逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

水爆に成功したらしい北朝鮮、フクシマで失敗したらしい日本

2016年01月06日 | 放射能と情報操作
『北朝鮮の水爆開発、これは本当と見て当然』 2015-12-16大槻義彦

『NHKニュースによれば北朝鮮が水爆を保有しているそうだ。』
    (以下引用)
北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙は10日、キム・ジョンウン第1書記が「わが国は水素爆弾の巨大な爆音をとどろかせることができる核保有国になることができた」と述べたと伝えました。
これについてホワイトハウスのアーネスト報道官は、10日の記者会見で「現時点で、われわれが持ち合わせている情報では、疑問を抱かせるものだ」と述べ、北朝鮮の水爆の保有は疑わしいという見方を示しました。
    (引用終わり)
水爆は原爆の中心部に重水素、3重水素などを詰め、そのまわりの原爆を爆発させて水素核融合爆発を起こすのだ。
つまり原爆さえうまく爆発すれば水爆も難しい技術ではない。
事実1960年代、中国はロブノールで最初の原爆実験をやってからたった2年半で水爆実験をやっているではないか。当時の中国に比べれば今の北朝鮮の技術集団のレベルは相当高い。それに水爆設計の極秘資料なども最近の情報戦の結果すでによく知れ渡っているのだ。
問題は水爆の中心部の重水素の形式である。
水爆を実戦用に開発するためには重水を固体化しなければならない。すなわち重水化リチウムの形にするわけだ。この技術はすでにソ連が開発したもので、後にアメリカが追随した。
北朝鮮とソ連(ロシア)は繋がりが深い。とくに北朝鮮の科学技術者集団はソ連、ロシアで教育を受けたものが多い。このことからすればとっくの昔に北朝鮮は重水化リチュウム水爆のノウハウを知っていたはずだ。したがって今回の北朝鮮水爆は最初から難しい重水化リチウム水爆の成功であろう。
アメリカや韓国は北朝鮮の水爆開発を小馬鹿にしているが、それは誤りで、北は水爆を開発した、とみるべきだ。私の心配するのはこの重水化リチュウム水爆が世界の紛争地に拡散してしまうことである。
12月16日「大槻義彦の叫び」

『北朝鮮で人工的な揺れ観測、核実験の可能性』

[ソウル 6日 ロイター] 韓国気象庁は6日、北朝鮮の核実験場付近で人工的な揺れを観測したと発表、北朝鮮が核実験を実施した「可能性が高い」と明らかにした。
米地質調査所によると、北朝鮮でマグニチュード(M)5.1の揺れが発生。韓国気象庁は、過去に北朝鮮の核実験が行われた豊渓里(プンゲリ)から49キロの地点で揺れを観測したとしている。
韓国気象庁の担当者は電話でロイターに対し「人工的な揺れを観測した。現在、揺れの大きさや震源地について分析している」と述べた。
北朝鮮は6日に重大な発表を行う予定。(日本時間午後0時半)
韓国大統領府は緊急安全保障会合を招集。日本の菅義偉官房長官は、北朝鮮で観測した揺れについて、核実験の可能性があると述べた。
2016年1月6日 12時33分 ロイター

北朝鮮の水爆が危ないのは当然の話だが、日本にとっては弱小北朝鮮の核兵器以上に中国の核兵器の危険性の方が遥かに高い。
そもそもポツダム宣言や中国が常任理事国になっている国連には、日本軍国主義の復活を絶対に許さないとの決まりごとがあり、右翼国粋主義の安倍晋三の妄動など、本来なら懲罰の対象である。
その危ない中国以上にロシアの核兵器はけた違いに多い。(北朝鮮の核兵器の実戦配備はこれからの課題だが中露はすでにいつでも使える状態になっている)
中国ロシア以上にもっと危ないのは自国の国益のためなら核兵器の使用をためらわないと宣言しているアメリカの核兵器であろう。そもそもコロンブスの太平洋横断の例のように何事にも当てはまる大原則ですが、『初めて』はハードルが高く困難だが2回目以降は簡単になる。アメリカですが、既に2回も核兵器を使用した恐るべき過去があることを決して忘れるべきではない。
人類に対して次回(通算では3回目)に核兵器を使用するのは北朝鮮ではなく、2回も情け容赦なく日本に対して使用したアメリカである可能性は限りなく高いのである。

