り込んでいた。
そのほとんどは、リビア東部の志願者と考えられる。

『米当局と聖戦士の長い仲』
CIAや国防総省など米当局は、1980年代にアフガニスタンを占領していたソ連を弱体化させるため、サウジなどアラブ諸国から聖戦士を募集してアフガンに送り込むイスラム主義勢力(ビンラディンなど)を支援した。
米当局は聖戦士たちに渡米ビザを発給し、米軍施設で訓練し、米国内で自由な活動を許していた。
当時の米当局は、イスラム聖戦士を味方としてみていた。この体制は冷戦後も続いたが、米政府は97年ごろからイスラム主義勢力を敵視する戦略に転換し、アフガンのイスラム主義政権となったタリバンや、その仲間であるビンラディンを敵視し始めた。
公式発表では、米国に敵視されたビンラディン(アルカイダ)が反撃として911テロ事件を起こしたことになっている。
アルカイダは911の「犯人」として名高い。しかし現実は違っている。
911は、イスラム主義勢力が米当局に気づかれないように起こした事件とは考えにくく、イスラム主義勢力と関係ないところで米当局が自作自演的に起こしたテロ事件をアルカイダのせいにして、米国の覇権を維持するため、長期にわたる「テロ戦争」を起こしたと考えた方が自然だ。
911事件は、米当局がテロの発生を意図的に防がなかったり、事件の発生状況について現実と異なる発表を行っている部分が大きい。
当日、米国の防空システムはテロが始まる前に機能停止していたし、国防総省を破壊したのはどう見ても大型旅客機でなく、あらかじめ地上に置かれた爆弾だった可能性の方が高いし、世界貿易センタービルの崩壊原因は飛行機の衝突によるものでなく、事前にビル内に仕掛けられていた爆弾の爆発による制御崩壊だろう。
米当局が何も知らないまま、イスラム聖戦士がテロ事件を起こしたのなら、これらの事象について納得できる発表を行うはずだが、実際には、米当局は疑問を持つ人々を攻撃したり無視したりして、事実を隠している感じが強い。
911事件より前のテロやイスラム主義の関係の報道の中に、聖戦士(ムジャヘディン)やオサマ・ビンラディンはよく出てきたが、アルカイダという組織名はほとんど出ていなかった。
アルカイダはビンラディンが作った組織として存在していたが、世界的に有名になったのは、米当局が911の犯人組織としてアルカイダを名指ししてからだ。(アルカイダは諜報機関の作りもの)
イスラム主義勢力(聖戦士)は、もともと反米なのだが、米当局はそれを逆手にとって彼らに911犯人の濡れ衣をかけ、米国にとっての「最大の敵」に仕立てた。
その上で米軍のイラク侵攻が行われ、イスラム教徒の反米感情がさらに煽られた。
リビア東部の反政府勢力の中に聖戦士が多く、欧米は反米イスラム主義勢力を軍事支援してリビアの政権を取らせようとしている。
米当局は1980年代からずっとイスラム主義勢力と関係を持っており、リビア東部の勢力の中にイスラム主義が強いことを知らなかったはずがない。
カダフィは以前から『東部勢力はアルカイダだ』と主張し、自分を敵視して東部勢力に味方する欧米の戦略は間違いだと言っていた。
米国では、リビア東部の勢力が『アルカイダ』であることが懸念されている。
だが実際のところリビア東部の政権は、今や架空の存在に近いアルカイダでなく、エジプトのムスリム同胞団や、イランの傘下のレバノンのヒズボラと親しいイスラム主義の政権になっていくだろう。
英国のクレッグ副首相は『カダフィが倒されると、リビアはイラン型のイスラム主義政権の国になるかもしれない』と語っている。
リビア東部はエジプトと隣接しており、同胞団は以前からリビア東部のイスラム主義勢力を支援している。
イランの最高指導者ハメネイ師は『欧米はリビアを空爆するのではなく、東部の反政府勢力に武器を支援すべきだ』と述べている。
リビア東部にヒズボラが入っているという指摘と合わせ、ハメネイの発言は、リビア東部の勢力が親イランであることを示唆している。
ムスリム同胞団や聖戦士(アルカイダ)はスンニ派であり、イランやヒズボラはシーア派であるが、今の中東のイスラム主義勢力の間では、スンニとシーアの対立は少ない。
イランと同胞団は親しい関係にある。
サウジはイランと対立しているが、サウジ王室は米国の傀儡であり、今の中東の主流のイスラム主義でない。
エジプトはムスリム同胞団が台頭しているし、シリアでもアサド政権が民衆革命で潰れた場合、その後の政権はムスリム同胞団だ。
ヨルダンも同様だ。イランからリビアまでの全域が、いずれスンニ派とシーア派の反米イスラム主義の地域となる。欧米のリビア戦争は、この流れに拍車をかけることになる。

