逝きし世の面影

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150年遅れの戊辰戦争?

2016年07月12日 | 放射能と情報操作
『南相馬の避難指示解除』2016/7/12 共同通信

政府の原子力災害現地対策本部は、東電福島原発事故で福島県南相馬市の一部に出ている避難指示を解除した。

『南相馬の一部で12日「避難解除」 小高区と原町区』2016/7/11 福島民友新聞

政府は12日午前0時、東京電力福島第1原発事故に伴い南相馬市小高区と同市原町区の一部に出されている居住制限、避難指示解除準備両区域の避難指示を解除する。
国は解除後も復興に取り組んでいく姿勢を示していたが、議会や住民から疑問の声が出ていたことを受け、国と県、市の3者が今月1日に復興に関して国が責任を持って取り組むとする文書を取り交わした。
解除の対象は7月1日現在、3487世帯1万807人で、これまでの避難指示解除で最大規模。昨年8月に始まった準備宿泊の登録者数は6月30日現在、690世帯1999人。



『北海道・奥羽越列藩同盟が参院選で大勝利』2016年7月11日 (月)植草一秀の『知られざる真実』

第24回参議院議員通常選挙が実施され開票結果が明らかになった。焦点の1人区における自公対野党4党の戦いは21対11になった。
前回参院選では1人区において自公勢力が29対2で圧勝したから、著しい変化が生じた。
とりわけ秋田を除く東北・北海道の全道県で反自公勢力が自公勢力に勝利した。
反自公勢力が勝利を収めた地域は地続きの新潟、長野、山梨まで続いている。
北海道、秋田を除く東北、長野、新潟、山梨の面積は日本全体の44.8%を占めており、東日本で 反自公勢力が優勢  西日本で 自公勢力が優勢となった。
明治維新の際の戊辰戦争では羽越列藩同盟が形成されたが、東日本が反安倍自公政権、西日本が親安倍自公政権という図式が形成されたとも言える。
北海道では民進党が2議席を確保、青森、岩手、福島、宮城、新潟、山梨で反自公勢力が厳しい戦いを制した。
野党共闘は大きな成果を発揮したと言える。
ここから三つの事項を引き出せる。
1.東日本全体で反安倍政治の気運が極めて高まっていること。
2.野党共闘によって安倍自公勢力に打ち克つことは十分にできることが証明されたこと。
3.投票率を引き上げて、「安倍政治を許さない!」主権者の投票を促すことが極めて大事なこと。
2016年7月11日 植草一秀の『知られざる真実』(要約)


右翼系サイトに掲載されていた東京オリンピック開催が予定されている2020年の日本の未来予想図

『切り捨てられる被災地。人口200万人以上の宮城県や福島県の参議院改選数を1に、』

東日本大震災の復興を標榜しながら人口が200万人以上の宮城県や福島県の参議院改選数を2から1に減らして、被災地の声が中央に届かないようにした政府自民党ですが、震災復興は口先だけで本心は東北などを切り捨てるとの表明であろう。
特にひどいのは選挙終了直後の避難指示解除。これでは日本政府による、まるっきりの棄民政策である。
野党統一候補が勝った東北地方など東日本とは大違いなのが西日本。(沖縄県は例外で10万票以上の大差で野党統一候補が勝利している)
野党統一候補が勝った三重県と大分県を除く1人区は自公など与党系が独占したが、特に兵庫県(定数3)や大阪府(定数4)では与党自民党に媚びる維新を含め与党系がすべての議席を独占し民進党や共産党など野党系はゼロになっている。 
植草一秀の『知られざる真実』の150年遅れ二回目の戊辰戦争との記事ですが、『歴史の真実』では1回目の戊辰戦争は一部分では善戦したが最後には東日本の奥羽越列藩同盟側(野党統一)が西日本の薩長土肥の新政府軍側(与党連合)にボロ負けして終わっている。

