逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

ティーパーティ(茶会運動)が公的医療保険に反対する理由

2011年01月22日 | 宗教

『オバマの公的医療保険創設が何故許せないのか』

本塁打、打点、首位打者等のタイトル6回三冠王2回ベストナイン3回シーズンMVPや日本シリーズMVP、タイガース球団を21年ぶりに優勝させ日本プロ野球で『史上最強の助っ人』と呼ばれたランディ・バース選手は、水頭症を発症した長男の多額の医療費を負担することを恐れた所属球団にシーズン途中の1988年5月一方的に解雇される。
バース選手の医療保険契約問題はその後、責任を感じた阪神球団代表が自殺するという悲劇にまで発展している。
公的医療保険の無いアメリカでは余程クオリティの高い契約でないと差額医療費の負担は膨大で、バースのように年俸を何億円も貰っていても支払いに苦労する。
ましてや中産階級の普通の市民では掛け金に限度あるので、ビル・ゲイツのような超大金持ち以外では、家族が難病になれば何時でも破産する危険がある。
だから一定水準以上の知性や常識があれば誰でも公的医療保険の大切さは知っているのですが、それでも『自分が働いた金が失業している怠け者(黒人)に使われるなど許せない』として頑強に反対する茶会運動(元アラスカ州知事サラ・ペイリン)のような人が大勢いる。
日本人的には理解しがたい茶会運動は『何』を主張しているのだろうか。代表的な人物であるペイリンを見てみよう。

『何故共和党はペイリンを副大統領候補に選んだのか』

オバマと民主党大統領候補を争ったヒラリー・クリントン支持の女性票を当てにして、共和党は同じ女性候補のサラ・ペイリン・アラスカ州知事を選んだとする日本のマスコミの見方は副大統領候補の見かけ(性別)に惑わされた皮相な見解で基本的に間違いである。
公的健康保険推進のヒラリー・クリントン支持層(リベラル)と、サラ・ペイリン支持層(茶会運動)とは水と油で、まったく相容れない『敵』どうしである。
サラ・ペイリンは『妊娠中絶』、『同性婚』、『銃規制』、『進化論』、『男女同権』、『ヒューマニズム』や『リベラリズム』を嫌悪するアメリカの原理主義勢力(宗教右派)ティーパーティの代表なのです。

『2008年米大統領選挙』

サラ・ペイリン・アラスカ州知事の若く庶民的、才色兼備の女性との表向きのイメージとまったく別の、米国の外交、政治に対する想像を絶する無知。極端な反知性や反科学。
政党討論会で司会者の質問には全く答えられない。
アメリカの政治家としてブッシュ・ドクトリン(対テロ戦争や強制民主主義)の意味を『何も知らない』とは恐れ入る。
司会者に説明された後でさえブッシュ・ドクトリンの何たるかが理解出来ない無知蒙昧の極みのような自分像。
それにも拘わらずロシアとの『直接軍事対決』も辞さないというような、偏狭なナショナリズムを前面に出した無知で無教養で未経験なブッシュジュニアと同じ好戦的な政治姿勢だけは鮮明にする。

『科学授業で聖書の創造説』

アメリカ以外の世界では150年前に決着が付いている『ダーウィンの進化論』を認めないペイリンの特異な世界観(宗教論)。
公教育が受け持つで科学(進化論)教育と、それとは正反対の個人個人が責任を持つべき聖書(創造説)を同等であると主張する。
『両方とも教えるべきだ。教育を恐れてはいけない。全な討論は非常に重要であり、学校においては非常に価値を持つ。私は両方とも教えることを支持する。』
『授業で(進化論否定の)議論が持ち上がったときに、議論そのものを禁じるべきではないと思う。』
『生命がどのような過程をたどってきたか(進化論)について、分かっているふりをする心算はない。』

『科学(進化論)と宗教(創造説)の争い』

1925年、アメリカでは『進化論』を学校で教えることは法律で禁じていて、教師は裁判にかけられていた。
1967年ソ連の世界で初めての人工衛星打ち上げに刺激され、『科学教育の大切さ』がアメリカでも認められて、やっと進化論を公教育で教えることを禁止する法律が廃止される。
1987年連邦最高裁判所は公教育の科学で、創造科学(旧約聖書の天地創造)を教えることは『政政教分離に抵触する』と裁定する。
2005年ペンシルベニア州連邦地裁の進化論裁判で『インテリジェント・デザイン説』が宗教だと判断された。
ところが、これらの『宗教』に対する『科学』の一連の当然の勝利に対して、すぐさま原理主義(創造論)側の反撃が開始されるのである。
ティーバーティ(茶会運動)の根は深い。
1981年にアーカンソー州とルイジアナ州は公立学校で、進化論と聖書の創造科学を同じ時間教える法律が成立する。
2008年フロリダ州やテキサス州では公教育で進化論(科学)を否定する『それに代わる説』(創造説)に『改定』するよう検討される。
2008年8月には、ルイジアナ州の知事が進化論に代わる説(創造論)を学校で教えることを奨励する『ルイジアナ州科学教育法』を可決させた。
同様の試みは、サウスカロライナ、フロリダ、アラバマ、ミズーリ、ミシガンの各州でも出されている。