田中 宇(たなか さかい)1961年(昭和36年)東京生まれ。東北大学経済学部卒業。東レ勤務。1987年共同通信社(外信部記者)1997年マイクロソフト社(ニュースの配信業務)1999年(平成11年)末、独立。『タリバン』など著書多数。


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9 コメント

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江戸時代末期を思い出しますね。 (カーク)
2011-09-29 17:44:38
江戸時代末期に大きな内戦が有ったら、もっと早くに欧米列強に日本は侵略されていたでしょうね。まあ、今も戦いは続いているわけですけど。
石油強奪 (マトリックス)
2011-09-30 13:31:30
世界的に原発は廃絶の流れになる(危険性だけでなく地球温暖化詐欺で原発推進の為の嘘もいずれ明らかになり)と思いますが、その為、火力発電の燃料である石油の価値が高まるので昔からの本性剥き出しのイギリス海賊帝国の手法で植民地にして(かろうじて傀儡政権を作ってますが)資源を強奪するのがそのまま目的だと思います。石油目当てのイラク戦争を中東全体に拡大させたという見方ができるのではと思います。
幕末の日本に対する介入(侵略)に怖ろしく似ているのですが、もう一つ思い出したのはイギリスが金・ダイヤモンドが産出されるのを知って南アフリカを侵略したボーア戦争にも似ていると思いました。ボーア戦争でもイギリスの非人道的な作戦・行動が国際的に非難された事からも時代が変わっても西洋文明の本質もイギリスの支配層も全く変わっていないようです。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ (宗純)
2011-09-30 13:37:33
カークさん、コメント有難うございます。

リビア空爆ですが、理解不能の何とも不思議な成り行きになってきています。
イギリスの政治家の言葉『歴史から学ばぬ者は歴史を繰り返す』の発展形としてのマルクスの、『歴史は繰り返す。最初は悲劇として、二度目は喜劇として』とか、
もっと露骨な表現の、
『歴史を学ばぬ者は愚かにもそれを繰り返す。正しい歴史を学ばぬ者は、単に愚かなだけである。』とか、ビスマルクの『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』とか、色々とあるのですが普通のこれ等の歴史格言は『前の歴史』を忘れる位の時間が経過した後の『話』であるのですよ。
ところが現時点は前の失敗の経験ではなくて、延長線上の連続した話であるのですから、これでは喜劇にすらならない。
まったくの愚行中の愚行です。
これは、例えるなら短期決戦至上主義で成功していた日本軍が中国軍と泥沼の15年戦争に嵌りこみ大失敗。
その続き(解決法)が対米戦争での短期決戦を目論んでアメリカの太平洋艦隊相手に真珠湾奇襲を行ったような話なのですよ。
日本海軍は半年程度で有利に戦局を展開してアメリカとの和平に持ち込む算段だったのです。
全くアメリカの歴史に学んでいないので、これでは日本軍ならずとも必ず失敗します。
今は10年続く対テロ戦争の真っ最中ですよ。
1980年代にアフガニスタンのソ連が樹立した左翼軍事政権を打倒する目的でパキスタンやアラブ諸国のイスラムのムジャヘディンを全面支援して今のような破綻国家を生み出しているのですよ。
ところが最近の西欧諸国ですが、イスラムの民族衣装を『女性差別である』として法律で規制する動きが高まってきていますが、これはキリスト教特有の思い上がりでありイスラムへの無理解と差別感からの恥ずべき行為ですよ。
日本の振袖などを着た女性ですが、胸を締め付けるので呼吸さえ苦しいし、まともにトイレも行けないのですよ。
西欧のブルカなどの禁止が、『女性差別である』なんて理由で日本女性の和装を禁じる法律が出来ればと考えれば、この動きが如何に理不尽な差別であるかは明らかなのです。
今アメリカやイギリスフランスのNATO諸国は何十年も前の、対ソ干渉戦争の後始末でアフガニスタン派兵が止めるに止められずに苦労しているのですが、今回NATOは全く懲りずに同じ事をリビアで始めたらしいのです。
アルカイダなどのイスラム聖戦士の数が限定的でありアフガンから減らす(分散させる)目的でリビア正規軍空爆が始められたなんて事は無いと思いたいが、それにしても不思議なNATOの戦争です。
学ぶどころの話ではない。
歴史をまったく無視するばかりか自分自身の失敗の経験も無視する今の欧米諸国ですが、いったいぜんたい何を目的にして何を目指して行動しているのかさえ判然としません。
その行動が支離滅裂なのですが、多分欧米先進国がこのままではジリ貧に陥り敗北すると思っているらしいことはある程度理解できるのですが、それなら矢張り旧日本海軍と同じ発想ですね
19世紀型の最後の戦争 (宗純)
2011-09-30 15:29:24
マトリックスさん、コメント有難うございます。