福島第一原発の原子炉建屋付近だけ地上30メートルから40メートルに濃い霧がかかっている摩訶不思議な怪現象

『福島第一原発汚染水の放射能濃度急上昇』

北朝鮮の水爆実験成功の前日の今年1月5日にしんぶん赤旗では、『福島第一原発汚染水の放射能濃度急上昇』とのタイトルの時事通信社配信記事を報道している。
(2016/01/04-20:03)東京電力は4日、福島第1原発2、3号機建屋の東側にある地下水の観測用井戸で、先月31日と今月1日に採取した水の放射性物質濃度が急上昇したと発表した。
原因は分かっていない。
東電によると、12月31日に3号機東側の井戸4カ所でセシウム134と137が1リットル当たり計90~307ベクレル検出された。前回の同28日に採取した水は検出限界値未満が多く、濃度が高い所でもセシウム137で同1.4ベクレルにとどまっていた。1月1日になると、セシウム濃度は同1.5~2.78ベクレルに下がったという。
また、1日に採取した2号機東側井戸の地下水からは、セシウム134が同350ベクレル、137が同1600ベクレル検出された。前回の12月29日は134が検出限界値未満、137が同6ベクレルだった。ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質の濃度は前回の同25ベクレルから同5000ベクレルへと200倍に上昇した。
1月2日に再度地下水を採取して測定したところ、セシウム134は同60ベクレル、137は同280ベクレルに、ベータ線を出す放射性物質は同630ベクレルに下がっていた。
東電は日々地下水をくみ上げて汚染水として処理している。福島原発事故から間もなく5年となるが、地下水の放射性物質濃度の急上昇は断続的に生じている。
12月4日時事通信
福島第一原発では汚染水の放射能濃度が短期間で数百倍から数千倍も急上昇している。
時事通信では12月9日にも、『地下トンネルで放射能濃度上昇=4000倍、原因不明-福島第1』との記事を配信しているが、いずれも原因は全く不明である。
福島第一原発では原因不明の放射能濃度急上昇だけではなくて、増え続ける汚染水対策として建設された海側遮水壁が完成から1か月で20センチ(1日当たりなら7ミリ)も傾くが、やはり原因が不明である。
フクシマですが安倍晋三首相の『アンダーコントロール』発言は出鱈目であり、メルトダウンした100トン超の核燃料が全くコントロール出来ていない『暴走状態』に陥っている。

『北朝鮮の核実験実施を「もっけの幸い」としてフクシマの惨状を小出しにして誤魔化す安倍晋三の恥知らずな悪事』

前回の2013年2月の北朝鮮の核実験(通算では3回目)では新聞号外が出る大騒ぎの中で、ひっそりと誰に知られることもなく福島第一原発での放射能被害である小児甲状腺がん『3人確定、7人疑い』(10人が小児甲状腺がんを発症)が発表されていた。
30年前の1986年に起きたレベル7のチェルノブイリ事故では6000人程度の小児甲状腺がんだけが放射能被害として認められているが、人口200万人の福島県なら最大でも200人程度の数字である。
しかし同じレベル7の核事故から3年目の2014年までの数字しか出ていない現在でも福島県の小児甲状腺がんは150人を超えている。(日本で唯一核事故から4年目の2015年のエコー検査を行った千葉県柏市では1割の小児甲状腺がんの疑いのB・C判定が出ている)
今回の北朝鮮の水爆実験成功では、マスコミは前回2013年核実験以上の大騒ぎをして世論を煙に巻き、『3人確定、7人疑い』(10人が小児甲状腺がんを発症)以上のもっと恐ろしい重大ニュースが密かに発表される可能性が非常に高い。
不都合なニュースを不自然に隠そうとすると余計に目立つ。人は人混みの中に隠しニュースはニュースの洪水の中に隠すのが最善の隠蔽方法なのである。(今後の数日間は、誰も気が付かないような新聞の片隅のとんでもなく小さなベタ記事に注意する必要がある)
民主党(管直人)政権下の2011年3月11日にレベル7の核事故が発生し、翌年の2012年9月には最初の小児甲状腺がんが発生している。
2カ月後の11月には早くも二人目が発症したが日本のマスコミは『一人目が発症』との真っ赤な嘘で煙に巻き、民主党の野田義彦首相は衆議院を突如解散して安部自民党に政権を禅譲する。
野田義彦が自民党に大政奉還を行った日付とは、1年前にメルトダウンした福島第一原発の冷温停止状態を宣言した曰因縁の12月14日である。
その年末選挙で大勝した安倍晋三ですが、2か月後の北朝鮮の核実験(3回目)の騒動に便乗して、『3人確定、7人疑い』(10人が小児甲状腺がんを発症)を発表している。
今回の北朝鮮の初めての水爆実験のマスコミの大騒ぎに便乗して安倍晋三が何を発表するか、考えるだけでも恐ろしい。

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4 コメント

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東京新聞1月24日【特報】使うけど、使わない ぶれるSPEEDI活用法 (現田石)
2016-01-24 07:55:28
関東地方の新聞をチェックしている現田石です。
今日、東京新聞で「水爆に成功したらしい北朝鮮、フクシマで失敗したらしい日本」へのコメントのような記事がありましたので、前文部分を紹介します。