『2016年参議院選挙の結果』

民進党と維新の党との合併効果はまったくなかったが、野党統一の方は大きく影響した。
野党統一が無かった3年前は2勝が、今回は11勝で5倍以上ですよ。今の民進党にまったく魅力が無かったのは事実だが野党共闘が無かったと仮定すれば、今よりも10議席ぐらいは減っています。
それよりも、今回特筆すべきは東北では秋田を除き自民が全て負けています。福島県の隣の新潟も自民党が負けている。
この原因はTPPだとマスコミが誤魔化しているが、フクシマの放射能被害であることは確実でしょう。
西日本の農業県では東北とは逆に自民が全勝ですよ。特に和歌山県などは共産党候補だった(野党統一候補なのに民進党の地元組織は応援しなかった)香川県以上に最も票差が開いていた。
そして唯一稼働している川内原発の鹿児島県知事選での思わぬ自民の敗北も、原発(フクシマの核事故)以外には原因が考えられない。

各種の世論調査では、与党自民党が3割以上の支持率があり、対して野党第一党の民進党の支持率は1割を割っている状態では、たぶん、『統一』が無かったとすれば、1人区では3年前の参議院と同じ2勝(29敗)程度で終わっていたでしょう。野党が統一した今回は11勝している。
野党第一党とはいえ民進党の支持率はマスコミが宣伝した『二大政党』制どころか、公明党や共産党とそれ程大きな差が無いドングリの背比べ状態なのです。
ところが今回は与党自民党56に対して、ドングリ程度の民進党が32と、半世紀前の昔懐かしい野党第一党だった社会党程度には善戦しています。
ようは、たった17議席だった3年前の前回2013年参議院選挙があまりにも酷すぎたのです。3年前から比べればですが、民進党は倍増していた。



『参議院選挙の争点は大騒ぎしたアベノミクスの是非でも憲法改正でも無く、誰一人言わないフクシマの放射能被害への恐怖だった』

3年前の17議席に比べれば民進党は32議席なので2倍増の大勝利になるが、、改選数からはマイナス11の大敗となる。
共産党は6年前改選数3議席が今回は6議席なので2倍増の大勝利だが、事前のマスコミ予測では7~10であり、3年前は8議席なのでマイナス2の大敗となる。
『勝つ』とのマスコミなどの事前予測に反して選挙戦の終盤で唐突に失速した共産党の失敗ですが、朝日新聞は共産党政策委員長の5兆円を超える軍事費を『人殺しの予算』と発言して、謝罪撤回したお粗末極まる不祥事だと書いているが、たぶんこれは間違いないでしょう。
そして『勝てない(失速したままの)民進党』ですが、投票日直前に行われた東電の第三者委員会の『官邸の方からの指示』とのメルトダウンの隠蔽であることは(マスコミが誰も言わないが)、これも間違いないでしょう。
今回の参議院選挙の最大の争点とは、マスコミが大騒ぎしたアベノミクスの是非でも憲法改正でも無く、与党も野党も有識者も同じで、誰一人言わないフクシマの放射能被害への恐怖だったのである。
現実の問題として最大の懸念であるフクシマ(放射能被害)を心配しているが怖くて言いだせない。政府与党なら隠蔽も致し方ない面もあるが、政府の失政を批判する立場の野党では今のような挙国一致の隠蔽工作は致命的なのです。
日本の政党としての体をなさない民進党も共産党も、これでは絶対に選挙で勝てません。

『なかなか終わらない安倍政権、長寿の秘訣は野党の不在』

2016年7月12日ロシアの通信社Sputnikのオピニオン記事でロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は、この選挙から説明がつくのは野党の不在と国民が2006年から2012年にかけての首相交代劇に疲れたことの証であると語っている。
『民主党の不名誉な退陣』
2012年の選挙で自民党が得た票は自民党に入れられたものではなく、失敗した結果に対する抗議のしるしとしてのものだった。
民進党は非常に不運だった。
政権時期に福島の原発事故があったが、このカタストロフィーを解決できず、引き起こされた多くの社会問題の難題をこなすことができなかった。
このため国民は仕方なく公明と連立を組んだ自民党に票を入れたのだ。
民進党は具体的なプログラムを一切提示できなかった。
ところが安倍氏は今回の選挙の勝利でアベノミクスが期待されたような生活の向上をもたらしていないにもかわず、である。
参院の3分の2の議席を確保し、衆院でもすでに3分の2の議席を持っている安倍氏は憲法改正を提起できる。だが、世論調査を見ると、憲法改正の国民投票が成功する保証は一切無い。