20世紀初頭の第一次世界大戦が始まった2014年の当初は参加している全員が半年程度か長くても1年程度で終結すると信じていたらしいのです。
ところが人類が今まで経験したことが無い大戦争が欧州全域を巻き込む国民国家同士の戦争が延々と続く。
この時まったく無関係な日本も火事場泥棒的に参戦して領土を獲得する。
その結果が遅れた資本主義国だった日本は太平洋戦争にまで続く領土とか資源獲得の戦争を行うのですが、日本よりも遥かに進んでた米国の戦争目的は、まったく違っていたのです。
米国も第一次世界大戦以前の数々の戦争ではまさに資源と領土拡大を目指してスペインやメキシコ、国内のネイティブアメリカンとの数々の戦争をしていたのです。
何度も何度もスペインや隣国メキシコに因縁をつけて無理やり戦争をして国土の半分を奪っている。
メキシコ大統領の切実な言葉ですが、『哀れなメキシコ。
神に余りにも遠く、アメリカに余りにも近い。』
ところが、第一次世界大戦時には『領土不拡大』の方針の国際連盟の結成と正反対に転じていた。
特にその後の第二次世界大戦では、先進資本主義国と日本では、正反対に戦争目的が違っているのですよ。
日本軍も重慶無差別爆撃などを行っているがあくまで目的は資源獲得型なので、相手の抵抗を抑える、屈服させるのが目的なのです。
戦争目的は破壊自体が目的ではない。それは単なる結果なのです。
ところが日本国よりも遥かに経済力が進んでいたアメリカなど先進国は、恐ろしいことに破壊自体が目的化していたのです。逆に先進国とは言いがたいソ連では千島領有の様な昔の領土獲得型の戦争が残っていた。
アメリカは、だから領土拡は行わなかったが、意味不明の大量虐殺の広島長崎の悲劇も起きたし、戦勝後にはすぐさま次の冷戦を始めていて二十四時間1年中水爆と搭載した航空機の空中待機なんて狂気の行動をおこなっている。
目的はたった一つで大量破壊なのですよ。
資本主義では必ず需要と供給に齟齬が生まれてしまうのですが、供給の絶対量が少ない場合には大昔のように資源の獲得が大事になる。
ところが今の技術革新でとんでもないことが生まれてしまう。
供給量が大きすぎて、到底需要が追いつかない。世界恐慌時にケインズ政策を行って平和裏に需要の拡大を図ったがその程度で賄いきれないんで戦争に訴えて大都市を丸ごと破壊してリフレッシュをする必要が生まれたのです。
第二次世界大戦があれ程残酷極まる大量殺人と大量破壊が行われた原因とは資本主義経済の矛盾の解消だったので、人類の歴史上最大の破壊が行われた。
リビアの石油ですが、2003年のアメリカのイラク侵攻でも『目的は石油である』との推測があったのは事実ですが、これは矢張り間違いですよ。
それは確かに日本が70年前に第二次世界大戦を始めた原因ですが、当時でも時代遅れで失敗しているのです。
ですからリビアも矢張りその考えは無理があるでしょう。
世の中の仕組みが根本的に変化しているので、石油目当てで戦争を行っても絶対に成功しません。
リビア再植民地化の目的 (愚樵)
2011-10-01 06:24:52
私は此度のリビアでの出来事は、欧米、特に西欧の資源確保が目的だったと思います。

それは、来るべき通貨崩壊への布石です。ドルやユーロも崩壊した後も、安定的に石油資源を確保するため。もっというと、第二次大戦前の「ブロック経済」を目論んでいるのではないかと推測します。

「彼ら」にとって、この程度の陰謀を企てるのは、朝飯前とまではいかないにしても、「政権の常道」でしょう。
Unknown (かかし)
2011-10-01 08:50:57
欧米油には、いまだに第二次大戦前の文化が継続している事の事実を日本人は、認識すべきである。
戦争が終わった後、世界は変わったと極楽トンボになっている日本、こと世界に対する現状認識がずれまくっている
まるで見えてないことの不思議。コレはマスコミだけの世論操作だとは考えられない。
このままだと、無邪気に消滅しかねない。
石油目的で空爆した可能性はかなり高い (宗純)
2011-10-02 11:10:01
愚樵さん、かかしさんコメント有難う御座います。