『宗教国家アメリカ』

歴史における『アメリカの存在意義は何か?』という『根元的な問い』と真剣に取り組むことのない思想が、アメリカ国民に強い影響を与えた例はない。
アメリカ合衆国は極めて宗教的意志を持った『国家』である。
しかも『歴史におけるアメリカの存在意義』は常に極めて宗教的な価値観で語られてきたのである。
ところがアメリカという国は、『共通の過去』を持っていないために、『共通の未来』についての意志を欠くと、何時でも先祖返りして『昔の民族的アイデンティティ』へと簡単に逆行するのです。

『日本人的な常識では』

アメリカは元々、『特殊性(例えば天皇制)よりも普遍性(共和制)を、地域性(民族の論理)よりも世界性(イデオロギーや教義)を評価する姿勢持っていたしアメリカ自身も其れを目標とし誇りにもしている』、と言われていた。
対して『日本は普遍性よりは特殊性を、世界性よりは地域性を評価する姿勢である』と思われていて、『日本のアメリカ化』(民主化グローバル化)が『良いこと』と、日本では何の疑いも無く信じられている。

『普遍性(universal)、世界性(global)』

『科学』とは違い、政治の世界で『普遍』と呼ばれるものの多くは『大きめの特殊』に過ぎず、『世界』もまた『大きめの地域』に過ぎないケースが多い。
例えば、経済におけるグローバルスタンダードや新自由主義の様に『大きめの特殊』アメリカが、自らを『普遍』と称して『小さい特殊』日本を虐め排除し支配しているだけではないのか。
メイド・インUSAでしかないユニバーサルモデルやグローバル経済を世界中に押し付けている現在のアメリカ合衆国自身は、決して普遍的(universal)でも世界的(global)でもない。
それらは単にアメリカ自身が描く自己宣伝、自己欺瞞に過ぎず、真実の姿からは程遠い。
真実のアメリカ合衆国という国家は、人類史上稀にみる宗教国家(Theocracy=神権政治)で、普遍的でもなければ世界的でもなく、偏狭で狂信的で特殊な、そして狭い地域エゴの国なのです。
例えるならアフガニスタンを支配していた偏狭なタリバン政権のキリスト教バージョンの相似形の国家なのである。

『宗教右派(Religious Right)』

アメリカにおける(政治活動に熱心な)『宗教右派』の発生は其れほど昔の事柄ではない。
絶対であると思われていた『アメリカの威信』は、ベトナム戦争の敗北で大きく傷つく。
結果ヒッピー・麻薬・フリーセックス・同性愛・ロックンロール・中絶・ウーマンリブ等のいわゆる『カウンターカルチャー』(対抗文化)が1960~70年代にかけて盛んになった。
伝統的な『家族』の崩壊や犯罪の増加、戦争で打ち負かしたはずの日本やドイツの経済的追い上げ等によって、『強いアメリカ』のイメージが崩壊していく。
1980年前後になると、これらの社会現象に対する『伝統的価値観側』からの猛烈な反撃が始まった。
其の象徴が『強いアメリカ』を掲げて登場したレーガン政権である。
西部劇のヒーローのようなレーガン大統領が『悪の帝国』ソ連をやっつけるといったステレオタイプ化した図式が何の疑いも無くもてはやされた。
このレーガン政権誕生の背景にあるのが『宗教右派』であった。

『神を信じるアメリカ人』

アメリカ人の宗教心は我々世俗化された日本人が想像するより遥かに信仰熱心で、『神の存在を信じますか?』とのギャラップ調査に対してアメリカでは95%もの人が『Yes』と答えている。
この数字は9・11事件以後にはさらに跳ね上がリ、粗100%と言っても良いくらいになる。(信じていない人は口を塞ぐ以外の選択肢は無い)
『イエス・キリストを救い主として受け容れるように、他の人に伝道したことがありますか?』は51%。
『聖書を実際に神の言葉として、一語一句文字通りに真実なものとして受け止めますか?』でも31%もいる。
この様な極端な聖書原理主義(根本主義)の人達を福音主義(Evangelical)者と呼ぶが、『あなたは福音派の基督教徒ですか?』に、38%の人が『Yes』と答えている。
アメリカで『公立学校の科学の授業で「進化論」だけでなく(旧約聖書の)創造説も教えるべきだ』というような狂信的な宗教優先の法律が通る筈である。