今月初めに北朝鮮が発表した核実験。懸念された一つが放射性物質の飛散だったが、予測情報として自衛隊に提供されたのが「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」による試算だった。ところが、政府は従来想定された防災面でのSPEEDIの活用をかたくなに拒んでいる。福島原発事故での物議が理由とみられるが「使うけど、使わない」という不自然さに疑問は募るばかりだ。 (榊原崇仁)

私もここまでしか読めていないので、この先を読めたらまたコメントしたいと思います。『日本の原発失敗、これは本当と見て当然』でしょう。
返信する
続きのコメント (現田石)
2016-01-24 23:35:39
現田石続きのコメントです。前のコメントで紹介した特集記事は、東京新聞1月24日28・29面にわたる比較的長いもの(各ページ5段)でした。
その内容から特に気になって私が原子力規制委員会ホームページを実際に調べてわかったこと。

今回の原子力規制委員会の動きが速い。1月6日には既に放射能影響の観測結果等の第1報、第2報をインターネットに出している。
https://www.nsr.go.jp/activity/monitoring/monitoring5.html

これらは、「Press Release」である。
第1報の後半部分が次の内容である。拡散予測図はp.10からp.34にわたる大量のものである。
https://www.nsr.go.jp/data/000135471.pdf

2.参考情報航空自衛隊機による高空の大気浮遊じん等の採取の際の参考として、WSPEEDIによる拡散予測結果を防衛省に提供しました。【別紙2参照】

実際は、第15報にいたるまで実測値では異常なし。
日本の原子力発電所の時と異なり、朝鮮の核実験実施発表の直後から不安感の拡散に励んでいたようです。
返信する
最終結論は東京新聞と逆か(追加コメント) (現田石3)
2016-01-30 23:39:29
「ぶれるSPEEDI活用法」という東京新聞の見出しに飛びついてコメントを書いてみましたが、気を取り直して同じホームページで見てみたら、過去(2009, 2013)年のSPEEDIの運用実態も見ることができました。
その結果、「Press Release」という語句が使われているか否か程度の違いはありますが、キタ朝鮮の核実験発表があるたびに即刻でWSPEEDIによる拡散予測結果が大量に発表されていました。
つまり、核発電所の事故があろうがなかろうが、キタ朝鮮の核実験実施発表直後にフル稼働するのがSPEEDIの本来業務であるらしいということが、2016年の今になってやっとわかりました。日本政府はレベル7事故の前後ともどこも壊れなくて以前と同じく動き続けていると言い表すべきでしょうか。
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なにかが『始まった』らしい。あるいは何かが『もう、終わっている』らしい (宗純)
2016-02-01 13:57:56
現田石さん、コメント有難うございます。

一般市民の被曝対策であるが、少しも早くない我が日本国のスピーディですが、北朝鮮の地下核実験が大失敗して地上に露出しない限り、日本国内での観測結果に変化が何もない程度は常識中の常識の範囲。
それを規制委が公表していたとの馬鹿馬鹿しい東京新聞の記事ですが、…・十数年も日本では続いている北朝鮮バッシングの一環でないとしたら、何を目的にしているのでしょうか。
東京新聞の編集部ですが、実に不思議な記事である。
世にも不思議な記事といえば、昨日の読売新聞ではなんと、自衛隊が邦人保護のためのスパイ衛星の情報を利用した新しいシステムを立ち上げるとか。外国で自衛隊が日本人人質救での能力も無いし、そもそもそれは戦争そのもの。
多分フクシマが5年ぶりに大爆発して東京など首都圏からの日本人救出(脱出)が起きることを想定しているのですよ。
1月31日の読売新聞では『邦人救出へ新地理情報、衛星画像にデータ合成』とのタイトルで、
『政府は世界の「地理空間情報」に関する独自のシステム構築に乗り出す。』と書いている。
今の日本ですが、
なにかが『始まった』らしい。あるいは何かが『もう、終わっている』らしいのです。
読売の一見『お馬鹿記事』にみえる不思議な記事ですが、政府内部の極秘情報のリーク記事の可能性があるのですね。

やはり本当だった原子力規制委vs東電・経産省(エネルギー庁)の深刻なバトル(仁義なき戦い)
2016年01月25日 | 放射能と情報操作
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/18f1e842b669780a2db441df8eac6e15
に書いたが、
1月27日、原子力規制委は例の凍らない凍土の止水壁の認可問題を討議することが決まっていると1月24日の産経新聞が報じていたが、
やっぱり、27日に開かれた原子力規制委でも、結論が先送りされて何も決まらないらしい。
何も『決まらない』というよりも、たぶん、恐ろしすぎて。あるいはフクシマの溶解した核燃料の状態が「何一つ分からない」ので、決められないのです。
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