仰られている様に『石油資源の獲得』目的の軍事作戦である可能性は高いと思われるのですよ。
何しろギリシャの破綻は秒読み段階でありユーロ危機は避けれないがギリシャ国債の最大の保有国は戦争に一番熱心だったサルコジのフランスであり欧州で一番大きい債務大国(借金大王)は二番目に熱心だったイギリスです。協力したアメリカも金融破綻は明白でありリビア空爆とはNATO諸国ではなくて金融破綻国家連合が主役であるのです。
それならリビアの石油を狙った汚い戦争であるとの解釈も当然出てきます。
ヒューズ英大使に北朝鮮が指摘した『リビアは核ないから爆撃受けた』も正しいだろうが、それ以上に、『北朝鮮には石油が無いので爆撃されない』のです。
この場合には、どちらか一方が正解ではなくて、両方とも正しくて、どちらがより大きいかの判断とか順番とかの優先順位程度の話ですね。
中東地域では、カダフィのリビア以上に問題の大きい国は数数あるが、あえて誰も軍事介入しようなんて思わないのですよ。
それはある意味当たり前で、その後の展開が大騒動になり簡単には収束しないのは誰にでも判るのです。
何の利益も無いのに、自分からわざわざ解決不能の難問に首を突っ込む物好きは何処にもいないのです。
ただ、例外は幾つかあり今では破綻国家として有名なソマリアですが、初めてアメリカが軍事介入したのはレーガン時代の最後の最後。
選挙で共和党が敗北して大統領選挙でクリントンが当選していたのですが、アメリカでは大統領の選挙と任期との間に不思議なタイムラグがあるのですね。
何と、一週間後に辞める共和党大統領が難問の置き土産(時限爆弾?)を新しい民主党大統領の宿題を残したのです。
良く似た例では共和党大統領のアイゼンハワーが選挙でニクソンに勝ったケネディ民主党大統領の正式に任命される寸前の矢張り一週間前に、アメリカの傭兵部隊のキューバ侵攻の計画を許可しているのですよ。
これが後の人類滅亡を賭けた米ソのチキンレースのキューバ危機の原因ともなるのですが、何とも迷惑な話ですね。
そもそもブッシュが打倒しようとしていた悪の枢軸とは一番がイラクで、二番三番はイランとリビアだったのですが、そのまま発表してのでは誰も『悪の枢軸である』とは信じてくれなくて、『イスラムの石油大国の三ヶ国』としてしか思わない。
正しく発表する訳にはいかず絶対に駄目なのです。
それで仕方なくリビアを外して石油が無いしイスラムとも無関係な北朝鮮を入れて『悪の枢軸』であると発表したらしい。
何とも姑息なアリバイ作りですね。迷惑なのは北朝鮮とかその周辺国の日本など。
朝鮮戦争は収束していず休戦中なのですから、フセイン政権の崩壊を見れば正常な危機意識が働けば金正日政権でなくとも自国の経済を犠牲にしても必死になって核兵器の開発に走ります。
本物の正義を貫く (マトリックス)
2011-10-12 14:46:37
 革命前は識字率が10%だったのをあっという間に90%にした実績、イスラエルやアメリカの非道を勇気を持って指摘し続けた事、そして長年、アメリカなどに侵略の口実を与えなかった点から、カダフィは極めて有能で、誠実にして実直だったという事が結果論からも証明されるようです。
イギリスの属国ではなく本物の独立国を目指した西郷隆盛のように、本物の正義を貫くという事は極めて危険なようです… リビアのニュースを見るたびに憂鬱になるのは自分が感情移入し過ぎるからでしょうか…
リビアはイギリス・フランスなどの直接的な石油狙いのほかにリビアの石油決済を金(ゴールド)にしようとしたのが西洋の支配層に都合が悪く、今回の空爆や直接的な武力介入をされたようです。
深まるユーロ危機 (宗純)
2011-10-13 15:47:57
マトリックスさん、コメント有難うございます。

イタリアの有り得ない3段階の特下げとかギリシャ緊急融資の一時的停止とかスロバキア議会の否決決議とか、いよいよユーロ危機も最終段階に入ったようですよ、
リビアの反政府勢力がシリアの反政府勢力をシリアの唯一の合法政府として承認したのですが勿論世界で最初の椿事ですが、このシリア反政府勢力の実体もリビアの反政府勢力の実体も両方とも宗教勢力(イスラムの原理主義)ですね。
到底民主主義とは呼べない勢力を支援するNATOですが、NATO加盟国と言うよりも一部の国々で、有志連合なのですが実体は破綻寸前国家の集まりなのです。
『瓜田に履を納れず 李下に冠を正さず』の言葉の正反対な状態で薄汚い邪まな企みが見え隠れどころか丸見え状態で、 世間体をかまってる状態は過ぎているのでしょう。
いよいよ終わりの始まりが、とうとう始まったのでしょう。

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