『レーガン政権成立以後』

『与えられた民主主義』の国である日本では『選挙権』も成人になれば自動的に与えられる。
『民主主義を勝ち取った』と自負するアメリカでは、選挙権に達した人が自分で『選挙登録』しなければ有権者にはなれない。
そのアメリカで4割の人々が『聖書=実際に神の言葉』として一語一句文字通り『真実』として信じている。
彼等にとっては『世界の終末』や『キリストの再臨』や『至福千年王国=ミレニアム』が今すぐそこに迫っているのである。
『現世よりも来世』と思っている福音派原理主義は、レーガン政権以前は『今の世界はもう直ぐ終わる』と考えているので、この世における世俗政治(現実の政治的選択)には殆ど関心を示さなかった。
ところが『アンチ・カウンターカルチャー』(反対抗文化)勢力が形成されるや、道徳的多数派やクリスチャン連合のような団体が次々と結成され、経済不況で職を失った『怒れる中流白人』たちが大量にこの運動に流れ込む。
この流れに影響力の大きいビリー・グラハムなどのテレビ伝道師も同調し、アメリカ政治の極端な原理主義化が進行していく。

『アメリカ宗教右派の目標とは』

宗教右派とは、大まかに下記の特徴的な三つの目的を持った原理主義の政治集団を指している。
(1) 『Humanism批判』
日本にでは、ヒューマニズムは『良い意味』で使われるが、アメリカのコンテキストでは、『人間中心主義』であるヒューマニズムは、全ての事象を『神抜き』で説明してしまうので、ネガティブな意味に取られる。(リベラルも同様)
公選制である地域の教育委員職を奪取して、公教育の場において進化論を批判し、公立学校での祈祷(聖書の朗読)の時間を復活させようとする。
(2) 『Pro-family』
昔の家父長的な『伝統的な家族のあり方』を大切にする。
男女同権を認めると、『同性愛者が夫婦になることを拒絶できなくなる』として男女同権には反対する。
(3) 『アメリカ至上主義』
アメリカ=神の側『神意を実現する国』と規定して、ソ連(中国でもイランでも日本でもいい。ともかくアメリカに楯突く国)=サタンの側と断定。
善なるアメリカ(神の側)が悪(サタン)をやっつける単純な善悪二元論で、複雑な構造で成り立っている国際社会全般を判断する。

このように原理主義の特徴を列挙して見ると、あの不思議すぎる9・11事件や対テロ戦争が偶然ではなく必然であったことが分かる。
ブッシュ政権のイラク侵攻など意味不明の自滅的な対テロ戦争の意味を、田中 宇や日本のジャーナリズムのように政治的な極右ネオコン勢力だけから見ると到底正しく理解出来ないが、見方を広げてブッシュ政権のもう一方の側面である宗教勢力(原理主義)の側から判断すれば『何であったのか』『何が起きたのか』が実に判りやすい。
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7 コメント

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カウボーイの正義 (愚樵)
2011-01-23 07:33:56
アメリカは歴史の浅い国とよく言われますが、それでもそれなりの歴史はある。その歴史を感じさせる記事だと思いました。

ひとことでいって「カウボーイの正義」。アメリカはそこから全く――いえ、ほとんど進歩していないんでしょう。そして、なにかことがあると「カウボーイの正義」が顔を出す。アメリカにとってキリスト教は「カウボーイの正義」を裏打ちするためのものでしかない。
世界最古の共和国 (宗純)
2011-01-23 11:14:12
愚樵さん、コメント有難う御座います。