『民主党政権の崩壊も自民党大勝(政権復帰)も安倍晋三政権がなかなか終わらないのも、全部が全部「フクシマが原因だった」との恐ろしすぎる現実』

ロシアのSputnikが言うように、誰が考えても2011年の未曾有の福島第一原発のカタストロフこそが今の安倍晋三政権誕生の原因『生みの親』(民主党政権の崩壊原因)であることは間違いないでしょう。そして今の民進党が選挙で勝てない(国民から信用されない)原因も同じでカタストロフ(フクシマ)の収束の失敗が影響している。
ところがである。
『民主党の不名誉な退陣』でタナボタで政権を手に入れた現与党の自民党はともかく、我が日本国内では野党もマスコミも有識者も誰一人もフクシマの未曾有の核事故こそが安倍政権誕生の原動力だった恐るべき事実を指摘しない。
今も終わることなく延々と続く未曾有のカタストロフィというトンデモナイ事実は口に出さなくとも、自分の頭の中で考えるだけだけでも恐ろしいので、日本人の全員が情けないことに思考停止状態に陥っているのである。
そもそも2011年の解決不能の日本のカタストロフィは想定外どころか、第一次安倍内閣の2006年12月22日の第165回国会で共産党の吉井英勝議員が具体的に指摘していた原発が宿命的に持っている危険性を安倍晋三首相が『日本の原発は安全である』と頭から無視したことから発生しているのです。
念仏の如く『・・法令に基づく審査、検査等を厳正に行っている・・こうした取組を通じ今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。』との一字一句同じコピペの『棒読み答弁』を繰り返した安倍晋三首相や自民党の罪は深い。最初から安倍晋三の低能が原因していたのである。



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3 コメント

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自民党 (農婦)
2016-07-13 06:58:20
宮城県ですが、民進の桜井氏が勝ちましたが、原発のある女川と近隣に位置して居る南三陸町では自民党が圧勝です。愚民ばかり。県南の名取市長選では自民党が負けました。宮城県南は放射能汚染が顕著に現れ健康被害が出てます。宮城県知事は女川原発再稼動推進で自民党派の応援演説に回りましたがどちらも落選。昨年の安保法制の強行採決時、カマクラに参加していた熊谷大が落選していくらかホッとしてますが大分県を除いた九州一人区が自民党勝利に唖然です。ただ鹿児島県知事選では自民党派が敗れて居るのでなんか不思議です。不正選挙?
地図 (農婦)
2016-07-13 14:04:43
この地図は前にも貴ブログで見ました。放射能汚染がやや免れた秋田と青森が北海道に組み込まれて居るので、この地図は放射能汚染地域地図に見えてしまいます。
原子炉7基の世界最大の原発、新潟県にある東電の柏崎刈羽原子力発電所 (宗純)
2016-07-16 16:16:13
農婦さん、コメント有難うございます。

元経済産業省のキャリア官僚だった泉田裕彦新潟県知事ですが、東電のたび重なる事故隠しや、2011ねんのフクシマの未曾有の核事故の経験から、今では原発の稼働に反対しているのですが、以前のインタビューでは。
『ここまで言ったら危ないかも』と呟いたあとで、

『消されたり、自殺したり。でも、僕は自殺しませんから。遺書が残っていても、自殺ではない。もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください。』
と言い切っているが、これは3年前の2013年です。これを聞いたあわてものの山本一太まで悪乗りして自分のブログで『痴漢もしないし自殺もしないので、もしもの時はよろしく』と書く始末。山本一太のような下っ端でも心配するのですから、やはり危ないのです。

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