イタリア中部内陸の人口3万人のサンマリノが世界最古の共和国なのですが、あまりに小さすぎて本当の意味での独立国とは言いがたい。
実質的には世界最古の共和国とは実は人口3億人の超大国アメリカ合衆国なのですね。
『アメリカは歴史の浅い国』とは良く聞く話ですがこれを聞く度に『アメリカ人の病巣』を見る思いです。
日本国憲法が60年経ち、『古くなっている』ので今では現状に合わないなどとの説もあるのですが、アメリカ建国はフランス革命よりも十数年も早いのです。
建国時の憲法は時代が変わっても多少の修正が加えられただけで実質的にはまったく同じで『変わっていない』。
250年間も全く変わっていないのです。このことは選挙制度でもいえて大統領選挙が今では不思議すぎる大統領選挙人を選ぶ間接選挙になっていて、しかも勝者が総取りする奇怪な制度のままで、これは建国時の馬程度しか無かった交通事情と建国父祖たちの国民に対する不信が原因しているですが、時代が変わっても改める気配すらない。
『アメリカは歴史の浅い国』どころかトンデモナク古臭い仕組みの国家なのです。
ところが一見謙虚に見えるのですが、すべてのアメリカ人は口を揃えて自分達は『歴史の浅い国』だと言う不思議。
アメリカ人全員が言うものだから今では世界の人々までが真似して『アメリカは歴史の浅い国』と言う
これは『謙虚』でもなんでもなくて、その正反対の態度ですよ。
入植したアングロサクソンの国家成立だけを問題視して、それ以前のネイティブのアメリカ人の歴史を『無かったことにした』結果であり傲慢そのものですよ。

世界の先進国の代表でもあり唯一の超大国のアメリカの色々な不思議ですが、この意味を理解する為には『アメリカが世界最古の共和国』である事実を直視しないと何も分からない。
世界最先端の国家であると同時に、アメリカが正反対の『歴史的にとんでもなく古い国』であることが原因する、日本人が見ないようにしているもう一方の全く別の何世紀も前の(普通なら滅んでいるはずの邪悪な)禍々しい帝国としての国家の顔が存在しているのです。
何故そんな古いものがアメリカだけに残ったかの疑問ですが、『科学に優先する宗教』としてのキリスト教を抜きにしては解明は出来ないでしょう。
自分と違う他の考え方の存在を認めない人々 (宗純)
2011-01-23 15:18:06
我々日本人的に一番理解し難いのは、今回の様な『自分とは違う価値観の人々』の自分には直接関係ない行為が、『絶対に許せない』として極端な直接行動に訴える人たちが可也の数存在している不思議ですね。
何かの問題が『自分にとって直接利害が関係してくる』なら、これは我々日本人でも理解できるのです。
今回の様に、収入が低すぎて民間医療保険に入れないが、かといって生活保護を受けるほどには低くないアメリカの5000万人の無保険者対象のオバマの公的保険の創設には無関係な、民間保険加入者の階層が主体のティーパーティが『反対だ』と大騒ぎして直接行動に訴えているのです。
妊娠中絶問題でも、産婦人科を銃撃したり総合病院を爆破するなど過激な行動に走るのは、自分では『妊娠中絶問題』とは直接に関係ない人々なのですよ。
何故主義主張が相容れないとはいえ、自分とは直接関係ない問題にそれ程熱くなれるかは宗教に疎い我々日本人としては矢張り『謎』(カウボーイの正義感??)としか言いようが無い。迷惑な話です。
フロンティア・スピリット (愚樵)
2011-01-23 16:27:39
再度、コメントを。

「カウボーイの正義」とはアメリカ人たちが好む「フロンティアスピリット」を皮肉っただけだけです。ま、お分かりでしょうが。

アメリカが歴史の浅い国というのは、見方を変えればその通りです。アメリカは最古の民主主義であると同時に、ずっと民主主義だった国。あのフランスでさえ革命以後、さまざまな歴史を経ています。第一共和制の恐怖政治、ナポレオン帝政、ルイ・フィリップの王制、第二共和制、ナポレオン三世の第二帝政・・・。その複雑さと比べると、アメリカの歴史は単に長いだけといえるかも。単純な分、浅い。

単純に図式化するとアメリカ人は父権的性格が強いのでしょう。妊娠中絶に反対する一方で、「食品安全近代化法」といった法律を通してモンサントの遺伝子組み換え植物だけを栽培できるようにしてしまう。このあたりの感性は日本人には理解しづらいですね。母権的な日本人の感性からいうと、遺伝子組み換え植物は“大地(母性)を穢す”と感じられるが、彼らは平気。妊娠中絶に反対するのも“男が蒔いたタネを断つとはケシカラン”といったところなのでしょう。
社会に占める宗教の比重の日米差 (宗純)
2011-01-24 16:45:11
愚樵さん、コメント有難う御座います。

日本人では『宗教』とは政治や科学に優先することは絶対と言ってよいほど無。
例外はオウムのような破壊的カルトの信者だけでありそれ以外には誰一人いない。
日本では必ず『政治や科学>宗教』の構図になっている。
だから日本人は他のものを判断する時も、この自分の判断基準が優先するわけです。
特に日本では知的水準の高い常識有る人ほどこの傾向が強いのです。
そしてアメリカですが半分は間違いなく日本人と同じで『政治や科学>宗教』の価値観を持っているのですが、後の半分の人々が大問題で日本的常識と正反対なのです。
彼等は困ったことに『宗教>政治や科学』なのですよ。
NHKテレビで連載されていた人気番組の『大草原の小さな家』を見ましたか。
西部開拓時代のアメリカ人たちが好む「フロンティアスピリット」の代表作みたいな良いドラマです。
アメリカの小さな農場を営む貧しいが勤勉で心優しい知性を尊ぶ理想的な若い夫婦と小さな子供達の心温まるエピソードでこの物語は今でも日本人の多くが共感できるものです。
とんでもなく長い物語にもかかわらず日本人のみんなには支持されているし、私も何度かは見ていますが、内容的にも大いに満足いくものなのですよ。
ところがですね。
この物語が最後の場面を知っている人が案外少ないのですよ。
この夫婦の子供が不治の難病に罹り死に瀕すると、あれ程理性的で何時も冷静に困難に立ち向かっていたのに突然あれよあれよと言うまもなく父親は神がかりになり異常な発言や行動を取り出すのです・・・・病気の子供を連れて荒野を彷徨う聖書の記述と同じような話が続き・・・そのうちに突然神託があり神が降臨して奇跡が起こりと・・・今までの話とは違いすぎるあまりの展開に口があんぐり。
あきれ返るばかりです。
何とあのドラマの世界では『宗教>>政治や科学その他』だったのですよ。
しかもこの宗教話を作者は『悲惨な物語』としてではなくて『輝かしい説話』として考えているらしい事実には、真底がっかり。
天上にあるキリスト教の『神』とは、そもそもの『神』であった地上の大地母神を亡ぼすことで成り立っている極めて家父長的な『神』であるし、
アメリカ人たちが好む『フロンティアスピリット』とは政治的経済的な意味だけではなくて、宗教的な意味を持っており『地に満ちよ』『(神に代わって)支配せよ』聖書の記述の現実化、聖なる宗教行為を実践との隠れた側面がある。
正反対の部分を同時に持っているアメリカを理解する為には、『政治や科学>宗教』で科学的な普遍性を優先する傾向の強い日本人も、アメリカ限定で『政治や科学=宗教』ぐらいの価値観で無いと到底真実には近づかないようです。
アメリカの「人権」外交の行く先 (現田石)
2011-01-29 16:43:05
アメリカ宗教右派がずうっとアメリカ合衆国の政治権力を握り続けるとなると、今大々的に行っているような「人権」主張は、二重基準(ダブルスタンダード)もっといえば二枚舌の典型そのものであるという国際社会からの批判が高まって来るのではないでしょうか。この点にかんして私はアメリカの「人権」外交の行く先にとても興味を感じています。
米英の人道介入に9割が反対したギリシャ (宗純)
2011-01-29 17:34:03
1999年に起きたNATOの不思議なコソボ問題での軍事介入にギリシャ(東方正教会)では9割の絶対多数の市民が反対していたのです。
イギリスのブレアが『放置すれば20万人が殺される』と主張して米軍はクリントンの弾劾の大陪審の最中に空爆を開始するのです。
クリントンのモニカさんとの下半身問題が直接の動機だと思うが何とも意味不明の軍事行動で、実は100年程前にはギリシャが米仏などの民主主義を理由とする軍事介入を経験しているのでインチキ性は見抜いていたのです。
コソボ紛争で、アメリカはそれまで政府自身がテロ組織と正式に認定していたコソボ解放軍を軍事支援してコソボの実権を握らせるのですからダブルスタンダードも極まれりなのです。
善悪二元論のアメリカの善と悪とは、自分の都合によって何時でも入れ替え可能なのですね。
我々アメリカの同盟国の日本人にとっては、本当に困ったことです。
困った時にアメリカが助けてくれると思っているらしい日本の対米従属命の今の管首相ですが、何時でもアメリカに都合の良い時には日本は仮想敵国として叩かれる可能性は非常に高い。
多分20年前の冷戦崩壊時に、アメリカの次の仮想敵国候補の第一位はアメリカに次ぐ経済大国だった日本国ですよ。
だからアメリカの言いなりになっている日本の経済は、現在のようなこれほどの落ち込みに見舞われたのです。

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